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    CHOBI_20090910

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    CHOBI_20090910

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    TGM×いぶき

    空母リンカーンが横須賀に寄港し、海自を代表して見学に行くことになった第五護衛隊群の秋津と新波達。
    リンカーンにはかの極秘任務を成功させたミッションメンバー達も同乗しており、束の間の日本を楽しんでいた。
    日本の空母関係者とあって興味津々のメンバー達。艦載機の説明を仰せ使ったのはマーヴェリックであり、しかも、何やらマーヴェリックと親しげに話していているではないか。
    なんでも研修中に知り合い意気投合したらしい。さらに興味を惹かれたメンバー達は傍へと寄っていく。

    「戦闘機に興味があるのか?少年!」
    「おい、ハングマン」
    ルースターが日本側の来賓に対して挑戦的な声掛けをするハングマンを咎めるポーズをするも、内心ではハングマンと同じことを思っているであろうことはどう見ても明らかだった。
    秋津はマーヴェリックと顔を見合わせ、秋津が若者達を少々からかってやろうとしていると見るや、マーヴェリックは肩をすくめ、ご自由にどうぞとポーズをとった。
    「ええ、私もパイロットですから。」
    ハングマンの言葉には棘があったが、日本人は歳若く見られることが必至で、秋津は慣れたもので、売られた喧嘩を買うこともなく受け流す。
    「日本では子供でもパイロットになれるんだな!」
    この言葉に周りのメンバーからもクスクスと笑いが漏れる。
    「君の名前は?」
    「ジェイク・“ハングマン”・セレシン大尉だ。」
    ハングマンは握手するための手を差し出してはいるが、明らかに相手を見下している。
    「大尉か。覚えておくよ。」
    秋津はそれを理解した上で、にこやかに握手を交わした。

    ボー・“サイクロン”・シンプソン中将が広い艦内でも通る声でマーヴェリックを呼んだ。
    「いつまで油を売っているつもりだ、マーヴェリック。それに、秋津“一佐”。」

    そこでヤングガンズ達は固まった。
    中将は今、何と言った?

    「すみません、中将。聞き間違えじゃなければ、“一佐”と聞こえましたが?」
    ルースターが困惑気味にシンプソン中将に再度問うた。
    「?間違いではない。秋津“一佐”、彼が日本の空母いぶきの艦長だ。」

    ルースターとハングマンの顔色は一気に真っ青に様変わりした。
    「OMG」
    「お前のせいだぞ、ハングマン!」
    小声でお互いの罵り合いを始めたルースターとハングマンであったが、もう遅い。
    他国の上官であり、日本の空母の艦長にあんな生意気な態度をとってしまったのだ。

    「アメリカのパイロットは優秀ですね、“大尉“?」
    秋津に盛大な嫌味を返されるも、何も言い返せるはずもなく。
    顔を真っ青にさせたルースターとハングマンは今にも泣き出してしまいそうな顔をしながら、日本の来賓客達を見送るはめとなった。
    フェニックス曰く、あんな百面相するルースターとハングマン、面白い以外のなんでもなかったということらしい。


    ルースターとハングマンは、さっきは酷い目にあった、とブリーフィングルームで潮らしくしていれば、ふらりと秋津が現れ、直立不動の気を付けの姿勢を取らざるを得なくなった。
    遅れてマーヴェリックもやってきて、多少安堵したが、今度は何を言われるのかと緊張が走る。
    「ああ、君。私と勝負しないか?」
    秋津はハングマンにニヤリと勝ち気な笑顔を向けた。
    「……と、申しますと?」
    流石のハングマンももう勘弁してくれと思わなくもなかったが、上官である手前、聞かぬわけにはいかない。
    「私と勝負して、私が勝ったら、そうだな…君が私に対してさっき言ったことを撤回する、君が勝ったら、私の技術も精神も未熟であったと認めよう。どうだ?」
    「どう…って」
    自分の一存で発艦許可など下りないことをハングマンはよく理解していたし、日本の来賓である彼とそんなことをしてもいいものかなど、幹部といえど、一パイロットのハングマンには決めかねた。
    「中将からの許可は下りているよ、どうする?」
    マーヴェリックからのその言葉は、神からの問いかけにも思えたし、悪魔からの問いかけにも思えたと、後のハングマンは語った。


    結果から言うと、ハングマンは負けた。
    それも、完膚なきまでに。
    マーヴェリックと同等かそれ以上のパフォーマンスで、ハングマンはあっという間に秋津にキルされた。
    これにはヤングガンズ達も驚きを隠せなかった。
    それを身をもって知ったハングマンは感動と興奮冷めやらぬようで、秋津一佐!秋津一佐!と懐くようになった。秋津もそれが満更でもないようで、何かと相手をしているようだった。

    ハングマンの視線が追いかける先が秋津に変わって、ルースターは面白くなかった。
    確かに秋津はすごい。
    トップオブトップばかり集めたミッションメンバーが束になってかかっても太刀打ちできるか怪しい。
    だが、それとこれとは別の話だ。
    「お前がずっと見つめるべきは、俺だろ!」
    らしくもないことを言ってしまったことは自覚していたが、止められなかった。


    そんな彼らを見て、もう一人、面白くないと感じていた人がいる。
    「新波さん?どうかしました?」
    「………別に。」
    明らかに機嫌が悪くなった新波に秋津は困惑した。何かしただろうか。
    「“秋津大佐!”」
    先ほど自分とドッグファイトをした海軍パイロットがにこやかに駆け寄ってくる。
    自分に懐いてくれたパイロットに悪い気はしない。だが、その様子を眺めていた新波の機嫌はさらに悪くなっていく。
    「もしかして、妬いてます?」
    「お前なんか、もう知らん!」
    図星をついてしまったようだ。
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