今年も来年も…… 盧笙が呼んでくれたタクシーに乗り込み、再びメッセージアプリを開く。
そこに記されている名前を再度確認すると、自然と笑みが零れた。
先ほど簓に口に突っ込まれたチョコレートのプレートみたいになんだか甘ったるい。
「おっちゃん、シンオオサカまで頼むわ」
日曜日のこの時間にわざわざオオサカまで来てくれたかわいいあの子に、どんな美味しい物を食べさせてあげようかと、バックシートに身体を預け目を閉じながら馴染みの店を幾つかリストアップした。
駅に着き、彼がいるコーヒーショップへ向かう。
窓側のスタンド席に座り、タブレットを見ながらコーヒーを飲んでいる彼の姿をみつけ近寄ると、店の外からガラスをコンコンと叩いてみる。
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