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    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
    よその子さん多め

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    ちょこ

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    エガキナ

    よその子さんお借りしてます

    ##エガキナ
    ##すずこは

    「ちょっといい?」
     とある日、恋人である鈴鹿との待ち合わせの時、琥珀はそう呼ばれて顔を向ける。向けた先は見知らぬ男性、自分よりやや身長の高い、身なりも自分のように変な格好には見えない相手だった。琥珀を見てにこやかに笑みを浮かべている、どこかで知り合ったことがあるだろうか、と思いつつ口を開く。
    「……なにか……?」
    「ここに行きたいんだけど……」

     そう言って相手は、スマートフォンのとある画像に写った店の写真を見せてきた。その店を一目見たい琥珀は思い出す、この店は最近話題のカフェではないか? と。鈴鹿ともこの店の事を話した記憶がある。なんと言っても、看板娘……もとい、うさぎが一匹、このカフェにいるのだ。そのうさぎが大変可愛いと評判で、うさぎが好きな琥珀はすぐに鈴鹿にお願いしたものだ、ここに行きたいと。
     また今度この店に行くつもりだったのだが、この男性もここに行くつもりだったのだろう。
    「ここ、評判になってるカフェ……ですよね」
    「そう! ここまでは歩けたんだけど、なんだかナビの調子が悪くてー……案内して欲しいんだけど……」
    「……俺が……?」
     困った、案内してあげたいのは山々なのだが、いかんせん鈴鹿と待ち合わせをしている。相手は困っているのかチラチラと琥珀を見ては何度も頼み込む。なんなら腕まで掴まれてしまった。ここまでされると断るのも気が引け、鈴鹿と連絡をとって少し遅れると言おうか、なんて思っていると突然肩を強く握られると、誰かから引き寄せられた。

    「何か用っすか」
    「あ、鈴鹿」
     琥珀の事を引き寄せたのは、待ち合わせをしていた鈴鹿だった。鈴鹿はぎゅ、と琥珀の肩を抱き寄せたまま相手を見る。その目がどこか睨んでるように見えるのは気のせいだろうか。一方、まさか鈴鹿が現れるとは思わなかったのだろう、相手の男性は狼狽えては琥珀の腕を握っていた手を離す。
    「え、あー……待ち合わせしてたんだ……」
    「鈴鹿、この人道に迷ってたらしいけど……」
    「道? どこ」
     そう言って男性を見る鈴鹿。ふと、周りの気温が下がったような気がしたが、鈴鹿の無言に耐えきれなかったのか、相手はそのまま慌てた様子で謝ると、そのまま去っていった。

    「あ……道大丈夫だったのかあの人」
    「迷ったらスマホで調べるだろ」
    「さっきナビの調子悪いって言ってたけど」
    「……電波の問題だろ。てかな、あれ、ナンパの常套手段だからな」
    「ナンパ……? 俺を?」
     男だけどな、と首を捻る琥珀。格好だって女性に間違われるような格好ではない。わざわざなんで自分に話しかけたのか、琥珀が唸っているのをみて、額にデコピンをする鈴鹿。
    「男もナンパされるんだよ。……さて、そろそろ行くか?」
    「いた……。……うん。……ありがとう、さっきは」
     琥珀が笑ってお礼を言うと、別に、と返ってきてそっと手を繋いでくる鈴鹿。その手の温もりがうれしく、優しく握り返した琥珀だった。
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    ちょこ

    DONEよその子さんお借りしてます
    二次創作
     その日は、雨が降りそうだと言わんばかりの曇天だった。昨日の天気予報では朝から晴れると言っていたはずなのに、いざ当日になったらこの天気だ。凪は頬杖をついて窓の外の風景をぼぅ、と眺めていた。この調子では晴れそうにない、凪はそう思ったあと椅子から立ち上がり、事務所に備え付けであるミニキッチンへと向かう。お湯を沸かせるくらいは出来るミニキッチンにて、お湯を沸かしコーヒーを淹れた後、コーヒーを飲み外を眺めた。
     何でも屋に定休日はない、依頼が来れば仕事の日になるし、来なかったとしても書類作業をする。ある意味気分で休みが決まると言っても過言ではなかった。そして凪は、二階にいる八重の所へ行こうかと考えていた。八重は朝から体調が優れないように見えた。凪から見たら休んだ方がいいなと感じたため、八重を休ませたのだ。当の本人は大丈夫だと言っていたが、それでも休ませた。依頼主が来る様子はない、なら八重のところに行こうと思った。事務所は二階建てのビルになっており、凪の居る一階は何でも屋の事務所で二階は居室スペースだ。コーヒーを飲み終わったマグカップを流しに置いた後、事務所を出る。
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    ちょこ

    DONEダミアさんお誕生日小説
    ダミアさんお借りしました!お誕生日おめでとうございます!
    モンブラン「ダミア、お誕生日おめでとうございます」
    「おー! ありがとな!」
     レイフが借りている拠点と言っていい住まいにダミアを呼び、目の前にケーキを出す。ダミアと前もって連絡を取っていたため、こうして呼べたのだ。ケーキはレイフの手作りだ。本当なら、料理も出そうかと言ったのだが、間髪入れずに断られてしまった。今度こそ上手く作れるような気がしたのにな、とレイフは残念そうに思いながらも、ダミアを見た。
    「このケーキ……モンブランか?」
    「そうです、アマロンを使ってます」
    「へー! 王様って呼ばれてるやつじゃん!」
     ダミアは感心したようにケーキを眺めた。アマロン、様々な栗の中で特段に甘い栗の事だ。身も大きいのだが、育てるのが難しく、しかも、大きく育てようと魔力を使うと、すぐに枯れるという性質を持っていた。なので、完全な手作業、時間をかけてゆっくりと育てる。そのため、栗の中の王様、という意味で【アマロン】と呼ばれるのだ。一粒だけでも驚くほどの高額で取引される。その高額さに、一時期偽物のアマロンが出回るほどだった。偽物のアマロンと区別を測るための道具すら開発されるほどに。
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