空閑汐♂デイリー【Memories】06「そういえば、お前らっていつから付き合ってんだ?」
「今更それ聞くのか」
すっかり常連になってしまった敷地内で営業をしているダイニングバーで、そう口火を切ったのはフォスターであった。生真面目な性質がどこか高師を思わせる――しかし意外とウィットに富んだところもあるフォスターの言葉に、汐見は呆れたような声色で首を傾げていた。
そんな汐見の隣でジンジャーエールを喉に流していた――同期達からビールを奪われ禁酒を発令されてしまった空閑は「高校の頃からだよ、二年の時だっけ?」と口にする。
「じゃぁ、もう五年の付き合いになるのか」
指折り数えて頷くフォスターに「そもそもヒロミとは一年の時から寮も同室だし、ここ入学するまで半年インターバルあったからな。実質七年くらい一緒にいるぞ」と汐見は注釈のように言葉を紡いだ。
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