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    通常軸のマヨ忍

    #マヨ忍
    mayoNinja

    マヨ忍ワンライ『手袋』 冬物が並んだショッピングモールで、忍は手袋を手にとっては『むぅん』と悩んでいた。少し尖った口元、ぎゅっと眉間に寄ったシワ、こてんと傾げた丸い頭。
    (ハァ、ハァ……。悩んでいる忍きゅんも、とっても愛らしいですぅううう……!)
     マヨイはそんな忍の買い物に付き合っている、わけではなく。ストーカーをしている……のでもなくて。そう、これは尾行の練習である。常であれば、ショッピングモールだなんて人の多い場所に訪れることのないマヨイだが、忍の姿を見るためならば話は別だ。人目につかない場所を選びながら、只々忍を眺め続けていた。
     いくつかの手袋を手にとっては悩み、手にとっては悩み、を繰り返していた忍だが、やがて色違いの二つを手に取ると、こくりと頷き、小走りでレジへと駆けていった。会計を終えると、手裏剣柄のケースに入ったスマートフォンを取り出し、手早く何かを打ち込んでいく。と、マヨイのポケットに入ったスマートフォンが震える。画面を開くと、先程送ったのであろう、忍からのメッセージが届いていた。
    『マヨイ殿、今夜にでも、少し時間はあるでござろうか』
    「はぁい、お頭ぁああああ! 私に何かご用でしょうかぁ?」
    「うわぁっ! え、マヨイ殿どうしてここにいるでござるか? こんな人の多いところに一人で……あ、さては拙者を尾行していたでござるな? お頭に気配を感じされないとは、流石マヨイ殿でござる」
     物陰から忍を眺めていたはずのマヨイは、いつの間にか、忍を腕の中に抱きしめていた。忍からの誘いに我を忘れて飛び出してしまったようだ。忍がマヨイを探していたのだから、何の問題もない。純粋で素直な忍は、こうして尾行がバレても、マヨイを褒めてくれるのだし。
    「マヨイ殿に渡したいものがあったので、ちょうど良かったでござる。あ、できたみたいでござるな」
     レジ横で、店員さんからきれいにラッピングされた包みを受け取った忍は、それをマヨイへと差し出した。
    「拙者の跡をつけていたのであれば、中身はもう分かっているかもしれないでござるが」
     先程忍が『むぅん』と悩みながら選んだ手袋だろう。けれど、どうして急に手袋をプレゼントされたのだろうか。
    「マヨイ殿、いつも拙者のほっぺをカイロみたいにもみもみしてるでござろう?」
    「あぅ、ご、ご迷惑でしたか……?」
     寒さを口実に魅惑のぷにぷにほっぺを堪能していたのがバレたのだろうか。もうあの柔らかなほっぺは触らせてもらえないのだろうか。
    「あ、嫌なわけではなくて。そうじゃなくて、マヨイ殿とは学年もユニットも違うから、いつでも拙者が一緒なわけではないし。だから拙者がいなくて手が冷たい時には、代わりにこれを使ってほしいでござる」
     無垢な忍からの、思いやりのこもったプレゼント。
    「あ、ありがとうございますぅううう! お頭からのプレゼント、大事に大事に飾っておきます!」
    「いや、飾らないで使ってほしいでござるよ! えぇと、それで……ちょっとお願いがあるんでござるけど」
    「はい、何でしょうか?」
    「あの、拙者も手袋、色違いでおそろいにしてもいいでござろうか」
     忍が鞄から取り出したのは、先程選んだ二つのうちの片方だろう。
    「も、もちろんですぅうううう!」
    「わ! マヨイ殿ステイステイ! 潰れる、拙者潰れちゃうでござる~!」

     喜びのあまり、ぎゅうぎゅうと忍を抱きしめるマヨイには、もう忍の叫ぶ内容も耳に届いていなかった。
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