しゅせのばーすでぃ文豪たちの誕生日を太陽暦で祝うと決めたのは彼等を転生させた特務司書の少女であった。
文豪によっては太陰暦生まれで換算するものもいるので太陽暦の指定は大事である。
「二月一日。僕の誕生日だ」
二月一日を迎えた徳田秋声は自室で暖かな棒ほうじ茶を飲んでいた。
一月が終わり二月が来たということは帝国図書館誕生日ラッシュ二月の陣が始まるのである。命名したのは誰だったか。
誕生日は祝ってくれるだろうとなったのでお茶を飲んでから寝ようとすると
「しゅうせい」
「誕生日を祝いに来たぞ!!」
「え? なんで?」
いきなり現れたのはハワード・フィリップス・ラヴクラフトであり、ドアを開けて入ってきたのはエドガー・アラン・ポーだった。
この主従が誕生日を祝いに来るとは意外過ぎたが、
「みな、祝います。誰、最初。もめた」
「意趣返しだ!! 司書からの万年筆だぞ。誕生日だ。パーティは昼からだぞ」
秋声の誕生日を皆が祝おうとしてくれているらしいが誰が最初に祝うかをもめたらしい。
ラヴクラフトとポーが来たのはポーの誕生日を秋声が最初に祝ったからだろう。あれはポーの誕生日を最初に祝うのは誰か
収拾がつかなかったので関係ないからと秋声が手を挙げたのだが。
「ありがとう。みんな、僕の誕生日を祝ってくれるんだね」
パーティは昼からであるらしい。秋声は楽しみにしておくことにしたが、
「ちゃんと寝るのだぞ。わくわくするのは分かるが」
「……言われた台詞を返されたね。もちろん、しっかりと寝るよ」
「おやすみなさい」
「うん。飲んだら寝るよ。おやすみ」