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    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
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    エガキナ

    よその子さんお借りしてます

    ##エガキナ

    昼食 先輩である瀬戸から缶コーヒーを奢ってもらって数時間後、昼休みの時間へとなった。凪は上機嫌で休憩もらいます、と言ってから部署を出る。数時間前に立ち寄った休憩所へと向かうと、既に瀬戸がいてこちらに手を振る。
    「瀬戸さんはやーい! んじゃ案内します」
     凪はそう言って瀬戸と共に創務省を出る。通りを出ると昼時だからかOLやサラリーマンとすれ違う、そんな人達とすれ違いながら、人通りの多い大通りから少し脇道を入る。すぐ着くと思っていたのか、はたまたこんな所に食事できるところがあるのが意外だったのか、瀬戸は辺りを見回す。
    「案外歩くんだな?」
    「まー、そうかもですねぇ」
     でも味は保証します、と凪が笑った時にお目当ての店へと着いた。店の外観からして中華屋なのは誰が見てもわかる、そして、中々に年季が入っている事も。凪はそのまま扉を開けて大声で話す。
    「おっちゃーん! こんちはー!」
    「凪か? また来たのか。お? 知らない兄ちゃんだな。空いてる席に座りな」
    「先輩連れてきちゃったー。んじゃ、瀬戸さんこっちこっち」
    「おー、これまた中も趣があるな」
     凪に連れられて瀬戸はカウンター席に座る。中に入ってすぐに伝わる麺の茹でる匂いと、少し油っぽい調味料の香り。壁に下がっているメニューの紙が所々薄茶色に変色していた。凪は注文をするのが決まっているのか、瀬戸を見た。
    「瀬戸さんなにするんです?」
    「んー……」
     瀬戸はメニューをじっと見て、台湾ラーメンがある事に気づく。
    「台湾ラーメンにするかぁ」
    「えっ、まって俺が一昨日来た時には無かったのに……!?」
    「つい始めたんだよ」
     恰幅のいい店主が大笑いをする、凪は少し唸ったあと、そうだと瀬戸に話す。
    「あっ! そうだ瀬戸さん! ここの麻婆豆腐まじ辛くて美味いんすよ」
     凪はもしかしたら瀬戸は辛いのが好きなのでは、と感じていた。凪も同じく辛いのが好きだ、ならここの麻婆豆腐を気に入ってくれるのでは、なんて思いながら提案をする。ほら、と凪は麻婆豆腐の写真を見せた。写真に写っていた麻婆豆腐は、真っ赤を通り越してもはや黒く、誰が見ても辛そうなのは目に見えている。
    「おっ! ならそれ頼もうかな」
    「やったー! おっちゃんー! 注文!」
    「そんな大声言わなくてもお前の声はすぐわかる」
    「ははっ! 確かに」
    「褒めてるのかわからない……」
     どうも褒められてないように聞こえる、と口をとがらせて眉をしかめる凪。そんなことはない、と瀬戸は笑いつつ注文した料理を待つ。
     少しして、注文された料理が来た、瀬戸は凪が注文した料理を見て少し意外そうに見る。ラーメンの上に、麻婆豆腐がのっていたからだ。単品で来た麻婆豆腐とは、少し色が違うように見える。違うように見える、といっても、黒には変わりないのだが。
    「え? それ上に麻婆豆腐のってるの?」
    「そーそー、麻婆豆腐ラーメン! いつも頼むやつです!」
    「それと別にこの麻婆豆腐食べるわけ?」
    「このラーメンにのってるのはまた辛さが違うんですよ」
    「へぇ……」
    「今度また来た時食べましょうよ瀬戸さん」
     さりげなく約束してしまったが、瀬戸が笑った様子を見て凪は上機嫌でラーメンをすすった。
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    ちょこ

    DONEダミアさんお誕生日小説
    ダミアさんお借りしました!お誕生日おめでとうございます!
    モンブラン「ダミア、お誕生日おめでとうございます」
    「おー! ありがとな!」
     レイフが借りている拠点と言っていい住まいにダミアを呼び、目の前にケーキを出す。ダミアと前もって連絡を取っていたため、こうして呼べたのだ。ケーキはレイフの手作りだ。本当なら、料理も出そうかと言ったのだが、間髪入れずに断られてしまった。今度こそ上手く作れるような気がしたのにな、とレイフは残念そうに思いながらも、ダミアを見た。
    「このケーキ……モンブランか?」
    「そうです、アマロンを使ってます」
    「へー! 王様って呼ばれてるやつじゃん!」
     ダミアは感心したようにケーキを眺めた。アマロン、様々な栗の中で特段に甘い栗の事だ。身も大きいのだが、育てるのが難しく、しかも、大きく育てようと魔力を使うと、すぐに枯れるという性質を持っていた。なので、完全な手作業、時間をかけてゆっくりと育てる。そのため、栗の中の王様、という意味で【アマロン】と呼ばれるのだ。一粒だけでも驚くほどの高額で取引される。その高額さに、一時期偽物のアマロンが出回るほどだった。偽物のアマロンと区別を測るための道具すら開発されるほどに。
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