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    testudosum

    @testudosum

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    DONEアズフロ。アズとジェが不穏。
    自分で思っているより性的な視線に嫌悪感を持っていたフロイドと、借りはきっちり返すアズールの話。モブがひどい目に遭ってる。
    「これは、あなたの怠慢のせいでもあると思いませんか?」

     歯。たくさんの、瓶詰めの歯。ジャムの瓶いっぱいにぎっしりと詰まっている、大きさも形も様々の歯。それがことりとデスクの上に置かれるまで、アズールはじっと見ていた。向かいに立つ男が、懐から瓶を取り出し、その底をデスクにしっかり付けて、手袋をした手が離れていくまで。
    「ねえアズール。フロイドは僕のフロイドですけれど、今はあなたのフロイドでもあるので」
     にこりとジェイドが笑う。今しがた瓶を取り出した彼は、いつも通り服装に一切の乱れもない。しかしその背後には普段あまり見ないものがあった。そんなに何を詰めるのかと言いたくなるような大きなスーツケース。それが三つ、無骨な台車に乗せられていた。どんな大家族でもそれを持って旅行には行かないだろう。本当に、何が入っているのか。
     アズールはそれを知っている。
    「ふふ、だんまりですか」
     椅子に腰かけたアズールの顎に手をかけて、ジェイドが上向かせる。金の左目が部屋の明かりを背にして輝いていた。普段は弧を描いている唇は今は横一文字に引き結ばれている。それなのに声だけは笑っているので、顔が見えなければ 5111

    testudosum

    DOODLEいずれアズイドに至る双子の会話文。現状成立しているのはアズフロだけですが、ジェの様子がおかしいです。
    2021/1/4 ポイピクアカウント迷子により上げなおしました。
    「アズールに殺されてフロイドに食べられたいです」
    「いらね~」
    「おやそんなこと言わずに。僕大きいんでたくさん食べられますよ」
    「そういうことじゃないんだよ。終わってる倫理観と死生観に同時に巻き込もうとするなって言ってんの」
    「失礼な。僕はただ幸せな人生設計のお話をしただけなのに」
    「そこから何が始まるんだよ。人生終わるとこから始まる人生設計ってなんだよ」
    「だってそこが一番大事なんです。そこ以外は極端な話どうでもいいので」
    「設計じゃねーじゃん。何も設計できてねーじゃん」
    「人生何があろうとも最期にはアズールに殺されてフロイドに食べられたい」
    「人生のこと一本道のRPGだと思ってる?」
    「多少……」
    「思ってるのかよ。そして多少なのかよ」
    「一割くらいフロイドとアズールの幸せ結婚生活を応援するシミュレーションRPGだと思ってます」
    「残りは?」
    「理想のフロイドとアズールを作る育成ゲームです」
    「ねえー! そういう性癖はせめて自分の胸の中にしまっててくんないー!?」
    「そんなに寂しいことを言わないでフロイド。僕たちなんでも言い合える兄弟じゃないですか」
    「その兄弟に自分の屍肉食わせよ 2691

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    DOODLE十年後、普通に付き合ってるジャミカリ①
    Twitterに同じものを上げていますが、自分が読み返しやすいようここにも投げます。
    ペンを立てた。これで終わりだ。
     くん、と背伸びをして窓の外を見ると、とっくのとうに日は沈んでいる。いつから仕事してたんだっけ。思い出せないが、現在の時間はわかる。午後十時、そろそろ寝支度を整えなければならない。今日はもう疲れたのだ。ぱきぽきと鳴る背骨の感触を感じながら、カリムはひょいと椅子から立ち上がろうとした。
    「待て。その前にこれを飲め」
    「んえ?」
     そんな声と共に横から差し出されたカップが机の上に置かれる。二つ。温かそうな紅茶だった。
    「……え? ジャミル? いつ入ってきたんだ?」
    「ついさっきだよ。ちゃんとノックもしたし、声も掛けたぞ」
    「本当か? 気付かなかった……」
     またやってしまったらしい。カリムはひっそり息を吐いた。昔なら見ているだけで瞼が降りてしまっていたような細かい字の書類にこれだけ集中できるようになったのは年月の賜物である。しかしそれと同時に、集中しすぎて周りが見えなくなるという弊害ももたらされたのは、思わぬ誤算である。いつの頃だっただろう、ジャミルが一人執務室に籠るカリムに声を掛けても応えのなくなった日から、ジャミルはこうして、仕事が終わる頃を見計らって勝 2439