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    PROGRESS続々・もしも境井家が代々志村家当主の夜伽をしていたらの話 3
    (支部に無印と続があります)
    若い志村×若い正
    「大事ないか、正」

    かたりと音がして我に返ったというのに、まだ夢の世界のようにふわふわしている。
    正は軽く目眩を覚えながら、正面を見た。
    黒曜石の輝きを持つあの目が、ぐぅっと近付いていた。
    志村は膳を脇に避けて、身を乗り出している。
    長く美しい指先が、正の方へ伸びてくるー…。

    「大事ありませぬ…!」

    裏返りそうな声を無理に抑え込み、俯いて袴の酒の染みを睨んだ。
    あぁ、恋をしてしまっているのだ。
    城にまで会いに行きながら、志村を目の前にして声をかけることができなかった……郷のおなごが〈若様を一目見るだけで幸せにございます…〉と愛を伝えてくれたことがあったが、まさにそれではないか。
    恋をしてしまっているのだ。
    なんと不毛な恋か。
    ただの掟で抱かれただけだというのに…。
    気遣うようにこちらへ伸びた志村の指先を、これ見よがしに顔を逸らして拒絶する。
    志村はしばらく思い悩んでその手をそのまま宙に置いていたが、やがて、ゆっくりと引っ込めた。
    正は目の皿をふつふつと燃え上がらせながら、この愚かしい恋心を読まれたならば困ると、志村のあの黒々と濃く美しい双眸を決して見ないようにした。

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    PROGRESS続々・もしも境井家が代々志村家当主の夜伽をしていたらの話 2
    (支部に無印と続があります)
    若い志村×若い正
    ふらふらするので一度きんきんに冷えた井戸水で顔を洗い、正は改めてしゃっきりした心持で屋形の中へと戻った。
    父を探したが、明らかに帰り支度を整えている家人に出くわした。

    「殿は既にお出かけになられました。殿が、我らも今夜は家へ帰るようにと」
    「…聞いている」
    「若様と志村様をお二人にするようにと」

    この若い男の家人は不躾である。
    普段から若い正の女の影など探るのだ、正はあまり好きではない。
    今夜も“何故地頭の嫡子と二人きりなのだろう”と興味津々である。
    普段ならば苦言を呈して下がらせるが、正としても今からその地頭の嫡子を鍛えたこの体で遊び女のように誘惑しなればならないのだと思うと、後ろめたさから強く言えない。

    「……父上からのお申し付けだ」

    それだけ言って、正は家人を突っぱねた。
    屋形はとっぷり闇に包まれているが、勝手知ったる屋形の間取りである。
    わざと足を引きずってゆっくり歩いてみても、直ぐ、ろうそくの灯がゆらゆらと廊下まで伸びている部屋の前へと到着した。
    正はその場に片膝をついた。
    そして“ふっふっふ―――っ”と息をついてから、唇を薄く開いた。
    …が、喉がカサカサに絡 2853

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    DONE若安達晴信×若政子5

    晴信は20前半、政子は19とかそこら。
    ノマカプでえっちなシーン書きたいなと思って書き始めたもの、完結。
    散々激しく愛し合った翌朝の様子です。
    続き





     もはや目を閉じてじっとしている状況でも、昨夜…というより明け方までやりすぎてしまったことはわかっている。まるで自慰を覚えたての少年のように酷い有様だった。途中から政子は殆ど意識を失っていたように思う。あぁ、これはもう起きがけで一発二発と怒られる。否、怒られるべきだ。
     いや、まぁ、戦の後である。華々しい戦勝の後だ。褒美として不特定多数の美女を求めたのではなくただ一人の妻を愛でたいと思ったこの漢の本能をいっそ褒めてほしい…いやいやそれは虫が良すぎる。政子の知ったことではない。
     あぁ、叱られるのだろう。政子は夫に拳を振り下ろすようなおなごではないが…出会った初日に顎に一撃を食らったがそれは夫婦になる前であり野盗と勘違いされたからである…頰をぺちんと叩かれるくらいはあるかもしれない。まぁそこに物理的な痛みはないが。政子の張り手は普通のおなごよりは大層痛いだろうが、政子のことが大好きな晴信からすれば殆どご褒美でしかないのだった。
     しかし、政子はもしかしたら許してくれるかもしれない。目を開いたら寄り添うように気絶…いや眠っている政子を掻き抱いて、甘い言葉を幾つかぽつぽつ囁い 3573

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    PROGRESS若安達晴信×若政子

    晴信は20前半、政子は19とかそこら。
    ノマカプでちょっとえっちなシーン書きたいなと思って書きました。
    r18ほどではないです。
    途中までです。
     安達晴信は至極優しい男である。見た目は熊のように大きく初対面の童などは号泣必至だが、慣れれば大いに懐かれる。十代中頃においては平均以上におなごと夜を共にするくらいには、その優しさと安達の嫡子という身の上故引く手数多だったが、十代後半、おなご遊びはぴたりと止んだ。生涯愛し抜くおなごを見出したからである。そのおなごとは、無論。
    「政子…」
    「と、とのっ、待…」
    「ならぬ」
     弱い力で胸を押し返してくる政子を組み敷いて、晴信はベストポジションから可愛い嫁政子を見下ろした。否、巷では決して可愛いと評判のおなごではない。何せ男が癒しを求めるにしては、男勝りで気が強い。だが晴信にとっては、この政子の狂犬っぷりがとにかく可愛らしい。
    「わかっておるだろう」
     晴信は政子の寝巻きの襟に太い指を引っ掛けて低くぐるぐると唸った。
    「戦の後は昂るのだ」
     安達晴信は至極優しい男である。だが、戦を終えた後の晴信は実に猛々しい。雄としての本能が抑えきれず帰陣すれば、そこに愛しい女が待っているのである。まだハタチそこそこの性欲はそうそう宥められるものではない。夜を待っただけでも褒めてもらいたいくらいである。
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    PROGRESS続々・もしも境井家が代々志村家当主の夜伽をしていたらの話
    (支部に無印と続があります)
    若い志村×若い正

    前にツイートで流したんですが、ツイートだと遡りにくいのでここにおきます。
    進捗ここに載せつつ、完成したらまとめて支部にあげます。
    続々・もしも境井家が代々志村家当主の夜伽をしていたらの話





    青海湖が、冬の宵の黒くくすんだ夕日の残火に、水面を怪しく揺らめかせている時分である。

    「お招きに預かり、感謝致す」
    「こちらこそお立ち寄り頂きまして有難う存じます。冷え込んで参りましたでしょう」

    屋敷にて大黒柱たる父がそのように若者を歓待している様を、正はそうそう見ない。
    父はどちらかと言うと居丈高な侍で、腰が低いということもない。
    だが相手がのちの地頭を約束された志村家嫡子であれば、態度も違ってくるのだろう。
    正としては、父がそのように熱烈に歓迎して招き入れる、寒風で頰や鼻に赤みを滲ませている志村の若を目撃したとき、雷に打たれたようになった。志村が訪れるなど寝耳に水である。
    父の後ろで目を見開いてすっかり固まっていると。

    「志村殿、我が息子は…無論、ご存知でしたな」

    ご存知も何もである。
    父はわざと、含ませて尋ねたのだ。

    「…あぁ…」
     
    志村の切長の目が正を見た。
    途端、心の臓を矢でズバリと射抜かれたような衝撃が走り、正はバッと胸元に手をやった。
    数日前、居てもたってもいられず志村城前まで出向いて志村の姿 1964

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    PROGRESS花屋と女子高生3

    現パロ
    お花屋さん晴信(記憶あり)
    ×
    女子高生政子(記憶なし)

    続きです!
    折角政子に再会できたというのに、名乗るどころか店の場所さえ教えていない。
    もう一度会えるだろうかと例の駅前に出店したかったが、店を空け続けるわけにもいかない。
    昼下がり、晴信は店の前で仕入れたばかりの蜜柑の苗木に水をやりながら、溜息を吐いた。
    足元で柴犬のまさがきゅんきゅん鼻を鳴らすたびに遊んでやる為手にしたじょうろをぴゅっと振って水をかけようとしてやると、まさは喜んでくるくる回ってそれを避けたり、わざと浴びようとした。
    晴信はそれを心ここに在らずといった感じで行っているのだった。

    「……はぁ…」

    あの日、諦めていた日暮れ。
    通りかかった政子に夢中になって店のネームカードを薔薇の花束に添えわすれてしまったことは、人生最大の過ちである。
    政子からこちらを探してくれるわけがない。
    五百円で薔薇の花束を押し売りしてきた髭もじゃ花屋の三十路男など、何が嬉しくてあのように可愛らしく同級生からも人気のある女子高生が気にかけて探すというのだ。

    「……だがなぁ…」

    ここで諦めてどうする…と、晴信は唇をきゅっと結び、思った。
    約七百五十年ぶりの再会なのだ。
    恋焦がれていたのだ。
    奇跡的に同じ時代 2101

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    PROGRESSおじじん現パロ
    お誕生日なので伯父上が攻めフェしてくれる話続き。
    この後のシーンから連続イキでじんくんがぐずぐずになるので、その手前まで一旦上げます。
    志村と共に志村の家に泊まることを伝えると、両親は一ミリたりとも渋らずに送り出してくれた。
    パジャマのまま志村の高級外車の助手席に乗り込み、車で十分の志村の屋敷に向かう。
    移動中は誕生日の楽しかった出来事を純朴な高校生らしく大盛り上がりで話したが、その実、この後のことを頭蓋骨の裏でこっそり考えて、これもまた高校生らしく性的な興奮を覚えていた。
    志村に翻弄されて気持ちよくなりたい。
    一緒に気持ちよくなりたい。
    愛する人の熱で蕩けてしまいたい。
    悶々とする間に、車は自動の門扉を通り抜け、屋敷に直結する車庫へとバックで収まった。
    そのまま屋敷内に入る。
    いつもならばリビングで茶やコーヒーを…仁はミルクたっぷりのカフェオレだが…を飲むのだが、志村はそのまま廊下を闊歩し、階段に足をかけて赤い絨毯を踏み締め登ってゆく。
    あぁ寝室に直行だ…と、仁の心臓はどっくんどっくんと胸の骨を内側から激しく叩いた。
    事実、志村の寝室へ直行だった。

    「入りなさい」

    そう言われるまでもないことだったが、仁は志村に続いて志村の寝室へと入った。
    執務室は別にあるので、ここにはテレビとベッドとベッドの隣に引き出し付きのサ 1981

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    PROGRESSおじじん現パロ
    攻めフェの話の続き
    ここはまだr18ではないけどキリが良いところまで書けたのであげます。
    五月一日は仁の誕生日である。
    昼間は高校の友人達がカラオケでお祝いをしてくれたし、夕方帰ると父と母とメイドが夕食パーティーを開いてくれた。
    朝から夜までお祝い尽くしで有難いながら疲れが出て、仁は早めに布団に潜り込んだ。
    薄暗い部屋の中、ふかふかの掛け布団からひょいと顔を突き出して、天井を見る。
    まだ二十二時、時折近所の車が窓の外を通り、カーテンの隙間から入るか細い明かりがちらちらと白い天井で踊るのだった。
    こっくりこっくりして幸せを感じながら、だが仁は、物足りない気持ちでもあった。
    伯父で恋人の志村と過ごさない誕生日は、実を言うと物心ついてから初めてである。
    志村は自身が会長を務める貿易会社の外せぬ出張で、今夜シンガポールから戻る予定だった。
    仁は枕元のスマホを引き寄せ、タップした。
    暗闇にぽっと浮かぶ、志村とのツーショット。
    年度末から志村はずっと忙しくしているので、デートらしいデートをしたのは国宝の寺に夜桜を見に行ったのが最後である。
    その時撮った自撮りのツーショットで、自分は満面の笑み、志村は微笑を携えている。

    「…伯父さん…」

    指の腹で、志村の頬を撫でた。
    志村からはメッセ 2939