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    葵 捺揆

    探囚のメモ的なものを放り投げてます

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    葵 捺揆

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    ててごVAL組。お昼寝。

    陽の光が降り注ぐ庭へと足を動かし、木陰でウィックのブラッシングをするビクターを見つけたルカはおぉい、と声をかけた。
    「ビクター、アンドルーを見なかったかい?」
     ルカの声に顔を上げたビクターは柔らかく笑って自分の後ろを指さして示す。
     ビクターに重なるように隠れてアンドルーは眠っていた。木の幹が太いこともあるが、足を抱え込んで小さく丸くなったアンドルーはルカがやってきた方向からは完全に隠れていた。
    「よくまぁ、こんなに小さくなって眠れるもんだね。……何かあったのかな?」
    『他の方と上手くお話ができなくて落ち込んでしまったみたいです』
    「そうかそうか」
     言ってビクターとアンドルーの間に腰を下ろしてアンドルーを引き寄せる。目を覚まさないのを確認してルカも幹に身体を預けた。ビクターの膝で大人しくしているウィックに手を伸ばして顎の下を優しく掻くと、もっとしろとウィックが強請ってきて二人してくすくすと笑ってしまった。
     耳を澄まさないと聞こえてこないほど静かな呼吸で眠るアンドルーに釣られてじわじわと眠気が込み上げる。眠気に逆らわずぼんやりとしていたらブラッシングの手を止めたビクターがルカを見ていた。
    「いい昼寝日和だな」
     こくん、と頷いたビクターはウィックを抱え直してごろりとルカの膝を枕にして横になる。
    「こら、動けなくなるじゃないか」
     アンドルーを起こさないように囁くがビクターはくすくすと笑うだけだ。
    「アンドルーが起きたら起こすからね」
     こくりと頷いたビクターがウィックを潰さないように胸に乗せて目を閉じ、程なくして寝息を立て始めた。ウィックもご主人さまが寝息を立て始めたのを聞いてぺたりと伏せて寝始めた。
    「あったかいなー」
     二人からの熱と春の陽気に誘われてルカも心地よい眠気に身を任せた。
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