笑っていて こんな奴を好きになる人間が、この地球上に存在するのかと思うほど、岸辺露伴という男はとても厄介であり、面倒な男である。
ひとりでカフェへやってきた露伴に、億泰が相席しないかと誘っても、嫌な顔で断られる。家に遊びに行けば、一言目には「帰れ」である。それはあまりに酷いと、ちょっとした悪ふざけで胸の谷間やら、パンツを見せれば「年頃の娘がはしたない真似をするんじゃあない!」と声を荒らげる始末。そして、見知らぬ子どもにはおとなげない態度を見せるし、康一のことだけは親友だと思っているせいか、本人なりに誰よりも優しくしているつもりなのだろう。
今日も同じようにカフェのテラスへ座りメニューを広げていると、やはり露伴がやって来た。
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