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    秋月蓮華

    @akirenge

    物書きの何かを置きたいなと想う

    当初はR-18の練習を置いてくつもりだったが
    置いていたこともあるが今はログ置き場である
    置いてない奴があったら単に忘れているだけ

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    秋月蓮華

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    はわーどのなつやすみ。五日目と六日目です。
    六日目にいろいろありましてペースが落ちたのですが追いつけたらいいなと
    いつかめはなんきち、しませ、へみおじ
    むいかめは、ますじ、だざい、はるおさんがいます

    むいかめはごじをなおしました

    はわーどのなつやすみ 五日目と六日目ラヴクラフトが目を覚ますと、日付が変わったころでした。
    自室はポーが殆どカスタマイズしてくれています。ベッドの上で周囲には何匹もの猫達がいます。室温一定機能が部屋には入れられているのです。
    「雨」
    呟いたとき、地にふせさせるような轟音が聞こえました。
    「雷」
    ベッドの下に転がしておいた壺を手に取り、眼が冴えてしまったので散歩をすることにしました。歩く前に部屋に置いてあったカンテラを手に取り、
    明かりをつけます。猫達が怯えて鳴いていたので、ラヴクラフトは猫達を撫でて、安心させてから壺を抱えて外へ出ました。
    文豪宿舎。
    ラヴクラフトたち文豪が寝泊りをしている場所はそう呼ばれています。当初は徳田秋声と織田作之助だけでしたが今では文豪たちは八十三人です。
    適当に歩いていると部屋のドアが少しだけ開いている部屋がありました。明かりがついています。
    「うわっ! ……なんだ、貴様か。ラヴクラフト」
    「……ラヴクラフトさん、いるの?」
    「しまだ。南吉。います」
    「ここは俺の部屋だぞ!! 鳴神が暴れているので目を覚まし、外へ出ようとしたら子狐が怯えてやってきたので仕方なく一緒」
    部屋にいたのは島田清次郎と新美南吉でした。ラヴクラフトは部屋に入ります。
    再び雷鳴。
    今度は滝のような雨も追加です。雨がずっとずっと降っていましたが音が余計に強くなりました。
    「この宿舎はもつのだろうか……」
    「持つ。聞きました。戦争、平気、しても」
    「何処と戦争するの? 雨? 雷? 雷、怖いよ……」
    南吉はごんをぎゅっと抱きしめて島田のベッドの上で震えていました。その隣には島田がいます。
    本日三度目の雷が鳴りました。
    電気が消えます。
    「雷鳴によって電気が消えた!?」
    「いやー」
    島田が叫び南吉が島田にギュッとしがみついています。ラヴクラフトは持っているカンテラで部屋を照らしました。
    このカンテラは文豪宿舎にあるものでアルケミストパワーが入っているため、とっても明るいのです。
    「停電。戻る。待ちます」
    「ラヴクラフトさんは怖くないの」
    「怖い。怖く、ありません」
    ラヴクラフトも壺を抱えてベッドに座り込みます。南吉の隣に居ました。
    「……鳴神は俺の故郷では冬の方が多いのだ……」
    「ふゆ。寒い。嫌。なつ。暑い。いや」
    「極端すぎる気温だからな……」
    南吉は自分の部屋から持ってきたらしい羽根布団を被っていました。雨はずっと降り続けています。
    夏は暑すぎて、冬は寒すぎてラヴクラフトは嫌でした。過ごしづらいのです。
    三人は固まって過ごしていました。



    「新美。ここにいたのか。ラヴクラフトもか。他の童話組が新美を探し、ポー殿がラヴクラフトを探していたぞ」
    「へみおじ」
    「……へみはわかるがおじがどこからきた」
    「司書」
    「そうか」
    ラヴクラフトが目を覚ますと、朝になっていました。ベッドで三人で眠ってしまっていたようです。
    部屋にやってきたのはアーネスト・ヘミングウェイでした。へみおじとは彼等を転生させた特務司書の少女がヘミングウェイを
    そう呼んでいたのでそう呼んでみました。特務司書の少女ならば文句は言えないとなってしまっていました。
    「雷。夜。煩い。怯え。いました。部屋」
    「確かに凄い音だったからな。今は外は晴れているが」
    「晴れ」
    「雨が嘘のようだ」
    ラヴクラフトが島田と南吉に囲まれていて動けないようだったので、ヘミングウェイは部屋に入ると窓のカーテンを開けました。
    昨日も一昨日も雨だったのに今日は晴れです。
    「太陽がまぶしい……」
    「朝……?」
    「お前がこいつらについているとはな」
    珍しそうにヘミングウェイがラヴクラフトに言いますがラヴクラフトは何を言っているのだろうという風に彼に黒い目を向けました。
    「私。この中、上、一番。兄貴分。守る。大事」
    「そうなのか……年代か」
    「一番。上」
    ラヴクラフトは強調しました。
    何故ならばヘミングウェイは島田と同じ年に生まれています。千八百九十九年、南吉は千九百十三年、ラヴクラフトは千八百九十年、
    一番年上なのが、ラヴクラフトなのでした。



    ラヴクラフトはいつの間にか帝国図書館の中庭に居ました。
    いつの間にかです。
    毎度のことです。
    朝ごはんを食べようと想って外に出たらここにたどり着いていました。
    「きょーちくとう。あります、毒」
    中庭は広めであり、他の文豪たちが畑を作ったりもしていますが草木や花々の方が多いです。室生犀星が筆頭となって、
    庭を製作していたのでした。ラヴクラフトは自身よりも背の高い樹を見上げます。ピンク色の鮮やかな花が咲いていました。
    ここには白の花も咲いています。この木の名前を教えてくれたのは彼を転生させた特務司書の少女でした。
    「どうした。ラヴクラフト」
    「いぶせ」
    花を見上げているラヴクラフトですが声を掛けられました。釣り竿や釣り道具を持っている井伏鱒二にです。
    「ここ、いました。何故」
    「迷ったんだな」
    「思い出しました。商店街、近所。おばーさん、庭、手入れ、出来ない。ぼさぼさ」
    「庭の手入れってのは手間だからな」
    ラヴクラフトが迷うことについては慣れたものです。文豪たちは迷っているラヴクラフトを見つけると案内をしたり、
    主であるポーのところに連れて行ったりしました。
    前に特務司書の少女と商店街にお出かけした時におばあさんが困っていたので助けたら家に案内をされてその時にキョウチクトウを見たのです。
    「燃やす。無理、言う。言いました。草」
    「……それは危険だからな。気持ちは分かるが。それにキョウチクトウは毒がある」
    「毒」
    「燃やしたりすると毒の煙が出るんだ。夾竹桃はな」
    鱒二は目を細めて釣竿を置いてキョウチクトウに触れていました。その表情は寂し気なものでした。
    「寂しい?」
    「今日は八月六日だな……この花はヒロシマにも咲いていたんだ」
    「赤い。きゅうだん。おこのみやき。あります。聞いたこと」
    「そうだな……」
    ヒロシマという地名についてラヴクラフトは断片的な情報を知っていました。
    「咲いた。咲きました? キョウチクトウ」
    「花が咲かないと想っていた場所に咲いたんだ。丈夫だからな。復興のシンボルともされてきた」
    彼の話をラヴクラフトは聞いています。悲しいことが起きていたのだろうとは分かりました。青い空に白やピンク色の花が映えます。
    「井伏。とラヴクラフトか。珍しい取り合わせだな」
    「佐藤先生。迷っているラヴクラフトを見つけたので」
    「食堂に連れて行くか。食べてないだろう。何も」
    「はい。食べる。食べません。キョウチクトウ。危ない」
    二人で花を見上げていると佐藤春夫がやってきました。彼はいろんな文豪に慕われていますが、くろーしょーのようです。
    食堂に連れて行くと言ってくれました。食堂に行けば高確率でポーに会えますし、佐藤も分かっているのだろうとなります。
    「おっ、ラヴクラフトじゃねえか。ポーさんが探していたぞ」
    「太宰か。食堂に連れて行こうと想ってな」
    「春夫先生に井伏先生も!! 今日は檀の食堂当番で冬瓜のまる蒸しスープが出るんで」
    ラヴクラフトは迷っていましたが佐藤が連れて行ってくれるようです。鱒二も食堂に行っておくか、と言っておいてくれたので
    四人で食堂に行きます。鱒二はもう一度キョウチクトウを見上げました。
    「寂しい?」
    「今は違うな」
    聞いたラヴクラフトの問いを鱒二は笑顔で返します。
    「檀が食堂を取り仕切ってくれるのは助かる」
    「志賀、アイツによって文豪たちによってはカレーにトラウマが出来たんだ」
    「とーがん、すーぷ」
    寂しそうな鱒二が嬉しそうにしていたので、ラヴクラフトはそんな彼の顔をもう一度眺めてから、彼等についていきました。

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