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    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
    よその子さん多め

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    ちょこ

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    エガキナ

    認可信号組の高校時代の話

    ##エガキナ
    ##認可信号組

    少しでも知りたい、相手のこと 放課後、創はあてもなくフラフラと学校内の敷地内の外を歩いていた。没討伐が重なって中々授業に出ることが出来ず、学校側は認可である創ともう一人の、創の親友である琥珀に対しての理解があるからか、放課後時間がある時に補講を設けてくれていた。この学校側の対応に感謝しつつ、創の方が先に補講が終わり、あてもなくこのようにふらついていた。スマートフォンを見て時間を見る、そろそろ補講を受けている琥珀が終わるはず。教室に戻ろうかな、なんて思っていると何か物音が聞こえた。

    「……なんだ?」
     何か物が倒れたような音、創は眉を顰め、そっと足音を消して校舎の物陰を歩く。普段没討伐をしているからか、いくら学校といえど、もしかしたら没が現れたかもしれない。誰か巻き込まれたかもしれない。そっと万年筆を握る、一応想像力は今朝、学校に行く前にニジゲンから分けてもらっていたのだ。だからもしもの時は、何とか自分で対処出来る。そう思いつつ、そっと物陰から覗くと創は予想もしてなかった目の前の光景に、思わずあっけに取られた。
     そこには、地面に倒れ込んでいる生徒と、立っている生徒がいた。立っている生徒には見覚えがあった、見覚えもあるはず、最近転校してきた鈴鹿だったからだ。鈴鹿は息を乱してる様子がなく、倒れている生徒を見下ろしていた。先程の物音はもしかして、と思いつつ、そういえば鈴鹿にはある噂があったな、と思い出す。それは鈴鹿はよく喧嘩を買っていたという噂だ。鈴鹿に構っている創に対して、他の同級生が心配して声をかけたくらいだ。創は特に本気にしてなかった、あくまで噂は噂。自分で見ないことには、と思っていた。今限に、噂が本当だったことを目の当たりにしてしまったが。

     創の視線に気づいたのか、鈴鹿がこちらを向いて途端に顔色を変える。見られたからだろう。それよりも、創は気になっておもむろに鈴鹿に近づくと、腕を掴んだ。腕を掴まれた鈴鹿は振りほどこうとするが、創は手を離さなかった。
    「ちょ、なんだよ、突き出す気か」
    「その前に保健室な」
    「っ、おい!」
     鈴鹿が何か言っている気がしたが、聞かずに創は腕を引っ張ると校舎の中に入っていく。その間も鈴鹿は腕を振り払おうとするが、そんなことさせるか、と創は顔色変えずに腕を掴み続ける。保健室に入ると丁度先生はいなかった。創は棚を開けて湿布を見つけると、鈴鹿を座らせた。
    「背中見せて」
    「……なんで」
    「動きがおかしい、背中痛いんだろ。ほら」
    「……」
     創が睨んでいるからか、観念したのか鈴鹿は制服を脱ぐ。そして後ろを向いて創に背中を見せた。創の予測通り、背中は真っ赤に少し腫れていた。やっぱり、と思いつつ創は湿布を貼っていく。貼った後、創は背中を叩いた。
    「いった……!」
    「俺でよかったな? 琥珀だったらもっと露骨に嫌がったけど? んで? なんで喧嘩してたわけ?」
    「……別に、売られた喧嘩買っただけだ」
    「それ買うとか倒れてた生徒と同類だな」
     そう言った時、鈴鹿はおもむろに創の胸ぐらを掴んだ。掴まれてもなお、創は驚いた様子を見せず、冷静に鈴鹿を見ていた。
    「うるせぇな! お前に何がわかるんだよ! 俺の事知らないくせにつっこむな!」

     鈴鹿の言葉を聞いて、なるほど、と創の中で納得しつつ創は笑う。突然笑った創に、鈴鹿の方が思わず顔色を変える。馬鹿にされたのかと思っているのだろう、ますます不機嫌そうに顔を歪める鈴鹿に対して、創は口を開く。
    「知らないからさ、知りたいな。鈴鹿の事」
    「……は?」
     予想してなかった返答が来たからか、あっけに取られている鈴鹿を横目に、創は話を進める。
    「だって鈴鹿の事、知らないもん。お前なんか壁作ってるし……噂の事も聞いてたけど……俺は実際に目をしたのしか信じない。鈴鹿の事、知らないから知りたい。……俺の言葉、どっかおかしい?」
    「……」
     創の胸ぐらを掴む手が緩んでいるのを感じて、創はそっと鈴鹿の手を握る。
    「というか、俺さ、鈴鹿の家の事なんも知らないわけ! 認可なのにな! そもそも……家は家、鈴鹿は鈴鹿だろ? 俺は御手洗どうのこうのの鈴鹿より、『鈴鹿』本人を知りたい」

    ───だから教えて、お前のこと。

     創はそう言って笑う。鈴鹿の家の事を知らないのは本当だった。ぼんやりと水彩画で有名、くらいしか分からない。
    「言っとくけど! 琥珀もお前と仲良くなりたいって言ってたからな。琥珀も俺も、鈴鹿を知りたいからさ」
     言葉、信じて欲しいな。と創は鈴鹿の顔を見てそう言った。
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    ちょこ

    DONEよその子さんお借りしてます
    二次創作
     その日は、雨が降りそうだと言わんばかりの曇天だった。昨日の天気予報では朝から晴れると言っていたはずなのに、いざ当日になったらこの天気だ。凪は頬杖をついて窓の外の風景をぼぅ、と眺めていた。この調子では晴れそうにない、凪はそう思ったあと椅子から立ち上がり、事務所に備え付けであるミニキッチンへと向かう。お湯を沸かせるくらいは出来るミニキッチンにて、お湯を沸かしコーヒーを淹れた後、コーヒーを飲み外を眺めた。
     何でも屋に定休日はない、依頼が来れば仕事の日になるし、来なかったとしても書類作業をする。ある意味気分で休みが決まると言っても過言ではなかった。そして凪は、二階にいる八重の所へ行こうかと考えていた。八重は朝から体調が優れないように見えた。凪から見たら休んだ方がいいなと感じたため、八重を休ませたのだ。当の本人は大丈夫だと言っていたが、それでも休ませた。依頼主が来る様子はない、なら八重のところに行こうと思った。事務所は二階建てのビルになっており、凪の居る一階は何でも屋の事務所で二階は居室スペースだ。コーヒーを飲み終わったマグカップを流しに置いた後、事務所を出る。
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    ちょこ

    DONEダミアさんお誕生日小説
    ダミアさんお借りしました!お誕生日おめでとうございます!
    モンブラン「ダミア、お誕生日おめでとうございます」
    「おー! ありがとな!」
     レイフが借りている拠点と言っていい住まいにダミアを呼び、目の前にケーキを出す。ダミアと前もって連絡を取っていたため、こうして呼べたのだ。ケーキはレイフの手作りだ。本当なら、料理も出そうかと言ったのだが、間髪入れずに断られてしまった。今度こそ上手く作れるような気がしたのにな、とレイフは残念そうに思いながらも、ダミアを見た。
    「このケーキ……モンブランか?」
    「そうです、アマロンを使ってます」
    「へー! 王様って呼ばれてるやつじゃん!」
     ダミアは感心したようにケーキを眺めた。アマロン、様々な栗の中で特段に甘い栗の事だ。身も大きいのだが、育てるのが難しく、しかも、大きく育てようと魔力を使うと、すぐに枯れるという性質を持っていた。なので、完全な手作業、時間をかけてゆっくりと育てる。そのため、栗の中の王様、という意味で【アマロン】と呼ばれるのだ。一粒だけでも驚くほどの高額で取引される。その高額さに、一時期偽物のアマロンが出回るほどだった。偽物のアマロンと区別を測るための道具すら開発されるほどに。
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