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    aneniwa

    @aneniwa
    マイハン♀ミドリさんの話しかしません

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    aneniwa

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    里の人口的にある程度血縁の管理がなされているだろうなあという思いつきをダラダラ書いてたメモ、にちょっと付け加えて放出。
    資料集の内容を僅かに含みます、水車小屋のお風呂の件など

    3/26 ちょっとした小話を追加

    アヤメさんを文化の違いでびっくりさせたい選手権をひとりで開催してるんですが、ハン♀が既に入ってるお風呂に平然とツリキが入ってって「あ、ミドリお前髪まだなら代わってくれ」「ここまで脱いだのにィ!?」「だって髪洗い出したら半刻かかるだろお前」「もー!さっさと出てよ?」って会話が聞こえた後半裸のハン♀がプリプリ出てくる
     それを見てたアヤメさん(お湯借りようと来たらハン♀が入ってたから出直そうとしたらツリキが入ってったからびっくりしてた)が「え、どういう?そういう関係???いやまずアンタ上なんか着な??」って混乱して、ハン♀はケロッと笑って「ちっちゃい頃から一緒にまとめて洗われてたのよ、今更よ。あ、丁度あんな感じにね」って差す指の先でコロコロとおチビちゃん達が風呂に駆け込んで行って、中から「あーもうそんな時間か、しょうがないな一列に……待てまだ、こら待て脱げ!!おおおいちょっと待てって、着替えはお前……、ミドリー!!!何人か引き取ってくれぇ!!!」って叫びが上がる

     大人らは手習い帰りの子供らを纏めて「誰かに洗ってもらってきな」って送り出すんよ、全員顔見知りだかんね。その間に昼の仕事の片付けして、夕食の準備に入る。
     誰も近くにいなかったらチビたちだけで入る。大きい方が小さい方の面倒みる。でもヒノミノとかの大きいお姉さん達に優しく洗ってもらうのが嬉しいし、大きいあんちゃんや、たまに教官や里長なんかに当たってわいわいするのが楽しいから、お風呂タイムは子供らの楽しみのひとつ。
     セイハクくらいになって、恥ずかしくなったらor興味が出てきたら、一人か同性と入るようになるかな、その辺は大人が管理してそう

     弊ハン♀ミドリさんとツリキ君は幼馴染なんです3歳差、彼とミハバは子供に同族意識的に懐かれるタイプだと思う。子供らの態度がナカゴと自分らとで違うから首を捻ってる。

    「人のこと追い出すからよ」ってケラケラ笑った後ハン♀は「よっちゃんしーちゃんかなちゃん、囲炉裏に当たりにおいでー」って女の子たち引き取ってあげて、炉端であやとりして遊ぶ。あやとりと言っても、よく見たらロウ引きした滑り良い紐で鉄蟲糸技の基礎の練習になってる。アヤメさんが感心して見てると「お姉ちゃんも一緒にやる?」ってかなちゃんに誘われて、なんかふんわりした空気になる囲炉裏端。
    一方その頃やんちゃ坊主達相手に四苦八苦しているツリキ。「ちょ待て服着て出ろ、せめてちんちんは隠そう?な?…分かった分かったあとで……順番だって!……あーお前!」テンション上がって風呂からスッポンポンで逃げ出したチビを、店仕舞いしてたワカナさんが手慣れた様子で捕まえてまた風呂に放り込む。
    「助太刀いる?セイハク寄越そうか?」「あーいや、もう終わるんで」「そう?がんばってね」

    「よーしやっと終わった」ところで「はい交代」「俺がまだだって」「遅い。かなちゃんがお夕飯に間に合わないでしょ」「そんな殺生な」「ホラ出た出た」
     今度はツリキが半裸で放り出される。
    「ったく……」と水車小屋の囲炉裏で水気を切るしょんぼり青年。かわいそうに。

     ヒノエが通りがかったので「アレは良いの……?」とそっと聞いてみるアヤメさん、「あら、また……。注意はしているのですが、少々親密に過ぎますね。まあ、あの2人はいずれ夫婦になりますから。多少は許容されているのですけれど」と返されさらに混乱。というのもアヤメさん、ハン♀の男遊びを知っている。

     後日、夜の集会所にてハン♀とツリキとナカゴが飲んでるところに出会したアヤメさん、酒に釣られて誘われるまま席に着く。取り留めもない話が交わされる中、ふとナカゴが「そういえば、最近ミドリさん、あの太刀使いの人と居ませんね」とさらっと話を振り、「ああ、振ったわよ」とハン♀もさらっと返す。「今回は半年だったか?まだ保った方だな」「そう。気が緩んだのかしらね、なんか偉そうにするようになったから。ポイ」「キッツいなー」「……」「だって私の方が強いし」「もうちょっと立ててやったらどうだ?」「あっちが先よ」「……アヤメさん?どうかしましたか」とアヤメの戸惑い(婚約してるんじゃないのこの子ら、平然と浮気の話するってどういうこと?)に気付くナカゴ。「……いや、……」「?なーに?アヤメさん」「……ヒノエさんに、アンタ達が結婚の約束してるって聞いてたんだけど」顔を見合わせるハン♀とツリキ、一拍置いて笑い出す。「あーそれね。それでそんな妙な顔……アハハ!」「……」「……うん、そんなかっちりしたものじゃないのよ、くく」突っ伏して肩を震わせていたツリキが顔を上げて種明かし。「俺、カムラの血が濃いんですよ。三代前まで里の中で結婚してるもんで、相手に制限があるんす」「逆に私は父親とおじいちゃんが外の人だから、里の誰とも結婚できるの。それで、できれば同年代で一番血が濃いツリキと、って言われてるってだけ」「……」「意外だわ。アヤメさん、他人のそういうの興味無い人だと思ってた」「お前が遊び呆けてるから心配してんだよ」「誰彼構わずじゃないでしょ、ちゃんと里に入れても良いか選定してるわよ」とまたやいやいやりだす幼馴染達を眺めながらナカゴが「小さい里ですから、血縁の管理はある程度必要なんです。驚かれました?」「まあ、うん」「強制ではないんですよ」「だろうね……ミドリがこうだし」「ふふ。ツリキの方も縁談きてるわよ」「あ、その話無くなったわ」「マジ?」「マジ。夜行で忙しいから保留してたら、向こうさんが別な相手見つけたってさ」「残念だったわね」「まだ顔も知らないし、どうにもなあ」「……こんな具合に相手探しはするけど、最終的に独身だった場合の引き取り手が決まってるってだけなの。ま、今はただの幼馴染よ」
     この時までは「へー色々あるんだなあ」くらいの気持ちだったアヤメさん、「そういえばアヤメさん、教官だったらしいわよ?」「は?」「相手。結婚の」とぶっ込まれて呆然。「へーえ凄いな、もしそれで子供できてたら強かっただろうなあ」「ね」「……へぁ?」「ミドリさんツリキくん、良くないですよそういうの。ウツシ教官の奥方にも悪いでしょう」「あーそうよね、ごめんアヤメさん」「すません」「いや……え?あの人結婚してるの?」「してますよ」「おしどり夫婦って評判よ。スズカリさんとこ程じゃないけど」


    ↓こっから追記↓


     淵源・サンブレエンド後から何年かしてあっちこっち行ってたミドリが年越しに帰ってきて、里長に呼ばれて「そろそろ里に腰を落ち着けないか」って話が始まる
    「ワシももう年だ、お前には色々と伝えておかなければならない事もある」「……では、来年の仕事が済めば戻ります」「そうか、皆も喜ぶ」
    「……ところでお前、誰ぞ連れ帰ってくる相手はいないのか」「残念ながら」「前々から言っておったが、ツリキと所帯を持つ気はあるか」「……あいつまだ独り身なんですか?」「まだだ。先日あった見合いも断ったらしい」「……」「どうだ」「考えておきます」


     師走の風は冷たい。夜風なら尚更で、タタラ場の屋根の温もりが心地良い。
     故郷の夜を見下ろしながら手酌で飲んでいると、翔蟲の羽音と共に誰かが登ってきた。男、中肉中背、足音は消さず翔蟲の扱いに精通していない。まあそんな分析をしなくても誰だか予想は付いている。

    「よ」
    「……」
    「聞いたか?」
    「聞いた」

     隣に並んで座ったツリキに満たしたぐい呑を手渡す。その手を引っ込めずにひらひら振れば、察したツリキは懐から煙草入れと煙管を出して寄越した。

    「どう思う」
    「どうもなにも……」

     葉を丸めて詰め、火を点ける。すぱ、と吸って吐いた煙が所在なく消えていった。

    「嫌か」
    「……私はあんたの側が心配よ。知ってるでしょ」
    「今はいないんだろ」
    「居ないけどさあ。嫌じゃないの?」

     幼馴染はもうぐい呑を空にした。落ち着かない、お互いに。

    「それに傷物よ」
    「知ってる」
    「見せたことないやつある。結構エグいの」
    「……」

     火種を消してしまった。舌打ちしてもう一度燐寸を擦る。

    「俺に見られるのは嫌か」
    「げほ」

     深く吸いすぎて咽せた。煙を吐き出しながら息を整えるのを、ツリキはじっと待っている。

    「……。……………。あんたは良いヤツよ。それは知ってる。でもね、傷痕を恐れるっていうのは、本能的な心の動きだから。生理的な恐怖や嫌悪を隠して一緒に暮らすのは、無理だと思う」

     少しの間言葉を探していたツリキは、意を決したように大きく息を吸って立ち上がった。目は竜避けの煙を透かして、もっと遠くを見ている。

    「……それでも俺はさ、」
    「……」
    「お前となら一緒にやっていける気がしてるよ。前向きに考えてる。……お前もそうしてくれ」

     幼馴染はそのままとっとと屋根を滑り降りていく。言い逃げだった。

    「…………」

     また火が消えた。吸わずに放置していれば当然だ。男物の煙管は良く手入れされていて、鈍く月光を反射する。

    「……煙管置いていったわね、あのお馬鹿」



    「ツリキ」
    「お……、どうした」
    「あんた煙管取りに来なさいよ」
    「わ…かった。……いつなら良い?」
    「いつでも」
    「分かった。じゃあ後で行く。ついでに風呂借りるよ」
    「ん」

     仕事終わりの幼馴染を見送りもせず団子を齧る狩人に、隣に座っていたシイカが悪い笑顔で話しかける。

    「あら、もう家に忘れ物するような仲になったの?」
    「……」

     同じ里の中でもとりわけ親しく会話を交わす仲、2人の関係を正しく理解していないはずがない。これはこの辺りでの慣用句のようなもので、遠回しに『寝室に入れたのか』と聞いている。夜這いの習慣が残っていた頃の名残りだ。
     歳上にいじられて、ミドリは嫌そうに顔を顰めた。そもそもが気位の高い女である。その上、里の『家族』に夜の事情を揶揄われるというのは、居心地が悪くて仕方がない。しかも相手は一緒に育った幼馴染だ。死ぬほど気不味い。

    「……嘘でしょ、もう話回ってるの?」

     詩人はますます笑顔を深める。若人を眺める年長者はいつだってこんな顔をするのだ。

    「そうでもないわ。少なくとも私は今知ったもの」
    「……カマかけたのね!」
    「まだまだ青いわね」
    「うああ〜……」

     しれっと茶を啜る詩人の隣で、狩人は自らの失態に頭を抱えた。里長達が触れ回るわけは無し、ツリキも相手の意向を無視して言い触らすような性格ではない。恐らくシイカがこのことに勘付いたのは自分のツリキへの態度からだ。普段はふわふわしている癖に変なところで鋭いのだ、このふんわりバスター詩人は。

    「……誰にも言わないでよ、まだ話が出たところなんだから。騒がれたくない」

     シイカは決して悪い人物ではないが、口の固さについては信用しきれない部分がある。ミドリとはまた違った意味で己の感性に従って生きる女なので。他人の事情を慮って口を閉ざしていてくれるかどうかは五分五分、キッパリ運次第だ。

    「照れ屋ね」
    「面倒なのよ。それに断るかもしれないし、断られるかもしれないし」

     とりあえずの口止め料に団子の皿を押し出して、狩人は立ち上がる。歩き出そうとした足を詩人の言葉が留めた。

    「ミドリさん。この里の誰もが貴女の幸せを願っているわ。私もね」
    「……ありがと」

     振り返らずに去るミドリの背中を、シイカは静かに見守っていた。


     それはそうと次の日には、里人の、特に女性陣のほとんどは此度の事情を知っている、という状態になっていた。シイカはところ構わず触れ回ったりはしなかったが、夕方の井戸端会議で一度ぽろっと話題に出した。その一度で十分だったのだ。



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