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    筋肉二刀流抹茶

    書くもの全部赤タイツ集団になっちゃったな。

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    筋肉二刀流抹茶

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    ウルデプの書きかけー。
    マイアース。
    ウェイドの傭兵時代の昔馴染みが依頼をしてくる話

    『シスターマーガレット』
    修道女なんて名前が付いている看板を提げている店だが勿論そんな厳かな場所じゃない。
    神様に懺悔なんてものをするには程遠い荒くれが集まるこの辺りではありきたりなBAR。
    鈍く光る鉛玉をぶっ放す玩具を引っ提げて酒を浴びる薄暗く濁った空気が漂うそんな場所で、カウンターの真ん中を陣取り座るフードとキャップを目ぶかに被った男とこの場に不釣り合いな休日のお父さんともいえるデニムズボンにチェックのシャツを羽織った男が店の眼鏡マスターに酒を注文していた。

    「ブロウジョブ…と言いたいとこだけど今日はいい。いかにもバーボンとかウォッカ顔なコイツに甘々なピンクのカクテル作ったげて」
    「テメェが飲め。俺は今日は休肝日だ」
    「あらまローラとのお約束ちゃんと守れて偉いでちゅねローたん。てわけでウィーゼル特製甘々ピンクカクテルは俺ちゃんがいただきまーす」

    ふざけた会話をするフードの男ウェイドはマスターウィーゼルから甘いピーチの香りが鼻をくすぐるカクテルを受け取ると、グラスの淵に塗された砂糖を軽く舌を出して舐め取りながら喉を鳴らした。

    「フラミンゴじゃん。ゲロあま…もしかして俺ちゃん口説かれてる?」
    「おいおい恐怖でおっ勃てながらゲロ吐くからやめてくれ」
    「意地悪言うなよ俺たちの仲だろ?」
    「やめてやめてそっちのホットで絶妙にダサい相方とやり合う気もないしお前は俺の趣味じゃない。マジで。いいから要件を言えよウェイド」

    つい最近傭兵稼業を再開すると言って相棒を連れてきて紹介したウェイド。色々あって説明は省くがX-MENじゃないウルヴァリンのローガンだとジョークのような事を言われたウィーゼル。
    嘘つけと軽くあしらっていたがアダマンチウムの爪を見せられて軽く漏らしながら現実だと受け入れた気のいいマスターはそれ以来彼らにお似合いの仕事を割り振り時にはこうして酒の注文を受けて話を聞いていた。

    「ん、これの報酬いつもんとこに振り込んどいて。クズリちゃんが麗しい美女に跨られるシーンもなけりゃ俺ちゃんが睡眠薬飲まされて水着着替えさせられるなんてハプニングもない泥臭い仕事だったけどキチンとB級ホラー枠に収まるくらいには仕上げといたぜ」
    「お前のビキニなんてあったら観客汚物塗れの大惨事だろ。一人劇場でもしてコイビトにでもマスかいてもらえ」

    ウェイドから仕事を終えた証のカードを受け取ったウィーゼルは、手持ち無沙汰になっているクズリことローガンに炭酸が入ったグラスを渡し「奢り」と一言添えた。
    ローガンはそれを訝しみながらも鼻を鳴らすとアルコールがない事を確認し一息に飲み干した。

    「終わったなら帰るぞ」
    「あらやだクズリちゃ~んヤキモチ?可愛いー」
    「酒の匂い嗅ぎながらシラフでいる場所じゃねえだろ」
    「酔ってもすぐ回復してシラフだろ?」
    「うるせえ黙れ」

    逞しい腕に絡みつくウェイドに満更でもなく好きにさせているローガン。
    そんな二人をイチャイチャイチャイチャと鬱陶しい。そう思うのはウィーゼルだけじゃないはずだが誰もが見ぬふり素知らぬふり。
    初めの頃は揶揄い時には手を出して返り討ちにあった輩が数知れず、今ではそう言う斬新なオブジェか演劇かのように認識されていて興味本位で声をかける輩は余程の世間知らずか余程の仲のやつだけだった。

    「さっさと帰って乳繰り合ってろよ。感想もプレイ内容も興味はないから間違っても教えにくるなよ」

    ひらひらと手を振り出て行けとジェスチャーするウィーゼルにウェイドは余程機嫌がいいのかウインクひとつ残して背を向けた。
    無愛想なローガンと並び立つ二人姿は上背もあってなかなか目立つ。
    二つ分空いたカウンター席もそれがなくなれば殺風景に思えなくもないが、二人がいようがいまいが店は慌ただしく回るのでウィーゼルは手早くグラスを引っ込めた。
    すると名残惜しくも何ともないその場所に今度はウェイドのようなパーカーのフードではなく、黒いコートのフードを目ぶかに被った細身の男が現れた。

    「よう新顔だな。酒?女?ご指名ならあそこの名前から選びな。死んでなきゃご紹介するぜ」

    ウィーゼルが[deadpool]と書かれた名前を親指で指すと、男はしばらくその先を見つめ口元を歪めた。
    口元しか見えないがなんとも言えない美丈夫感を醸し出している。
    あまり好きなタイプじゃないなと早々に判断したウィーゼルはグラスを洗いながら男の話を聞いた。

    「俺が指名したい奴の名前がない」
    「あっそ。なら死んでるかもな」
    「いや生きてる。さっきまでここにいた奴だ」
    「ああなるほど…なら死にようがない奴だ。アンタの探してる名前じゃアイツはもう仕事はしてない。頼むならこいつの名前で依頼しな」

    ウィーゼルは先程ウェイドから回収したカードの裏面を向け見せると、男はそこに書かれた名前を口にした。

    「デッドプール」
    「依頼が急ぎなら呼び止めてやるが?」
    「いやいい。自分でできる」

    ざわつき重低音の音楽が流れるお洒落とは程遠い店内で、人を避けて歩く二人の後ろ姿に向けて空気を切る一筋の線が流れた。
    誰も見ていないし気づいていない。
    終始様子を見ていたウィーゼルですらそれを目で追えてはおらず、ただ二人だけはその空気に気付き男を見た。
    片やどこかきょとんとした顔で。
    片や今にも唸りそうなほど不快感を示した顔で。
    外へ出ようとしていた足をそのまま店内のカウンターへ向け、ズンズン大股で歩み寄ったローガンはフードの男の前のカウンターに血が滲むカードを叩きつけた。

    「依頼をするつもりならこれは悪手だろうクソガキ」

    投げつけられたカードを掴んで切られた皮膚はとうに再生している。けれどローガンはマナーのない依頼方法に低く喉を鳴らし三本の爪を僅かに伸ばした。

    「君へ依頼は出してないよ。俺が依頼したいのは『ウェイド』の方だでしゃばり君」

    一触即発とも言える状況で漸くローガンの隣に立ったウェイドはカウンターに座る黒フードの男を見下ろし眉を顰めた。

    「Hello〜久しぶり。何年振りだろう?少なくとも10年?」
    「さあ?けど君は何も変わらないね。本当に変わりがないようで安心したよ」
    「アンタも相変わらずみたいだな」

    10年以上変化がない?拷問の末ミューテイトになり表面的には何もかもが変わったウェイドが?皮肉にしてはあまりに平然と、まるで親しい友人のように話す男を訝しみ
    口を挟もうとしたローガンをウェイドは片手で諌め男の隣に座った。

    「さてさてこのカードは随分とご挨拶だったけどご依頼だっけ?俺ちゃんは知り合いだから許すけど今どきカード投げで首狙っちゃうやつなんてガキでも見ないぜ?あ?どうだろ。ガキならやるかな?色々やりたいお年頃だし?まあいいや。とりあえずご依頼なら依頼内容と金額を指定してくれる?内容次第では受けるし気に入らないなら交渉決裂。ローたんの治療費にそこのボトル一本奢ってキープさせて?ああ、あとご指名がウェイドだっていうならそれはお断りだ。ウェイド ウィルソンはもうとっくに引退してここのリストにはいない。別の饒舌な傭兵でよければ黄色いホットなオッパイのヒーローとセットで仲介してやるぜ」

    ひと息に余計な事を交えつつ説明し終えると、ウェイドはウィーゼルから新しいカードを受け取りサラサラとデッドプールのイラストと黄色いマーカーでウルヴァリンのイラストを描き込んだ。
    ご丁寧にハートマークで囲ったカードを差し出すと、男はそれを受け取り口角を上げた。

    「そのデッドプールの腕は君と同等?」
    「勿論。お前が知ってるウェイドと同等。一心同体夜のテクまでご一緒だけど残念ながらそれを披露できる相手はこのクズリちゃんだけなんだ」
    「そう。なら君のこっちのテクを見せてくれる?あの頃みたいに。君の滑らかな指捌きを感じたい」

    男は懐から二丁の銃を取り出すと片方を差し出し、その銃口をウェイドの手を掴み指に滑らせた。
    薄暗いライトの下で黒く硬く光る物をゆっくりとなぞらせ、淫猥な妄想を掻き立てる動作にその光景を見ていたウィーゼルはオェっと咽づきながら前屈みに股間を押さえ、ローガンは不快から眉間の皺の溝を深くした。

    「構わないぜ。ただやるなら折角だし観客の前でやろう。どちらが先にイクかショータイムだ」
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