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    続々・もしも境井家が代々志村家当主の夜伽をしていたらの話 3
    (支部に無印と続があります)
    若い志村×若い正

    「大事ないか、正」

    かたりと音がして我に返ったというのに、まだ夢の世界のようにふわふわしている。
    正は軽く目眩を覚えながら、正面を見た。
    黒曜石の輝きを持つあの目が、ぐぅっと近付いていた。
    志村は膳を脇に避けて、身を乗り出している。
    長く美しい指先が、正の方へ伸びてくるー…。

    「大事ありませぬ…!」

    裏返りそうな声を無理に抑え込み、俯いて袴の酒の染みを睨んだ。
    あぁ、恋をしてしまっているのだ。
    城にまで会いに行きながら、志村を目の前にして声をかけることができなかった……郷のおなごが〈若様を一目見るだけで幸せにございます…〉と愛を伝えてくれたことがあったが、まさにそれではないか。
    恋をしてしまっているのだ。
    なんと不毛な恋か。
    ただの掟で抱かれただけだというのに…。
    気遣うようにこちらへ伸びた志村の指先を、これ見よがしに顔を逸らして拒絶する。
    志村はしばらく思い悩んでその手をそのまま宙に置いていたが、やがて、ゆっくりと引っ込めた。
    正は目の皿をふつふつと燃え上がらせながら、この愚かしい恋心を読まれたならば困ると、志村のあの黒々と濃く美しい双眸を決して見ないようにした。

    「…ふた月前のことは気にするなと…そう申す方が、土台、無理な話であろう」

    血眼になって濡れた袴を擦り続けているところ、志村がぽつりと溢した。

    「案ずるな、正。お前が嫌がるのならば、無理強いすることではないのだ。酒と同じで、な」

    志村が立ち上がる気配がした。
    正は止めて、恐る恐る志村を見上げた。
    志村のすらりとした顎の向こうに、あの漆黒の瞳が煌めいていた。

    「隣の部屋に布団が敷いてあるそうだがー…」

    これは。
    誘われている?
    夢にまで見た?
    激しく自慰をして気を失うように眠っても満足できなかった…あの体が蕩けるような快楽が、また愛する志村から…?
    正はごくりと近頃やっと飛び出始めた喉仏を上下させた…が。

    「…お前はいつも通り部屋で眠るといい。儂は、何もこの風習を終わらせることでお前や境井家の立場を悪うすることはせんのでな。おやすみ、正」

    身を翻して、志村は隣室に続く障子に手を掛けた。
    がらりと開くとこちら側の薄明かりがあちらに伸びて、確かに、布団が一組だけ敷かれているのがちらっと見えた。
    ならぬ…と正は思った。
    このままではならぬと。
    志村に抱いてもらえない。
    愛してもらえない。
    本物でなくてもいい。
    それが志村にとってただの悪趣味な風習ならば、それで構わない。
    抱かれたい。
    体だけでも愛されたい。
    ああ。
    好きなのだ―…。

    「っ…!」

    気付けば正は身を乗り出し膝立ちで、志村の右手首を両手で掴んでいた。
    志村の皮膚に直接触れたのは、二か月前の情事以来二回目だ。
    正の胸の突起をくりくりと弄り、亀頭を撫で、父に言われて中途半端に開発した尻の穴をぬくぬくと解して新しい快感を見出した指が、目の前にある。
    正はまだ、ごくっと喉を鳴らした。
    この指にまた触れられたい。
    胸の谷間をすぅっとつま先でなぞっておりてゆき、そのままへそをくりくりっと押されて、魔羅を伝い、更にその下、その奥に―…。

    「…志村、殿っ…」

    正は志村の手をゆっくりと自らの顔の方へと持って行った。
    そしてちゅぅっと唇を寄せた。
    無論、志村は肩を跳ねさせて手を引こうとしたが、正は馬鹿力を発揮してそれを許さなかった。
    志村の手にちゅうちゅうと唇を寄せてから、人差し指をはぷぅっと口に含んだ。
    爪の隙間を舌で撫でるようにして、それから指全体を舌でぬりゅぬりゅと回すように舐めた。

    「っ…正ッ…!」

    志村はやはり手を引こうとした。
    ちゅぽんっと口から指が引き抜かれてしまうが、正は再び志村の手首を引っ張り、今度は一等長い中指をぬちゅっと口内に含んだ。
    正はその指をうっとりとして舐めた。
    涙を溜めた目で上目遣いに志村を見た時、その黒曜石の瞳の奥にちらちらっと狂暴な雄が垣間見えた。
    今この部屋には例の性的興奮を誘発させる香は焚かれていない筈である。
    だというのに、志村は確かに興奮している様子だ。
    正はふんふんと鼻息も荒く全ての指をちゅぽちゅぽしゃぶってから、ぬたぁっと銀の糸を引いて志村の小指を唇から軽い水音を立てて引き抜いた。
    頬をうっすら上気させて狼狽している志村を見上げてから、正は志村の手の甲に頬を擦り寄せた。

    「……正は、志村殿とまぐわいとうございます…」
    「ッ…!な、何を申すのだッ…!」
    「まぐわいたいのです」
    「だがっ…」
    「志村殿…お情けを…」
    「ッ…情けだなどとっ…ッお前はっ、だがそのようなことは…っ」
    「志村殿にならば犯されてもいい…」

    志村は口籠り、そして、少し開いた障子の向こうに見える一組の布団を振り返った。
    そしてまた、正に視線を戻した。
    見上げて、正はまた喉を大きく鳴らした。
    志村の瞳の奥の雄が、今度は瞳孔をしっかり開いてこちらを見下ろしていたのだ。

    「……正…」

    低い獣の唸り声で、志村が命を下した。

    「…夜伽を致せ」

    正の腹の奥がじゅんと濡れた。


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