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    suika_disuki

    @suika_disuki

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    suika_disuki

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    「隣座ってもいいですか?」
     見ると金髪の青い目の青年、と言っても夜のバーだから青年と言っただけでパッと見た外見で言えば少年と青年の中間と言ってもいい。
     正直見た目の好みかと聞かれるとNO。可愛い系よりカッコイイ系がタイプだったが彼氏と違うタイプも悪くないと感じた。
    「どうぞ」
    「お姉さん1人ですか? さっきからずっと1人で飲んでたし、あ、誰か待ってます?」
    「そんなにずっと見てたの? 今日は1人で飲みたくて」
    「なら一杯奢ってもイイっすか? あ、俺タケミチって言います。好きなの頼んで」
    「私のことみんな姫って呼ぶかな」
     イケテない見た目だけど振る舞いは悪くない。
    「姫? お姫様ってこと? すっごく可愛いから合ってるね」
     笑った顔も犬っぽくて可愛い。
     本当か嘘かわからないけど昔は族だった、手の傷はその時の喧嘩、違うチームの総長もやった。
    「タケミチが総長? うそ、流石に盛りすぎ」
    「そう思いますよね? 自分でもそう思うけどいつの間にかやらされちゃって」
    「あはは何それ。タケミチは今日1人なの? 誰か待ってるの?」
    「あー……俺、最近恋人と別れて……。1人でいると暇だからここで最近飲んでるんすよ……あ。もしかして時間取っちゃいました? ごめんなさい姫さんすごく聞き上手だったからつい……」
    「え〜タケミチかわいそうー。タケミチってすごく優しいのに。ね、タケミチゆっくりもっと話、聞いてあげようか?」
     偶にはこういう男も悪くないかも、タケミチの膝にこっそり手を置いてお誘いするとその顔は別に驚いたり、意外といった風ではなく、当然という感じ。意外と遊び慣れてる様子でこちらも安心して遊べる。
    「なら、ここから移動します……?」
     返事をしようとした時店のドアが開く。
    「あ? なんでお前がいるんだよタケミチ……」
     同時に声の方を振り返る。
     そこに立っていたのはウルフカットの垂れ目。眉の中心に剃り込みのイケメン。その隣には今時珍しい顔黒系のギャル。
    「三ツ谷くん……君こそなんで……その隣の子……へーふーん三ツ谷くんってめちゃくちゃ趣味悪いね」
     まさか子犬系男子と思っていたタケミチからそんな言葉が飛び出るとは想像できなくて驚く。
    「はっ、お前がそれ言う? 悪いのは服の趣味だけにしとけよ。なんだお前の隣の女……」
     私を見てハンッと鼻で笑いカチンとくる。
    「姫さんのこと悪く言うなよ……! 姫さんって確かに自分のこと勘違いしてる自分モテるとか思ってるし、姫っていうかお局系だけど聞き上手で話しやすい人なんです! それより三ツ谷くんなんですかその子? いかにもヤリマンそうで頭悪そうだし性病とか持ってそうなブス連れて……!!」
    「あ? この子はな、さっきあったばっかだけど話ししたら幼稚園児みたいな甘ったれた性格だけど純真で精神年齢が可愛いんだよ!! お前こそイイ女風ぶってる女にヘコヘコしてたんだろ? 誰にでも人懐っこい顔してよ、何? ひもになりたいって?」
    「は? 精神年齢ってどういうことっす? あーそっか、三ツ谷くんって幼女的な? ロリコンの毛がありますもんね! いつも太もも見えるくらいのボトム穿かせるし? “俺の作った服以外着るな”ってお人形遊び的なことしたいって奴ですか? ヒモなんてなりません! 俺はちゃんと働いて、家にお金入れて、対等になりたいんす!」
    「着せ替え人形なんかじゃねぇ! 俺の作ったもの着て食べてるお前が見たいんだよ! 生活も俺が見る、働きにいくなんて……ただでさえ東卍の奴らも、黒龍のやつもいんのに外に出るなんて、これ以上俺を不安にさせて楽しいのかよタケミっち!?」
    「なんで俺のこと信じてくれないんすか?! そんなに俺って信用ないんすか? 俺だって三ツ谷くんのこと支えて、家事もしてくれてるのにデザイナーの仕事もして、少しでも三ツ谷くんの助けになりたいんだよっ、それに、モデルさんからもモテてるの知ってるんすよ!? 家の中でずっと過ごしてたら、いつも三ツ谷くんのこと考えて不安になっちゃうんすっ……!」
     ポカンとする私と相手の女。いや、それ以外に何ができるというのか。
    「タケミっち……、そんな心配しなくていいっていつも言ってるだろ? それとも、お前が言ってたみたいに俺が信用ねぇの……こんなにタケミっちのことしか考えられねぇのに」
    「だって……だって三ツ谷くん、美人ばっかり見てる、俺なんてそこら辺の雑草みたいじゃんかっ! 2人でデートしてると女の子いつも三ツ谷くんのこと見てるよ……それに2人きりになりたいって言われてるの何度も見てるとっ、俺、俺……」
    「ばかっ、俺からしたらモデルはトルソーと同じだ。俺はマイキーやヒナちゃんと一緒に出かけるって聞いた時の方が不安だ……。タケミっちが俺から離れたら……俺やっていけねぇよ!」
    「っ! おれもっ、俺もタカちゃんが離れちゃうって思ったら……!!」
    「タケミっち……!!」
     顔を紅潮させ、2人で強く抱き合う姿。一体私は男2人の何を見せられているのか。空いた口が塞がらない。
    「……この間は酷い事言ってごめん……。タケミっちがいつ帰ってきても良いように毎日2人分用意してる。今日は、食いに帰ってきてくれるか……?」
    「ごめんねタカちゃんっ俺、俺わがまま言って……! タカちゃんのご飯、食べたい!また食べていいの……? 俺、家でてから野菜しか食べてない……タカちゃんの作ったご飯以外食べれなくて……」
    「ん、タケミっち、家帰ったら何食ったか全部言えよ……? 俺が知らない物体に入ったとか許せねぇわ……」
    「早く帰ろう」
    「家帰ったら、身体検査するから。俺嫉妬深いからな?」
    「そんなの知ってるよ。俺もタカちゃんのこと身体検査するからね、俺だって嫉妬深いんすよ」
     肩を抱き合って、そのまま2人は出て行った。
     ポカーン状態の私を放っておいてだ。
    「大変でしたね……あの2人結構ここでは有名でして。よくああやって喧嘩してからやってきてこういうことするんですよねぇ……。梵天の関係者じゃなかったらお断りなんですけどねぇー……。あ、お支払いはお2人に回しますのでお好きにご注文ください」
     マスターが話しかけてくる。
     なんて迷惑な2人なのか……!! 置いて行かれた顔黒女と死ぬほど飲んだ。



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