ワンドロ ふたりきりになった瞬間、まだ荷物を持ったままの赤葦の唇を貪り食うように塞いだ。
久しぶりの赤葦の味、匂い、感触。
カサついた唇、その中に秘めた熱く蕩けた粘膜を味わうように舐めとる。
赤葦の服をはだけさせ、もっと触りたいと欲求に忠実に手を這わせる。その手が赤葦の首すじを撫でると、赤葦の吐息がもれる。
自分の中の野生の本能が目の前の獲物を食べ尽くしたいと訴える。舌なめずりする心を読んだ様に赤葦が離れたがるように木兎の胸を押しやった。
「シャワーお借りします」
目線も合わさず立ち上がった赤葦の手をキュッと掴むと、赤葦がびくりと体を震わせた。
「…こっちを見ないでください。恥ずかしいので」
赤葦の言葉に掴む力が緩んだ。
その隙に赤葦はパタパタと脱衣場にはいり、カチャっと鍵をかけてしまった。
木兎は昼の練習後にシャワーを浴びてきた。
今日は赤葦が家に来るからと、念入りに耳の後ろもわきの下もゴシゴシと磨いた。
もちろん股間もぴかぴかだ。
「オレの為にからだを洗う赤葦京治」
言葉に出して言ってみると、なんだか嬉しくなってくる。木兎と赤葦が体を重ねることは、もう両手の数を超えるのに、毎度恥ずかしがる赤葦の事を愛おしく思う。挿れることにこだわらなければ、体を洗っていなくても赤葦の体なら汚いとは思わないのに、頑なに「綺麗にしてからにしましょう」と譲らない。
赤葦は少し考え過ぎな時もあるけど、間違ったことはあんまり言わないから、赤葦が言う通りにしておこうと木兎は寛大な心で譲ってあげるのだ。オトナの余裕だ。
「…そこばかり、舐めるの、やめませんか…」
続きが書けなかったので、やめたやつ。