あくまでメモです。
ちなみに筆者はスプラトゥーン無印未プレイ(動画・書籍での知識は有り)、スプラトゥーン2ヒーローモード、オクトエキスパンションクリア済み、スプラトゥーン3ヒーローモードクリア済みです。(クリア後のオマケステージは無理すぎて先にネタバレ見ました。Switch本体が熱暴走でソフト落ちたんだけど)
・そもそもイカとタコは「悪魔の魚」
旧約聖書『レビ記』に「水中に棲むヒレと鱗を持たない生物」は不浄であるため食べたり生贄として捧げてはならないとされる記載があり、この「ヒレと鱗を持たない生物」の中にはイカやタコも含まれる。また、エイや貝類、甲殻類も該当する。
※レビ記:旧約聖書『モーセ五書』の一つ。主に律法に関する記載がまとめられている。
・"失楽園" 作:タコランジェロ
スプラトゥーン ヒーローモード ミステリーファイルより
絵の構図:股間(?)を葉っぱで隠したタコトルーパーの男女(?)が、赤い果実を生やした樹の下に立っている。女の方は頭(脚?)で赤い実を掴んでいる。樹の上には意地悪そうな顔つきのイカがしがみついている。
※失楽園:旧約聖書『創世記』の一節および、それを題材にしたジョン・ミルトンの叙事詩。神が創造した最初の人間であるアダムとイヴは楽園で暮らしていたが、蛇に唆されて「絶対に食してはならない」とされた善悪の知識の実を食べてしまい、楽園を追放されてしまう。果実を食した後、2人は互いが裸である事を初めて知り、その身をイチジクの葉で隠した。蛇の正体はサタン(悪魔)であるとされている。最初に蛇に唆されたのはイヴであり、アダムは彼女に説得されて同じように果実を食べてしまったという。
タコトルーパーの男女(?)がアダムとイヴ、樹の上のイカが蛇(=悪魔)の立ち位置と思われる。
作者名はミケランジェロ(ミケランジェロ・ブオナローティ)のパロディと思われるが、構図はティツァーノ・ヴェチェッリオ(後にピーテル・パウル・ルーベンスが模写)が描いたアダムとイヴが元ネタか?
・マダイによる預言書
『七つの 輪より 煙が 上がり 海から 赤き 魚 が現れ 地の あらゆる物を 喰いつくした
-マダイによる預言書 10章10節』
(スプラトゥーン2 ヒーローモード ミステリーファイルより)
絵の構図:煙が充満した空に7つの穴が空いている。左側の海からシャケの大群が進み、それから逃げるように2人組の生物(イカなのかタコなのか人間なのか判別不可)が右側へと歩いている。
タイトルは『マタイによる福音書』のパロディと思われる。
※マタイによる福音書:新約聖書におさめられた四つの福音書の一つ。イエス・キリストの生涯および、旧約聖書の預言が救い主たるイエスによって成就される事が記されている。
「七つの輪」はロケットのエンジンノズル説が今のところ有力だが、表現としての元ネタは恐らく『ヨハネの黙示録』に登場する七つの封印か。
※ヨハネの黙示録:新約聖書の最後に位置する書物。ヨハネと名乗る筆者が見たとされる、この世の終末に起こるとされる出来事の幻についての記録。七つの封印が解かれるごとに地上には災いが降り掛かるという。
記載内容は↑の通りヨハネの黙示録を想起させるが、逃げる2人組は楽園を追われるアダムとイヴか?(アダムとイヴのこの構図自体は複数の画家による作品で類似のものが確認できる。例:ミケランジェロ、コルネリス・ファン・プーレンブルフ、マサッチオなど)
※アダムとイヴ:タコランジェロの項目を参照
・約束の地
「ココに来られたってことは……約束の地へご出発なのデスね?!」
「ソコは 光あふれるユートピア…地下住民たちの 理想の花園…」
(スプラトゥーン2 オクト・エキスパンション デンワの台詞より)
※約束の地:旧約聖書にて複数記載がある、神がアブラハムの子孫、イスラエルの民に与えたとされる土地のこと。
「乳と蜜の流れる場所」カナン。
・朽ちた箱舟ポラリス
『希望を積み、滅びゆく地上から旅立ったとされる箱舟は、かつて何を見たのだろうか?
機能を停止したゆりかごは今、この地で静かな眠りについている。』
(スプラトゥーン公式Twitterより)
スプラトゥーン2で実装されたサーモンラン最後のステージ。背景には壊れたスペースシャトルが水没しており、各所に見られる標識は魚介類の言葉ではなく英語(人間の言葉)になっている。
※箱舟:旧約聖書『創世記』に記載有り。神は堕落に満ちた地上を大洪水で一掃する前に、老人ノアとその家族、そして全ての動物のつがいを乗せる箱舟を彼らに建造させた。40日続いた大洪水で地上の全ての生物が死に絶えたが、箱舟に乗っていた者達は生き残り、アララトという山の上に辿り着いた。
・イルカ
オルタナ市民プログラムのナビゲーター。
フルネームは、自律思考型記録コンピューター"Intelligent Recording Computer of Alterna"。
アイコンにイルカのマークで表示されるが、機械としての実体があるのかは不明。
初期のキリスト教および古代西洋思想においてイルカは「最も強く速い魚(哺乳類としては捉えていなかったらしい)」であり、人々の魂を運ぶ神の使い=救済と復活の象徴と考えられていた。
また、イルカもイカやタコと同様、旧約聖書では食べてはいけないという戒律がある。
※食のタブー:悪魔の魚の項目を参照
・出オルタナ
『大空洞を抜けた生物たちはオルタナ直上のクレーターにたどり着き、そこから世界各地へと広がっていった。
この出来事により、クレーターを有する現在のバンカラ地方がいま地上で暮らしている生物の始まりの土地と言われている。』
(オルタナログより)
名称は出エジプトのパロディ。
※出エジプト記:旧約聖書にて『創世記』から2番目にあたる書物。預言者モーセがエジプトにて虐げられていたヘブライ人の民衆を率いて、約束の地を目指す物語が記されている。
・預言者
『出オルタナから約5千年後、バンカラの地で特異な性質を持ったイカの個体が誕生する。
その個体は預言者として数々の啓示を授かり、同族たちに伝えた。』
(オルタナログより)
この「預言者」は↑の関連からモーセが元ネタかと思ったが、出オルタナから約5千年が経過している事、啓示を授かり民衆に伝えた特異な性質の個体という記載からナザレのイエス(イエス・キリスト)がモチーフの可能性か?
以上