猛暑の父子の小話「あっっっついよぉぉぉーーー……」
「暑いな…………」
今日もデルムリン島は快晴。
気持ちの良い青空が頭上に広がっている……まではよかったんだけど。
何故か今日は異様に気温が高すぎて……。
「もうー……なんでこんなに暑いのさ……おかしいよ……」
「異常気象かもしれんな……」
比較的気温の高いデルムリン島に慣れたおれですら、悲鳴をあげるほどの気温。
いつも涼しい顔をしている父さんも、流石にこの暑さはキツイらしく、額にじんわりと汗をかいている。
「父さん……ヒャダルコ使える……?」
「あいにく氷雪呪文は苦手でな」
「父さんにも苦手な呪文あるんだ……」
おれが意外そうな顔をすると、父さんはぷいっと目を逸らす。
「……使えずとも困った事はない」
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