親族同士の取り決めで結婚することになった煉義。煉は義に一目惚れしてるけど、義はこんな良い家に自分なんかが嫁ぐべきでないと思っている。


新婚初夜で煉は君が心を開いてくれるまで待つ！と言って手を出さず寝てしまう。さっさとヤッて反応の鈍いつまらない奴だと捨ててもらおうと思っていた義は困惑する。


新婚生活。義は居場所がないと思ってるけど、煉は優しい。その裏で、親類に子が出来ないことについて煉が責められていることを知る……。


責められて辛い思いするくらいならさっさと抱いて子供産ませればいいのに。嫁はそれが仕事なんだからと言ったら煉が泣いちゃって、義はポカンとする。え、なぜこっちが泣かせた感じに？


君を大事にしたい。煉が泣きながらそう言うので、義は胸が痛んだ。代替品の嫁を大事にする必要なんかないのに。そもそも本当は姉が嫁ぐはずだったのだ。


親族同士の決めた婚姻。義が生まれるとき男子を期待されていたため、幼い頃から男子のように育てられた。美しい姉は嫁いで自分は家に残ると思い込んでいた矢先、姉が病死。急に女子の格好をさせられ義が嫁ぐことに。


煉獄家の人達はみんな良い人だ。ただ、自分はここにいるべきでない。「それはこの家にいたくないということか？」煉の問いかけに申し訳ないと思いつつも義は頷いた。すると煉は義の荷物をまとめ始めた。「行こう」そう言って義を連れて家を出る。ようやく分かってもらえたかとついていくと……。


二人で電車に乗る。実家に送り届けてくれるのかと思ったら、煉も荷物を持っている。「さあ、これからどこへ行こうか？！」「は？」「都会に出てみるか？海へ行くのもいいな！家に帰りたいならそれでもいいが！」「あの……もしかして……」恐る恐る尋ねると「君の行くところに俺はついていく！」


そういえば家を出る時からずっと手を繋いでいた。煉は君のことが好きだから、結婚したのだから俺はいつまでも傍にいて君を守ると言った。──家を出るつもりなのか。躊躇いのない煉に胸を打たれる義。


「俺のことが嫌いでなければ傍にいさせてほしい！君が心を開いてくれるまで俺はいつまでも待てるから！」煉は義の手を強く握り笑顔でそう言った。対する義はしばらく考えたあと口を開いた。「心を開いたときは……『開いた』と伝えればいいか？」そうだな！と大きな声で返す煉。


揺れる電車の中。義は消え入りそうなほど小さな声で「今……開いたかもしれない」それを聞いた煉の顔は真っ赤になり、つられて義も赤面し、その後は会話もままならない状態で終点まで乗ってしまい、たどり着いた先は海が見える駅だった。


海沿いの街で旅館に泊まり、二人は初夜を迎える。自分という人間が相応しくないと思っただけで、煉獄家が嫌いではない義。翌日、煉獄家に戻ると心配していた槇パパにめっちゃ怒られる。行き先を聞かれ「新婚旅行に行っていました！」あまり反省してなさそうな顔で答える煉を義は愛しげに見つめた。


「名実共に夫婦となったわけだが！いずれ子供も授かりたいと思ってる！」「そうだな、子供はたくさん欲しいな」
「！！！」
煉に心を開いた義は以前より素直になり、そんな嫁が可愛くてたまらず毎晩のように子作りに励む煉なのでした。