タイトル?妄想だから無いよ目の前に零福ちゃんがいる。
微笑っている、俺も嬉しくて微笑み返す。
だけど、触れようとしたら彼は哀しそうな顔になり俺から遠ざかっていく。
待ってくれ───
手を伸ばすところで夢から醒める。
これで何回目だろう?
最近はこの夢ばかり。
闘いは終わり治療も済んだ。だけどこの消失感だけは、どんな治療でも治せない。
飴を口に含み天界の草原に移動する。
部屋に篭もっていたら身体から根が生えて起きれなくなりそうだから。
静かなこの場所なら寝てもあの夢は見ないだろう、と瞼を閉じる。
零福ちゃんが自分の顔を覗いてる。
俺は寝たフリをする、夢でももう彼に去られて欲しくないから。
彼はキョロキョロと周囲に誰も居ないのを確認したら、俺に口付けてきた。
ゆっくり舌を入れてくると、俺の口に入ってた飴を上手く取り出し自分の口の中に入れた。
突然の出来事に心臓が飛び出しそうになるが、頑張ってまだ寝たフリを続ける。
零福ちゃんは俺が起きてるのに気づいてない様子で、寝てる相手から起こさずに飴を奪えた事を誇らしく思ってる様だ。まるで子供だ。
彼が背を向けた瞬間に俺は抱きしめた。
捕まえた、と言う代わりに俺も口付ける。
仕掛けてきたのは向こうからだ。文句は言わせない。
舌を入れる。零福ちゃんとゆっくり舌を絡め合う。
飴の味と涙が混じり合う。
永遠に続けていたいが零福ちゃんが両手で胸をポカポカ叩いてくるので口付けを止めると、顔を真っ赤にした彼が騙してたな!と恥じらいつつも目で訴えてきた。
それが可愛くて俺はまた抱きしめていた。
いつからかは判らない。
気付いたら俺の隣にいたらしい。だけど最初は触れる事が出来なかったので、仕方なく触れれるまで隠れてたらしい。俺が眠りについたら俺に触れれるか確認していたと。
俺が夢で何度も同じ内容を見た原因はそれかもしれない。
そして触れれる様になったので俺の寝込みを襲うとは、大胆不敵な神だ!
零福ちゃんが何度謝ろうと、恥じらっても、泣いてもお構い無しに俺は抱きしめ続ける。
文句だけは飴を含ませて黙らせてるが。
もう離さない。
零福ちゃんが人々を幸せにする時は俺もついて行く。そして俺は彼に愛を伝えたいし与えたい。
だって俺と零福ちゃんは一蓮托生したんだし。