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    tamagopan1902

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    tamagopan1902

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    ジェイ→トレケイ

    #ギャグ
    gag
    #腐向け
    Rot

    「お越しいただきありがとうございます。トレイさん。」
    「久しぶりジェイド。物騒な招待状をどうも。」

    ここはナイトレイブンカレッジのある賢者の島。その海の見える砂浜である。
    ここに今、心臓をかけた決闘が始まろうとしていた。
    2人から離れて見守っているのは果たし状の仲介役をしたリドル、よく分かっていないケイト、「心臓を捧げよ!」と無駄に上手い声真似を披露するフロイド、「どちらが勝つか?!さあさあ掛けた掛けた!!」と野次馬に商売を仕掛けるアズールである。2人の間には何故かポムフィオーレ寮副寮長ルークもいる。いつもの帽子は被らず正装に身を包み、ニコニコと決闘が始まるのをまっているようだ。多分1番楽しんでいる。


    「どうやら僕は貴方の心臓にコレを突き立てなければならないようです。さもなければ泡になってしまうようだ。」
    「うーん、それって迷信とかじゃないのか?」
    「おや、そんなの分かりませんよ。さあペンをとって。どちらかが参ったと言えばその時点で勝負あり。戦闘不能になっても同様です。審判は公平な立場のルークさんに行っていただきます。」
    「ほんとに来たのかルーク…。」
    「ウィ!任されたよ!」

    ルークはニコニコとしていた表情をひっこめると、急に真面目な顔になり、トレイとジェイドの両者を交互に見つめた。
    「おお!この潮風のようにぴりりとした空気!さながら動物たちの争ったコロッセオ!ジェイド君、君の高潔な心意気、しかと受けとったよ!実にマーベラスだ!」
    「光栄です。すみませんが早く始めてもらっても?」
    「すまない!ではわたしの合図で2人ともペンを両者に向けてくれたまえ。少しでも早ければ失格だよ。トレイ君が参ったといえばその心の臓はジェイド君のものだ!ジェイド君が参ったといえば彼は泡になって儚く散ることになるだろう!」

    トレイがやれやれこまったなと言ったふうに辺りを見渡し、逃げ場がないと悟ると胸ポケットからマジカルペンを取り出す。ジェイドもそれを見てペンを握りしめた。

    「では…始め!」
    ルークのよく通る声はその場の全ての者の耳に届いた。



    まいったな、リドルも止める気は無いようだ。
    トレイは内心独りごちた。まああいつはこういうことに疎いから情報を整理出来ていないんだろう。無理もないか。
    まずはこの勝負に勝つことだ。
    ジェイドは人魚に変身しない。トレイはほうきで空を飛ばない。これはお互いに貸したハンデだ。つまり攻撃魔法で戦うということ。
    まずはジェイドの得意な水魔法に有利な草属性からだな。トレイはマジカルペンをくるりとふった。

    「リーフショッ」
    「ふんっ!!!」

    バキン。ジェイドの長い足がトレイの腕をけりあげた。マジカルペンが吹っ飛ぶ。

    「いや物理ーーーーーー」

    寮長に従っていたハーツラビュルも、自身の寮長の商魂たくましさに若干引いていたオクタヴィネルも、ルークが恐ろしいので遠目から見ていたサバナクローの野次馬も、心がひとつになった瞬間だった。
    ただ1人フロイドだけはゲラゲラ笑い転げ、
    ジェイドサイコー!と声援を送っていた。
    1年の差は大きい。魔法で3年生のトレイを負かすのは難しいだろう。己の手の内も知られている。
    ならば魔法に頼らなければいいのだ。
    ジェイドが物騒と言われる所以である。
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