もし、テス・アダムが間に合っていたら 黄金の兜の下でケントは息を吐いた。
地獄の炎が身を包み、遺跡全体を覆っていたシールドが散り散りに崩れ去っていく。
ここまでだ。時が来たのだ。今頃ホークマンたちは玉座を目指しているだろう。
崩れ落ちた体を奮い立たせ、兜を頭から剥ぎ取る。もう出来ることはない、あとは。
覚悟を決めたドクター・フェイトにサバックが迫る。未来はもはや何も見えないが、その目には光があった。
サバックがドクター・フェイトの胸元へ拳を振り上げた瞬間、背後の玉座から一陣の黒い風が吹き下ろした。
玉座の間にたどり着いたJSAのメンバーが目にしたのは、サバックの角を掴み対峙するテス・アダムと、それを援護するドクター・フェイトの姿だった。
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