肥前忠広は愛想が良い。肥前忠広は人当たりの良い刀である。
言い間違いではない。「いやそれはあり得んわ」という反論がそこかしこから聞こえてきそうなのだが、断じて言い間違いではないのである。
私とて理解している、肥前忠広といえば無愛想、塩対応、ぶっきらぼう、顔がコワイ、言動が荒い、笑顔なんか見たことないなど、審神者向けSNSでは「人当たりの良い」の正反対の印象ばかりヒットする。「そこがキュート」、「普段寄り付かないくせに、ごはん準備してる時だけソワソワ寄ってくるのがカワイイ」などというご意見も拝見したが、そもそも人当たりが良い刀の筆頭には上がらない刀剣男士であることは、彼を使う多くの審神者さん方と共有できると思う。
しかし、うちの個体に関しては「そう」なのである。道に迷ってる新人さんを総合案内所までお連れする、木に引っかかってた帽子を持ち主にお届けして喜ばれる、階段で転んだ方をお助けする、他所サーバーから遊びに来たグループに万屋街の美味いお店を紹介して感謝される、等等。同郷の陸奥守吉行と勘違いしてるんじゃないの?という親切エピソードの数々だが、私がこの目で見たので間違い無い。
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