測量する子供たち甘い甘いキャンディを口の中転がしながら、談話室のソファに身を沈める。柔らかに受け止めてくれるこの感触がいつも好きだった。曖昧で、緩や かで、どこまでも浅ましい自分を優しく受け入れてくれる。
思わず鼻歌を小さく歌ってしまうほどだ。
噛み砕いたキャンディからは苦みと甘み、両方を兼ね備えたコーヒーの味と香りが広がった。あまり買わなかったキャンディだったが、思った以上に滑らかな舌触りと甘やかしてくれるばかりではないところが気に入った。
誰も存在しないこの場所は幸福の匂いがした。
耳に無駄に大きな足音が響いた。空気を吸いこみながら音のする方向を見て、期待した姿でないことにも薄ら寒い笑みを浮かべた。
「まーたお前ここにいんの?」
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