夜鷺:くぅたんのひとりごと〔今日はおうちデート! たのしみ!〕
〔泊まることになっちゃった〕
〔一緒に料理するの楽しかった~〕
〔おうちでまったりが一番すきだな〕
「はあ……」
比鷺は溜息を吐きながら、ぽつりぽつりと呟いたひとりごとをスクロールする。見ているのは一番新しく作ったアカウント。名前はくぅたん。社会人と付き合っている女子大生、という設定だ。うるさい、ネカマ言うな。エゴサ用のアカウントでJKロールをそつなくこなせてしまった成功体験が大きかっただけで、深い意味はありません!
気分によって鍵を掛けたり外したりしながら、ときどきの思いを呟くのは、萬燈と過ごす日々の嬉しさや不安を一人では抱えきれないから。ものは試しにとやってみたのが、今では少し依存気味というか、なくてはならない拠り所になりつつあるというか。……こんなこと、誰にも言えないけれど。
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