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    chachasuke550

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    イッサクンが三ヵ月間目覚めない話

    発作が起きた。いつもより酷かった。
    普段薬漬けにしてあるのは発作を軽減し、頻度を減らすのがほとんどの目的だった。
    嘔吐による吐血、呼吸困難...今回は痙攣まで起きてしまった。
    狭い臨床室のベッド、イッサはチューブや線に繋がれて横になっていた。呼吸はまだ戻らず、口にはチューブが突っ込まれている。生かされている、まさにそんな感じだった。傍らにいたチッチは一息ついて、あらかじめ部屋にあった丸椅子に座る。パソコンを眺め、今回の記録を取る。油断はできない、まだ何がどうなるかわからないと自分に喝を入れた。
    ....
    一週間後。呼吸もある程度戻り、酸素マスクに付け替えられた。衛生のため、服を取り替えてやった。チッチはほとんどの時間をそこふぇすごしていた。意識が戻って、いつもみたいに大丈夫だと笑ってくれるのを待っていた。布団の中の手を握った。暖かい、まだ生きていると安心した。
    ....
    一ヵ月後。普段は二週間程度で意識はある程度戻る。しかし、一ヵ月もあると流石に心配になる。何度も瞳孔を確認して、生きていることを確かめていた。機器が表示するメーターもそれを示していたが、チッチは焦りを感じていた。もしかして、自分の処置が悪かったのではないか、自分のせいなのかと思い込むようになってきた。
    ....
    三ヵ月後。チッチはイッサの側を離れることはなかった。口数も減り、様子がおかしいと部下にまで心配されていた。ずっとイッサの手を握り、丸椅子に祈る様に座っている。祈るしか手段はなかった。二週間辺りまで順調だったのに、いつからこうなったのか。
    しばらくして、イッサの手がチッチの手を握り返してくれた、そんな気がした。
    「兄っ...」
    思わず声が漏れた。期待をしたが、そこからはなにも動きはなかった。
    そこから数日後。
    地下の臨床室に朝か夜かはない。また握り返してくれるのを待っていた。幻覚ではないと信じたい。希望がようやく見えてきた。
    また、握り返してくれた。疲れきった表情に光が灯った。
    「兄っ!!」
    大きく声が出た。しかも、イッサは首を動かした。目は開けないが、唇が動く。チッチの名前を読んでいる様だった。そこから寝返りのような動きもしだす様になった。目を開けたのはそこから数日後の話だった。
    ようやく目を開けた。意識はぼんやりしている様子だった。
    「......チッチ...」
    名前を漏らす。
    「兄...何ヶ月待たせたんだ...」
    思わず涙を漏らしてしまった。それほど心配していた。
    「何...泣いてんだよ」
    しゃーねーヤツだな、と言うような微笑みを浮かべた。
    「良かった...本当によかった...」
    イッサの布団に顔を埋めた。泣くなと、イッサが頭を撫でた。まだ力は入らないらしく、頭に手を乗っけるが正しい。

    一週間くらい経って、イッサが完全復帰した時にようやく三ヵ月間寝ていた事を知った。
    「さ、三ヵ月!?まじかよ!だからチッチはあんなだったんだな!なんか安心した。」
    と言っていた。
    体力もがくんと落ち、職員と模擬バトルを試しにやってみたら、5分も持たなかった。体力が切れると集中力も切れ、バトルどころではなかった。復帰リハビリがしばらく続いた。
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    chachasuke550

    DONEイッサクンが三ヵ月間目覚めない話発作が起きた。いつもより酷かった。
    普段薬漬けにしてあるのは発作を軽減し、頻度を減らすのがほとんどの目的だった。
    嘔吐による吐血、呼吸困難...今回は痙攣まで起きてしまった。
    狭い臨床室のベッド、イッサはチューブや線に繋がれて横になっていた。呼吸はまだ戻らず、口にはチューブが突っ込まれている。生かされている、まさにそんな感じだった。傍らにいたチッチは一息ついて、あらかじめ部屋にあった丸椅子に座る。パソコンを眺め、今回の記録を取る。油断はできない、まだ何がどうなるかわからないと自分に喝を入れた。
    ....
    一週間後。呼吸もある程度戻り、酸素マスクに付け替えられた。衛生のため、服を取り替えてやった。チッチはほとんどの時間をそこふぇすごしていた。意識が戻って、いつもみたいに大丈夫だと笑ってくれるのを待っていた。布団の中の手を握った。暖かい、まだ生きていると安心した。
    ....
    一ヵ月後。普段は二週間程度で意識はある程度戻る。しかし、一ヵ月もあると流石に心配になる。何度も瞳孔を確認して、生きていることを確かめていた。機器が表示するメーターもそれを示していたが、チッチは焦りを感じていた。もしかし 1323