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    testudosum

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    testudosum

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    いずれアズイドに至る双子の会話文。現状成立しているのはアズフロだけですが、ジェの様子がおかしいです。
    2021/1/4 ポイピクアカウント迷子により上げなおしました。

    #アズイド
    id

    「アズールに殺されてフロイドに食べられたいです」
    「いらね~」
    「おやそんなこと言わずに。僕大きいんでたくさん食べられますよ」
    「そういうことじゃないんだよ。終わってる倫理観と死生観に同時に巻き込もうとするなって言ってんの」
    「失礼な。僕はただ幸せな人生設計のお話をしただけなのに」
    「そこから何が始まるんだよ。人生終わるとこから始まる人生設計ってなんだよ」
    「だってそこが一番大事なんです。そこ以外は極端な話どうでもいいので」
    「設計じゃねーじゃん。何も設計できてねーじゃん」
    「人生何があろうとも最期にはアズールに殺されてフロイドに食べられたい」
    「人生のこと一本道のRPGだと思ってる?」
    「多少……」
    「思ってるのかよ。そして多少なのかよ」
    「一割くらいフロイドとアズールの幸せ結婚生活を応援するシミュレーションRPGだと思ってます」
    「残りは?」
    「理想のフロイドとアズールを作る育成ゲームです」
    「ねえー! そういう性癖はせめて自分の胸の中にしまっててくんないー!?」
    「そんなに寂しいことを言わないでフロイド。僕たちなんでも言い合える兄弟じゃないですか」
    「その兄弟に自分の屍肉食わせようとしてんのは誰だよ」
    「僕ですね。むしろ僕以外の肉を食べたら絞めます。ギュッと」
    「開き直った上に理不尽の重ねがけされた……いや食わねーよ」
    「本当ですか? 約束ですよ? 僕以外食べちゃダメですからね?」
    「いやジェイドも食わねーよ! どさくさに紛れて言質取ろうとすんな!」
    「おやおや、バレちゃいました?」
    「はぁ~~~……ちょーめんどくさいけど聞いたげる。何でそんなこと言い出したの?」
    「いえ、ただ……僕の人生、幸せすぎでは? と思いまして」
    「は?」
    「生まれたときからフロイドが一緒にいて、人生の最初の方からアズールが存在して……世界で一番面白い魚に既に出会っていて、ずっと傍にいるでしょう? これ以上の幸福はありません。断言できます」
    「なに急に素直じゃん。オレもジェイドとアズールいて幸せだよ」
    「ええ、ですから思ったんです。今これだけ幸福なら、全人生を懸ければもっと上を目指せるのではないか……と」
    「雲行きが怪しい」
    「いける。できます。僕なら現在の幸福度を維持したまま、より幸せな未来を掴めます。幸運値で世界を獲れますよ」
    「人生をスポーツみたいに捉えんな」
    「そして、そう考えたら当然、最終目標は人生が終わるとき――すなわち死ぬときになりますよね?」
    「わかりたくねーけど言いたいことはわかる」
    「それまでに僕は幸せの絶頂を更新し続けているはずなので、人生の最期はその締めくくりとして相応しいものでないといけません。ベッドの上で穏やかに眠るように……なんてつまらないものは願い下げなわけです」
    「むしろベッドの上で死ねると思ってたの?」
    「だからといって病に侵されてだとか、そこらの雑魚に殺されるなんてのもプライドが許しません。死因にはもっとこだわれるはずです」
    「死にエンターテインメントを求めんな」
    「そこで思ったわけです。アズールに殺してもらうしかないのでは……? と」
    「ないのでは? じゃねーよ」
    「だってアズールは雑魚とは違うので僕のプライドも傷付きませんし、もし傷付いてもそんなちっぽけなプライドごとへし折ってくれそうなので……それにあの子はやるとなれば全力を出すことを厭わないでしょう? 僕の最期にアズールがそれだけのエネルギーを割いてくれたとなれば、それはこの世で一番の贅沢品です」
    「自分の贅沢のために幼馴染に人殺させようとしてんじゃねーよ! アズールも殺人方面の努力はしてねーだろ!」
    「そこはこれから頑張ってもらうということで」
    「シンプルにやめろ! 一般タコちゃんを殺し屋に仕立て上げようとすんな!」
    「フロイド……酷いです。そんなに否定しなくても……」
    「自分の恋人が犯罪に巻き込まれようとしてるんだから当たり前でしょ」
    「そんな、犯罪だなんて……元々半グレみたいなものなのに」
    「それはそれ! これはこれでしょ! アズールは生命倫理は普通なの!」
    「おや、まるで僕の倫理観が異常だとでも言いたげですね」
    「最初からそう言ってんだよ」
    「ですがこれで終わりではありませんよ。アズールが僕を殺し終えたら今度はフロイドの番です」
    「全然話聞いてねぇ上に急カーブ切ってきやがった」
    「僕、どうせなら死んだ後も二人の糧になりたいんですよね。燃やされるのも埋められるのも、魚のエサになるのも御免です。だから僕の死体はフロイドに食べてもらおうかと。人魚の姿なら食いでがありますし」
    「あのさ、食いでとかの問題じゃなくてさ、基本的な道徳の話なんだよ」
    「え? どこか問題がありますか?」
    「問題じゃないとこがねぇんだよ」
    「そんな……こんな些細な願いも許されないんですか……?」
    「些細……?」
    「ですがフロイド、大丈夫です。あなたならそんなつまらない障害もきっと乗り越えられます」
    「なんでオレが乗り越えようとしてること前提なんだよ、倫理観のハードル走勝手に走らせようとしてんじゃねぇよ! 大体さあ、アズールはオレの恋人なの! 百歩譲って兄弟のオレに変なことさせんのはいいよ、でもジェイドはアズールにそういうこと言う権利ないでしょ!」
    「……? 恋人関係でなくても殺人は発生しますよね?」
    「そーじゃなくて、ジェイドはなんでアズールに殺してほしいって思うわけ? オレでも、他の誰かでもなくてさ」
    「他の雑魚には触れられたくないですし、フロイドとアズール以上に面白い人がいるとは思えません。なぜフロイドではなくアズールなのかというと……」
    「いうと?」
    「アズールは、何があっても自分の手を汚さないでしょう? ですから、そんなアズールに殺してもらえたら、あの子の唯一になれるのではないかと思いまして……」
    「それさあ、アズールのこと好きってことじゃん。好きだから殺してほしいんでしょ?」
    「……はい」
    「ならさ、ちゃんと言わなきゃダメでしょ。オレは言ったよ」
    「……」
    「カタギの手汚させんのはご法度だけど、どうしてもってんなら筋通せよ」
    「……でも……」
    「でもじゃない。稚魚じゃねぇんだから……」
    「でも突然友達でも恋人でもない僕に『殺してください』と言われたアズールの顔、見たくないですか?」
    「もう黙っててくんないかなこいつ」


    「アズール~!! やっぱジェイドあいつ今のうちに監禁して洗脳しといた方がいいよもーーー!!!」
    「は?」
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    testudosum

    DONEアズフロ。アズとジェが不穏。
    自分で思っているより性的な視線に嫌悪感を持っていたフロイドと、借りはきっちり返すアズールの話。モブがひどい目に遭ってる。
    「これは、あなたの怠慢のせいでもあると思いませんか?」

     歯。たくさんの、瓶詰めの歯。ジャムの瓶いっぱいにぎっしりと詰まっている、大きさも形も様々の歯。それがことりとデスクの上に置かれるまで、アズールはじっと見ていた。向かいに立つ男が、懐から瓶を取り出し、その底をデスクにしっかり付けて、手袋をした手が離れていくまで。
    「ねえアズール。フロイドは僕のフロイドですけれど、今はあなたのフロイドでもあるので」
     にこりとジェイドが笑う。今しがた瓶を取り出した彼は、いつも通り服装に一切の乱れもない。しかしその背後には普段あまり見ないものがあった。そんなに何を詰めるのかと言いたくなるような大きなスーツケース。それが三つ、無骨な台車に乗せられていた。どんな大家族でもそれを持って旅行には行かないだろう。本当に、何が入っているのか。
     アズールはそれを知っている。
    「ふふ、だんまりですか」
     椅子に腰かけたアズールの顎に手をかけて、ジェイドが上向かせる。金の左目が部屋の明かりを背にして輝いていた。普段は弧を描いている唇は今は横一文字に引き結ばれている。それなのに声だけは笑っているので、顔が見えなければ 5111

    testudosum

    DOODLEいずれアズイドに至る双子の会話文。現状成立しているのはアズフロだけですが、ジェの様子がおかしいです。
    2021/1/4 ポイピクアカウント迷子により上げなおしました。
    「アズールに殺されてフロイドに食べられたいです」
    「いらね~」
    「おやそんなこと言わずに。僕大きいんでたくさん食べられますよ」
    「そういうことじゃないんだよ。終わってる倫理観と死生観に同時に巻き込もうとするなって言ってんの」
    「失礼な。僕はただ幸せな人生設計のお話をしただけなのに」
    「そこから何が始まるんだよ。人生終わるとこから始まる人生設計ってなんだよ」
    「だってそこが一番大事なんです。そこ以外は極端な話どうでもいいので」
    「設計じゃねーじゃん。何も設計できてねーじゃん」
    「人生何があろうとも最期にはアズールに殺されてフロイドに食べられたい」
    「人生のこと一本道のRPGだと思ってる?」
    「多少……」
    「思ってるのかよ。そして多少なのかよ」
    「一割くらいフロイドとアズールの幸せ結婚生活を応援するシミュレーションRPGだと思ってます」
    「残りは?」
    「理想のフロイドとアズールを作る育成ゲームです」
    「ねえー! そういう性癖はせめて自分の胸の中にしまっててくんないー!?」
    「そんなに寂しいことを言わないでフロイド。僕たちなんでも言い合える兄弟じゃないですか」
    「その兄弟に自分の屍肉食わせよ 2691

    testudosum

    DOODLE十年後、普通に付き合ってるジャミカリ①
    Twitterに同じものを上げていますが、自分が読み返しやすいようここにも投げます。
    ペンを立てた。これで終わりだ。
     くん、と背伸びをして窓の外を見ると、とっくのとうに日は沈んでいる。いつから仕事してたんだっけ。思い出せないが、現在の時間はわかる。午後十時、そろそろ寝支度を整えなければならない。今日はもう疲れたのだ。ぱきぽきと鳴る背骨の感触を感じながら、カリムはひょいと椅子から立ち上がろうとした。
    「待て。その前にこれを飲め」
    「んえ?」
     そんな声と共に横から差し出されたカップが机の上に置かれる。二つ。温かそうな紅茶だった。
    「……え? ジャミル? いつ入ってきたんだ?」
    「ついさっきだよ。ちゃんとノックもしたし、声も掛けたぞ」
    「本当か? 気付かなかった……」
     またやってしまったらしい。カリムはひっそり息を吐いた。昔なら見ているだけで瞼が降りてしまっていたような細かい字の書類にこれだけ集中できるようになったのは年月の賜物である。しかしそれと同時に、集中しすぎて周りが見えなくなるという弊害ももたらされたのは、思わぬ誤算である。いつの頃だっただろう、ジャミルが一人執務室に籠るカリムに声を掛けても応えのなくなった日から、ジャミルはこうして、仕事が終わる頃を見計らって勝 2439

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