Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    kirche_is_dcst

    @kirche_is_dcst

    @kirche_is_dcst
    千ゲ生産業。左右相手完全固定。千左固定。カプ固定だけど主人公総攻めの民なので千は全宇宙抱けるとは思ってる。逆はアレルギーなので自衛。
    基本フェチ強めのラブイチャ。ワンクッション置いてるけど時々カオスなものも飛び出します。
    受けの先天性・後天性にょた、にょたゆり、パラレル、年齢操作やWパロもあり。みさくら、♡喘ぎ多め。たまにゲがかわいそうなことに。(要注意案件はキャプションに書いてます)
    最近小説AIと遊んでます。
    一時期特殊性癖チャレンジをしてた関係で触手とかなんか色々アレなやつもあります。

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 204

    kirche_is_dcst

    ☆quiet follow

    サトコさんとお話してた🐉♀🏹と千ゲで学パロのやつ。エキセントリックなダイナマイトビューティーに振り回される🏹が書きたかっただけ

    ワールドイズマイン「 フゥン、貴様が西園寺羽京か!」
    ザッと土煙を上げて、目の前に立ちはだかったのは、海外モデルも裸足で逃げ出すような完璧なプロポーションと、理知的な、けれど尽きせぬ好奇心をその強い眼差しに宿した長身の美女だった。
    ……初対面ではあるが、この学校で彼女を知らない者などいない。
    七海龍水。
    この学園の理事長の孫娘であり、女子高生でありながら自ら設計した帆船で先ごろ世界一周を成し遂げた美丈夫だ。
    しかし、そんな彼女に待ち伏せされるには自分はいかにも平凡で。
    人より多少耳がいいくらいの特技しかない。
    「 ……そうだけど」
    探るようにいらえを返すと、龍水は快活そうな口元をにやりと吊り上げた。
    「 では!貴様が!三年A組出席番号13番、身長173センチ体重63キロ、先日の健康診断及び合唱コンクールで驚異の聴力が発覚した、西園寺羽京で間違いないな!?」
    ……細かい。なんだろう。まさに唯一の特技である聴力に着目してくれているようではあるが、理由がさっぱりわからない。
    頷くと、龍水はぱあっと表情を輝かせた。
    「 ハッハー!そうか。よし!貴様が!ほしい!!!」
    バッシィィィン!!!と響き渡るほど指を鳴らして言い放たれた言葉は、あまりの轟音で耳が麻痺してよく聞き取れなかった。
    「 え……なに……?」
    「 貴様の並外れた聴覚、冷静な判断能力は航海士向きだ。俺の船の乗員として!是非とも欲しい!!!」
    ……ああ、なるほど。
    ようやく得心が行った。彼女は自らの船のために、彼の聴力を欲しているのだ。しかし。
    「 過大な評価、ありがたいけど。……ただ耳がいいだけなら、僕でなくても」
    「 いや!貴様がいい!」
    皆まで言わせず、龍水はそう言い切った。
    破天荒ではあるが聡明で才能あふれる彼女にそこまで買われるのは悪い気はしない。
    しないが、やはり理由が気になる。
    「 なんだ、理由が腑に落ちんという顔だな?ならば教えてやろう!」
    思わず、ごくりと息を呑んだ。その様子に、ふっと不敵に笑って。
    それからふいに、表情をやわらげた。
    「 俺が、貴様に一目惚れしたからだ」
    思いがけない言葉と、艶めいたまなざしにどくんと鼓動が波打つ。
    ……なんだ、これ。
    ノイズが多くて……自分の心臓の音がうるさくて、他の音が全く入ってこない。
    こんなことは初めてだ。

    戸惑う視線の先で、少しはにかんだように。
    七海の女王は仁王立ちのまま、勝ち気な笑みを浮かべていた。

    「 無論!貴様には拒否権がある!!だが覚悟しておけ。俺は一度ほしいと思ったものは決して諦めない!!!」
    それは拒否権があると言っていいのだろうか。そう思いはしたが、身体中から響く不協和音に観念したようにひとつ息をつく。
    「 ……はあ……わかったよ」
    こんな圧倒的な魅力(カリスマ)に、抵抗できるわけがない。
    押し切られるようにして頷くと、彼女はパァッと表情を輝かせた。
    まぶしい。なんというかまばゆい。彼女自身が太陽になってしまったかのような光輝に目がくらむ。
    ……そうして、なんだかなし崩しのように、龍水との交際が始まった。

    「 よう、羽京先生。女王サマのハートを射止めたご感想はどうだ?」
    放課後の廊下でばったり会った後輩にそんなふうに揶揄われて、勘弁してよと泣き言をこぼす。
    「 能力買われて惚れられたんなら結構なことじゃねぇか」
    「 ……それなら千空が付き合ったらどうかな」
    能力を適正に判断して相手を評価する性質が共通しているためか、そんなことを言い出す千空に思わず毒づいてしまった。
    「 アイツだって誰でも良いわけじゃねえだろ一目惚れっつってたろうが。
    それに生憎、俺はそう言うの間に合ってるんでな。遠慮しとくわ」
    千空は気にした風でもなく、さらりとそう言い放つ。この端整すぎる面貌で間に合ってるなどと言われては返す言葉もない。
    実際間に合っていることも知っていたのに詮ないことを言ってしまった。
    「 あっ!いた!千空ちゃん、教室行ってもいないからどこ行ったのかと思ったら……あんまり羽京ちゃんからかっちゃダメよ?」
    そんな千空の背後から抱きつくようにして、クラスメートが割り込んでくる。
    「 ぁ?別にからかってねぇよ。……なんだ行き違いか」
    「 うん?」
    「 なんでもねぇよ。……オラ、帰んぞ」
    まあなんでもないわけはない。
    なるほど、一年の千空がなぜ三年棟にいるのかと思ったら、どうやら恋人を探しに来ていたらしい。
    クールな彼らしくもなく、だいぶ甲斐甲斐しい振る舞いになんだか微笑ましくなった。
    「 あ!羽京ちゃん、恋の悩みならいつでもメンタリストゲンに相談してね♬」
    そんな言葉を置き土産に遠ざかっていく後ろ姿を見送りながら、恋、と言う言葉を噛み締める。……恋?自分が?誰に?
    ふいに脳裏に浮かんだ姿にぶんぶんと首を振って、羽京は自らも帰宅すべく教室に向かった。

     帰宅すると、なんだかドッと疲れてしまって、ごろんとベッドに横たわる。
    ……恋、なわけない。
    心拍異常は、いつも龍水がめちゃくちゃやるからそのせいに決まってる。
    キラキラして見えるのは、きっと彼女の圧倒的な存在感のせいだ。
    そう思うのに、ゲンの言葉が脳裏を離れない。男女交際の経験がないわけではない。
    これまでは、比較的スマートに交際してきたと言うのに、今回は振り回されっぱなしで。
    ……でも、それを不快に思っていない自分がいて。わけがわからない。
    こういう時は体を動かすに限る。
    そう結論づけて起き上がると、いつもの筋トレを3セット、黙々とこなし始めた。
    入浴後、部屋に戻って。
    そのあとのことは記憶にない。

    「 羽京!今度の週末、デートするぞ!!」
    藪から棒にそんな誘いを受けたのが月曜日。
    しかもデートコースはお任せときた。
    帰宅してめぼしいデートスポットをリサーチするも、当の相手が型に嵌まらなさすぎて、全く見当がつかない。
    火曜日。とりあえずいくつか候補をピックアップするも、どれもピンとこない。
    水曜日。まずは着ていく服から決めよう。
    そう頭を切り替えて、クローゼットの中身をひっくり返すこと一時間。
    とりあえずカジュアル系コーデが無難だろう、というところに落ち着いて一息ついた。
    木曜日。改めてデートスポットのリサーチとコースの候補を絞り込むが、やはりピンと来ない。どうにもこうにも行き詰まってしまって、お悩み相談室に電話をかけた。
    『 羽京ちゃんおっ疲〜♬えっ?デートコース?龍水ちゃんはあれで意外とシンプルな子だから、あんまり深く考えなくても良いと思うけど?』
    「 君も千空も他人事だと思って面白がってるでしょ?」
    『 ヤだなぁ人聞き悪〜い♬……それにね、龍水ちゃんは羽京ちゃんとお出かけ出来るなら、どこでも楽しいんだと思うのよ、ジーマーで♪』
    思いがけない言葉にきょとんとする。自分と一緒なら、どこでも楽しい?
    『 それにね、羽京ちゃんだって、龍水ちゃんに楽しんでほしいから、そんなに頑張っていっぱい考えてるんでしょ?龍水ちゃんたら愛されてる〜♬』
    「 そう……なのかな?」
    うまく咀嚼できずに問いを返すと、ゲンは無自覚尊〜い♪と苦笑したようだった。
    僕は、龍水を、好き……?
    そう脳内で反芻すると、うるさいくらいに高鳴る鼓動でなにも聞こえなくなってしまった。……気がつくと、電話が切れていて。
    なんだかふわふわした頭のまま、ベッドに突っ伏して眠りに落ちた。

     さて、約束の土曜日。
    待ち合わせ場所に着くと黒のメッシュブラウスにエナメルのビスチェドレス、レオパード柄のファーコートを纏ったセクシーな美女が仁王立ちで待っていた。足元はグリッターカラーのウェッジソールにパイソン柄のサンダルと黒のハイソックスでシンプルかつゴージャスにまとめてある。
    そしてとにかく、目立つ。
    対して羽京はワッフル生地の白の長袖Tシャツと黒のスキニーパンツ、大きめのくるみボタンの付いたチャコールのニットカーディガンという出立ちで。どうにもバランスが良くない。だが、そんなことは全く気にも留めず。龍水は一直線にこちらに歩いてきた。
    その一挙手一投足に、周囲の視線が釘付けになる。居た堪れなくなって移動しようとすると、龍水は快活に笑った。
    「 ハッハー!人が見ているだと?気にするな!何?……それでも気になるなら俺を見ていろ!!!」
    そう言って、ぎゅっと羽京を抱きしめると、その豊満な谷間に彼の顔を埋める。
    弾力があって、やわらかくて。……とてもいい匂いがした。本当に、龍水のことしか考えられなくなりそうで。
    そこではたと人前だったことを思い出してボソボソとつぶやいた。
    「 なんだ?逆に気になる?面倒臭い男だな貴様は!」
    我ながらそう思うけど。
    でもこの状況で落ち着けというのは男子高校生には無理な話だ。
     それに。
    先日から、変に龍水のことを意識してしまって。いつものように振る舞えない。

    前途多難な初デートは、まだ始まったばかりだった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works