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    石川定信が弟子の長尾博基に睡姦される話6(最後

    博基はほぼオリキャラです

    石川定信が弟子の長尾博基に睡姦される話6(完成………



    自分でもわかる程、石川は大変な深い眠りの中にいた。
    元来眠りはかなり浅いので、これはかなり珍しいことだ。
    だがその眠りの終わりも近い。
    遠い場所の小鳥の囀る声が、段々近付いてくるのがわかるのだ。
    昨夜は良い夜を過ごしたような気がする。
    どこの女と、寝たのだったか。
    日吉の湯屋の近くの女は良い抱き心地だった。
    いや、時折日干しの魚の行商人に来るあの女かもしれない。
    若くして旦那と死別してしまい、閨でも随分激しい良い女だったが。
    …いや、昨日は女と会っただろうか。
    女…と…?

    「………ん…」

    鳥の声が間近だ。
    屋形の外の、梢の上からか。

    「……くぁ…」

    目を閉じたまま欠伸をして、だが倦怠感のせいで眠気がまだ引きずっているので二度寝に勤しまんとする。
    ぐずっと鼻を鳴らして、もう一度眠りに落ちー…。

    「……ふふ…」

    どこぞかの女が笑っている。

    「……お主の、夜伽が…心地よかったのだ…」

    むにゃむにゃと女が喜びそうなことを適当に言って、そのまま眠り続けようとする。
    女は〈それはようございました石川先生〉などと、それこそ今囀っている小鳥のように可愛らしい声で囁いて、我が胸に頰を寄せてくるだろう。
    その細い髪を指に絡めるように抱き寄せ、今少し、惰眠を貪りたい…。

    「先生にご満足頂けて博基は感無量です」

    ………
    ……


    「……博もッッッ!!!???」

    昨夜!
    女など!
    抱いていない!!
    なんと愚かしいことだ!
    抱かれたのはこの石川定信ではないか!

    「博基貴様!!」

    突然の覚醒に目をくぁっと見開くとまだ部屋の中は薄暗い。
    背中側の格子窓から縞模様の白い薄ぼんやりした灯りがだけが落ちており、正面に転がってこちらを見つめてにこにこしている一番弟子を見た。
    博基は歌うように滑らかな声で、言った。

    「おはようございます、先生。心地よかったでしょう、私の魔羅は」
    「戯言を!お主、師に対して如何なる狼藉を払うたか思い知ッーーーーーッッ!!」

    ぐらぁっと目の前が歪んで、石川は煎餅布団の上にそのまま横様に倒れた。
    凄まじい眩暈と腰の奥のずくんずくんと続く鈍痛のせいで、とても、起き上がれそうにない。
    眩暈は恐らく酒に盛られたなんらかの薬のせい、そして腰の鈍痛はー…考えるまでもない。
    石川はぐぬぬと歯を食いしばった。
    眩暈のせいで、腰の痛みと同じ種類のそれに、脳みその内側を拳で叩かれているようだ。
    思い出したくない。
    昨夜のあの乱れ様を。
    最奥を突き上げられるたびに漏れたあられもない喘ぎ声を…。

    「謝れ!直ぐに!手をついて謝れ!」

    横倒しのまま、石川ががーがーと吠えた。
    だがしかし博基といえば横になって、物憂げに、石川を見つめたままだ。

    「先生を抱いたことをでしょうか?」
    「それ以外何がある…!」

    博基はむん…と唇を結んだが、思案の時間はとても短い。

    「お断り申す」

    あまりにけろりと悪びれることなく言うので、石川は頓狂して目を丸くした。
    師とまぐわったというのに、なんだ、この様子は。
    しかも謝らぬと!?

    「何…!?」
    「薬を盛り過ぎてしまったこと、犯してしまったこと、それは申し訳のないこと。ですが先生を抱いたことは謝りませぬ」

    その言葉で確信を持った。
    〈此奴めやはり本来のそれよりも多く盛ったのだな…!?〉
    歯軋りをする。
    起き上がり、拳を堅く握り、その側頭部に叩きつけてやりたい。
    だが少しでも体を縦にすれば昨日の酒が酸っぱくなってしまったものを、胃酸と一緒に喉を焼いてでろでろ吐き出しそうである。
    石川は瞼を硬く閉じた。
    想像してしまっただけで、吐きそうだ。
    瞼は閉じても耳は閉じることなどできないので、博基のぞくっとするような愛憎の告白を瞼の裏の暗闇と向かい合った状態で受けることとなったのだが。

    「先生のことを愛おしいと思うこの気持ちに嘘は何一つとしてございませぬ。私は…貴方が弟子を叱責するたび、貴方の喉仏を矢尻でくり抜きたくなる。貴方が弟子の指にその指を重ね教えを授けるたび、その指を喰らいちぎってやりたくなる…。先生の全てが、私にだけ向いて欲しい。ですがそれを耐えて、先生を抱くことで妥協したのです。先生にはそれでよしとして頂かねば」

    いや、それは。
    それは。
    おかしくはないか?
    …そうは思うが兎にも角にも頭痛が凄まじい。
    頭蓋骨に罅が入りそうだ。
    もう考えるのが辛い。
    意識が朦朧として、瞼の裏の闇さえもがぐるぐる渦巻いている。
    …石川は思考を放棄した。

    「……あぁもう勝手にせい。儂は寝る」

    吐き気を伴う寝返りを無理に打ち、博基に背を向ける。

    「勝手に!?」

    博基の声が雪の中で跳ねる子うさぎの如く、可愛らしく子供じみている。
    昨夜師匠をずこばこ犯した男だとは到底思えぬ。

    「よろしいのですね!私の気持ちにお応えくださると!」

    いや、そのようなことは一切言っていない。
    言っていないが…否定が面倒だ。
    早く眠りたい。
    二度寝をしたい。

    「……あぁあぁ、もう勝手にせい。寝る」
    「!!…先生♡先生♡先生♡」

    博基が後ろから抱きついてきた。
    脇腹に腕が通り腹の前で指を組まれた時、一瞬、昨夜の余韻の甘い疼きが蘇った。
    が、昂る前に眠気がやってきた。
    不思議と振り払う気にはなれない。

    「………師に手を出すなど…愚か者め…」

    ぽつりと呟いたが最後、石川は眠りの闇に落ちていった。
    背中に密着する弟子の熱を、ぼんやりと感じ取りながら。






    end
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