夢を見ている。
そう自覚したのは、防いだはずのドラケンくんの死の場面を見ていたからだった。
あの時、周りにいたはずのたくさんの不良達は、敵も見方も全ていなくなっていて、いるのはただ1人、佇むマイキーくんだけ。
彼は、誰かを抱えていた。
おそらく、小柄な少年。長めの金髪と裾長の黒い特服を着ている。
マイキーくんは膝を付くと、血を流して仰向けに倒れているドラケンくんの横に抱えていた少年を下ろした。少年は身動ぎをひとつして、ドラケンくんの服を握りしめて安心したように丸まって、そのまま息絶える。顕になったその顔は、今まで彼を抱えていた人の顔と同じものだった。
「これは葬式だよ」
いつの間にか背後にいたマイキーくんがそう零した。
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