結果なんてわかっているのに無理矢理に手を握りどうしたどうしたとからかう声にこの関係が壊れてしまうとわかりつつも言わずにしまっておけるほど利口な鳥ではなかった。
「カロン、俺の帰る場所に、止まり木になってほしい」と絞り出した言葉は少し躊躇されたあとに「ごめん」というたった三文字で簡単にあっけなく散ってしまった。
握った手を離して「そっか」という俺はカロンからみてどう写ったんだろう。
慰めるためにか「お前の止まり木なんてものはないぜ、何処にでもいけるだろ?こーんな小さいところで収まるほど可愛いお子さまじゃないんだから」と両腕を広げ青空の下をけらけらと笑う目の前の盲目の青年は相変わらずどこにもつかみどころはなくつかんだところでするりと抜けてしまう雲のようだとカロンにたいしてペダロは思う。
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