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    Jukiya_d

    ウリサンとかマキリオとかガブクラとかイチ桐とか腐った小説書いてる人

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    Jukiya_d

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    右桐Webオンリー2のエアスケブにてハルコさんよりリクエストいただきました!ありがとうございます!
    テーマは「うっかり見える所にキスマーク付けてしまったイチ桐」です!
    うっかりで付けてしまった翌朝のイチがあわあわするの、とても可愛くて私も大好きなシチュですw
    桐生さんはそういうのあんまり気にしなそうというか、妙に堂々としてそうだなと書いたお話になりますw

    #腐が如く
    #イチ桐
    #春桐
    #エアスケブ
    airskive

    【イチ桐】愛の証の一苦労 やってしまった。
     目が覚めた春日の心の中で、開口一番飛び出たのはそんな一言だった。
    「いや……えっ……だぁぁ……どう、すっかなぁ…………」
     隣でまだ眠るその人の体を見て、春日のひっそりとした呟きが小さく漏れる。すやすやと寝息を立てる穏やかな寝顔とは対照的に、その人、春日の恋人である桐生一馬の体には無数のキスマークが刻まれていた。
     押し倒した勢いで吸い付いた首筋だけではない。胸板や、今は毛布に隠れている腰や腿の内側まで。それはもう散々自分が残したのを思い出して春日は額を押さえるが、そこまでだったらまだ何の問題もなかった。
     だが――
    「これは……どうしようも、ねぇ……よなぁ……」
     いつもは服で隠れる部分にすると心がけていたものの、昨晩に限っては桐生に煽られたのもあり、興奮に任せてつい鎖骨付近にまで残してしまったのである。おかげで桐生の首回りは虫刺されの言い訳など通じるはずもない大惨事になっていた。昨晩はお楽しみでしたね、というのが丸わかりだ。
    「もぉぉ……なんで俺ってば我慢出来なかったんだよ……」
     などと泣き言を言ってももう遅い。女であればコンシーラーやらファンデーションやらの化粧の類いで無理矢理誤魔化そうと思えば出来るのかもしれないが、生憎春日はそういった物は持ち合わせていなかった。あったとしても姉さん達ではなく自分がやるのでは余計に目立ってしまうだけだろう。
    「ん……」
     そんな冷や汗ダラダラ状態の春日を前に、桐生の眉がぴくりと動いて、次いで瞼にぎゅっと皺が寄った後にそろそろと睫毛が持ち上がった。
    「なんだ。先に起きてたのか」
    「あ……おはようございます、桐生さん。よく眠れました?」
     のそ……と身動ぎした後に緩慢な動作で体を起こし。まだ眠たそうにゆっくりと何度か瞬きをした後、桐生はするりと毛布が腰まで落ちていくのに合わせて見えた自分の腹にくすりと笑った。
    「全身キスマークだらけになるほどお前に抱かれたからな。おかげでぐっすりだ」
     キスマークという単語は今の春日にとって地雷も地雷で。
     ガンッ! と昔のお笑い番組よろしくタライが頭に直撃したかのような音が脳内で響く中、春日はハハ……と乾いた笑いを浮かべる他なかった。
    「ん? どうかしたか」
     そんな春日の異変に気が付いたのか。桐生は顔を覗き込むように近づいてきて。すぐそこに迫った逞しい裸体を見れば昨夜のことが思い出され、危うく息子が暴走を始めてしまうのを頭を振って掻き消すと、春日は下着一枚の姿でベッドから下りてペタペタとテーブルの方へと向かい、そしてある物を手に戻って来た。
    「桐生さん、あの……昨日の俺、ついやりすぎちまったみてぇで……今こんな状態です……」
     春日の手にしていたものはスタンドタイプの小型の鏡で。それをくるりと回して桐生の方へと向ければ、中に映った自分の姿に桐生はほう……と一言だけ声を上げた。
    「こりゃまた随分派手にやったな」
    「ほんと、すんませんでした!! つい桐生さんの誘惑に負けちまって……って、そうですよ!」
     そこで春日の頭に昨夜の出来事が鮮明に再生され始めた。
     そもそも、いつもキスマークを付けるにしても服で隠れるところ二、三個に留めていた春日がこうも暴走してしまったのには理由がある。
    『春日……お前の証を、俺に付けちゃくれねぇか』
     そうだ。色気満点の表情で、囁かれた声。
    『一つや二つで済ませようなんて思うなよ? 好きなだけ、付けていいぜ』
     出来るよな? と頭と腰を抱き寄せられながら耳に届く甘い声。その声を聞いた途端、春日の中で何かが弾けたような気がした。
     それからは……言うまでもない。
    「桐生さんがあんなこと言うから……!」
    「ああ……そういや、なんか言ったような気もするな」
    「覚えてないんすか!? あんなめっちゃくちゃえろい誘い方しておいて!?」
     嘘だろ……と肩を落とす春日を前に、桐生はいつものようにくつくつと笑ってくるかと思いきや、春日の予想に反して黙り込んでしまったのにはどうしたのかとこちらの方から顔を覗き込むことになってしまった。
    「桐生さん?」
    「いや……悪かったな……」
    「えっ!? まじで、どうしたんですか!?」
     もう一度名前を呼んで顔を見ようとするが、桐生はふいに春日に背を向けてしまい。
    「……お前とすると、つい夢中になっちまってな……自分でも何を口走ったか、覚えてねぇことがあんだよ……」
     それくらいイイってことだ、と背中越しにぽつりと聞こえた声に春日の心臓が射貫かれないわけがなく。ぎゅっと両手で胸元を押さえ、そのままバタリと倒れ、救急車で運ばれていくアレのような心境になりながら春日はごくりと唾を飲み込むと、桐生の首に両腕を回してきゅっと抱きついた。
    「桐生さん、もしかして照れてます?」
    「そういうわけじゃねぇよ」
    「ほんとに? じゃあなんでそっぽ向いてるんすか」
    「何でもいいだろ」
    「ほらやっぱりー。はあーもう……そゆとこまじで好きっす」
     胸がきゅんきゅんと甘く締め付けられる中、春日はちゅっと首筋に口付ける。だが、その直後に視界に入った光景には改めて口の端がピクピクと痙攣し。
    「いやでも……やっぱやりすぎたなぁ……」
     と後悔の呟きが漏れ出るのに、桐生は今度こそくつくつと笑い出すのであった。

     そもそも何故こんなにも春日が焦っているのかといえば。
     今日は異人町にいるメンバーと久しぶりにサバイバーで飲むという約束をしていたからである。今もコミジュルで動いているソンヒやハン・ジュンギはもちろんのこと、店を経営している紗栄子や趙だって忙しい中スケジュールを調整してこの日を確保してもらっている。足立やナンバはまあ……とはいえ、このメンバー全員の予定を合わせるのは今になってはなかなか難しい。そんな中、今更キスマークが原因で自分達二人が欠席などと到底出来るわけがなかった。
    「桐生さん、今日だけシャツのボタン閉めてもらえません!?」
    「ああ? 何でだよ」
    「何でって、見りゃわかるでしょ!? アンタそのまま皆の前に出るつもりかよ……」
     首回りにいくつも残った赤紫の痕。皆が自分達の関係を知っているとはいえ、さすがにこれを晒すのは恥ずかしすぎる。
    「別に隠す必要もねぇじゃねぇか」
    「ありますよ! そんな……皆知ってるとはいえ、俺がめちゃくちゃ付けたってのがバレるわけですよ!?」
    「何か問題あるかよ」
    「大ありですって!!」
     とにかく、今日だけ我慢して下さい! と桐生の前に立ってシャツのボタンを閉めていくと、桐生は露骨に不快そうに眉を寄せた。
    「首が窮屈なのは嫌なんだがな……」
    「すんません、ほんっとすんません! このお詫びはいつかしますんで……」
     ピシャッと両手を合わせて頭を下げ。春日は第一ボタンまできっちり閉まった桐生のシャツ姿に盛大な違和感を覚えつつも、今日だけだ、今日だけだ……と繰り返しながら自分も白いシャツを羽織るのであった。

     ***

    『じぃーー……』
     サバイバーに到着するなり、皆の視線が桐生に集中しているのが丸わかりで。春日は目を泳がせながらもズンズンとカウンターの方へと向かって行った。
    「よう! 皆元気そうで安心したぜ! はは、ははは!!」
     明らかに様子のおかしい春日に紗栄子は呆れたように溜息を零し。まあいいから座りなさいよ、と敢えて深く追求せずに隣を促されたのに春日はコクコクと頷いて席についた。
    「桐生さんもお久しぶりです。あれから体調の方はどうですか?」
    「ああ。おかげさまでってとこだな」
     春日を挟むようにして会話が繰り広げられ、真ん中に座った男は気が気ではないといった表情で固まってしまい。そんな春日に気づいてかはわからなかったが、ピアノ席の方からナンバがグラスを持って寄って来ると、バシッと背中を叩いて笑いかけてきた。
    「なんだ一番。元気ねぇじゃねぇの」
     どしたー? とへらりと絡んで来たナンバは既に酒の香りが漂っており。
    「んなことねぇよ。ってかおめぇはもう出来上がってんのかよ! 相変わらず早ぇなぁ」
     春日の返しには当たり前だろ、とナンバは機嫌良さそうに肩を組んで。隣の桐生にもへらっと酔っ払いのノリで挨拶を交わすと、ナンバよりも出来上がっている足立がそこに加わった。
    「おう桐生! おめぇ久しぶりなんだからよ、景気づけに何か歌えや!」
    「ったく足立さんは相変わらずだなぁ」
     まだ酒も入ってねぇぞと桐生が苦笑したが、そこに趙とソンヒ、そしてハン・ジュンギまでもが加わって桐生を取り囲んで来た。
    「いいねぇ。俺も桐生さんの歌、聞きたいなー?」
    「合いの手でしたら私にお任せください!」
    「久しぶりに桐生さんの生歌が聴けるだと……ハン・ジュンギ、録音の準備だ」
     などと大盛り上がりを見せ始めたメンバーの中心で桐生は仕方ないな、と席を立つのに拍手が沸き起こり。ステージに向かって行ったのを目で追いながら、春日はこのメンバーにすっかり馴染んだ桐生の姿に人知れず笑みを溢れさせた。
    「おい春日。何してんだ。お前も来い」
     と一人ほっこりしてたのも束の間。ぽいと投げられたマイクを咄嗟にキャッチすると、春日は流れ始めたイントロに慌ててスツールを下りて桐生の隣に立った。
    「お前がいないとこの歌は始まらないからな」
     コーラスは任せたぜ、とマイクの外で言われるのに春日は頷いて。
    「へへっ。ですね! いくぜお前ら!」
    「聴いてくれ、JUDGMENT!」
     と相性バッチリに始まった二人のデュエットは、その後メンバーの熱い合いの手もあってライブ会場さながらとなったのであった。

    「ふうー! 久しぶりの桐生さんとのデュエット、やっぱ気持ちいいっすね!」
     すっかりここに来た頃の気持ちは消え失せ、歌い終わる頃には春日の心も晴れやかになり。ニッと白い歯を見せて笑えば、桐生もそうだなといつもの微笑みを見せた。二人きりでカラオケに行くことはなかったからこうして一緒に歌うのはあの頃ぶりだ。そして皆に合いの手を入れてもらいながらの歌唱というのは一人で歌う時の何倍も気持ちがいい。
     その爽快感がやみつきになっているのか、桐生は立て続けにもう一曲入れていたようで。
    「おお! いいぞ桐生ー! やれやれー!」
    「MachineGun Kissまで聴けるなんて……ハン・ジュンギ!」
    「抜かりはありませんよ!」
    「ふふっ。桐生さんノリノリだねぇ」
    「桐生さーん! 待ってましたー!」
    「桐生さんかっこいいー!」
     すっかり自分よりも盛り上がっているメンバーに笑いながら春日は席に戻るなり紗栄子からタンバリンを受け取って桐生の方へと目を向けた。
     一方の桐生はといえば、マイクを持ったままマスターが用意した酒を一口含むと、機嫌良さそうにステージへと戻って行き。そんなスマートな立ち振る舞いに惚れ惚れしながら、いいぞー! と春日もタンバリンをシャカシャカ振って盛り上げ隊の一員となった。
    「んっん……やっぱこのままだと声が出しにくいな……」
     だが、直後マイクから聞こえてきた声に春日の肩がびくりと震え上がる。そしてその後に続いた桐生の行動はまるでスローモーションの如くゆっくりゆっくりと春日の目に映り――
     気が付いた頃には、桐生はプチプチとシャツのボタンを外し、いつもの状態に戻って歌い出したのに春日はガシャンッとタンバリンを落としてしまった。
     紗栄子は目を丸くしてぽかんと口を開け、足立とナンバはニヤニヤと笑みを浮かべ、ハン・ジュンギはおや……とだけ呟き、ソンヒは振っていたサイリウムの動きを止め、そして趙は――
    「わぁお」
     と語尾にハートマークが付いていそうな声を上げた。
    「一億、二億、百億のキスを浴びせてやる Baby 」
     そんな中で聞こえてくる桐生の歌声と歌詞に、足立はがははと酔っ払いらしい笑い声を上げて。
    「キス浴びてんのはお前の方だろうがー!」
     と揶揄うのに、春日の『お願いだからやめてーーーー!!』という情けない叫び声がサバイバーの中に響き渡るのであった。
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    Replies from the creator

    Jukiya_d

    DONE右桐Webオンリー2のエアスケブにてぽてさんよりリクエストいただきました!ありがとうございます!
    テーマは「一番の事をチラッチラッと気にしながら、ヤキモチを妬く桐生さんのお話」です!
    書いててこれは絶対こういうお話を望んでいたのではないはず…とわかってはいたのですが、どうしても書きたくなってしまい書いてしまいました…
    ぬいはキノ◯スのアレのイメージですw
    【イチ桐】俺vs俺 ソレはある日突然やって来た。
     大きさで言えば手の平くらいの、握り潰そうと思えば簡単に出来てしまいそうな。それでいてしっかり一人で立ち、妙に目力があるようにも見えてくる――
    「はぁぁ……! なんて可愛さなんだ……!」
     春日が両手で大事そうにそっと抱え、天井に向かって掲げた物。
    「このキリッとした眉! ずっと撫でていたくなるような触り心地! そして何と言ってもモデルが桐生さん!!」
     最高だぁー! と春日が愛おしげに胸元にぎゅっと抱き寄せたソレの正体は、桐生をモデルにした小さなぬいぐるみだった。
     何でも推し活だかの一環でオリジナルのぬいぐるみを作ってくれるサービスがあるらしい。春日が一体どんなルートでそれに辿り着いたのかは謎だったが、本人の知らないうちに自分をモデルにしたぬいぐるみがいつの間にか作られていたのだから桐生が驚くのも無理はない。
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    Jukiya_d

    DONE右桐Webオンリー2のエアスケブにてハルコさんよりリクエストいただきました!ありがとうございます!
    テーマは「うっかり見える所にキスマーク付けてしまったイチ桐」です!
    うっかりで付けてしまった翌朝のイチがあわあわするの、とても可愛くて私も大好きなシチュですw
    桐生さんはそういうのあんまり気にしなそうというか、妙に堂々としてそうだなと書いたお話になりますw
    【イチ桐】愛の証の一苦労 やってしまった。
     目が覚めた春日の心の中で、開口一番飛び出たのはそんな一言だった。
    「いや……えっ……だぁぁ……どう、すっかなぁ…………」
     隣でまだ眠るその人の体を見て、春日のひっそりとした呟きが小さく漏れる。すやすやと寝息を立てる穏やかな寝顔とは対照的に、その人、春日の恋人である桐生一馬の体には無数のキスマークが刻まれていた。
     押し倒した勢いで吸い付いた首筋だけではない。胸板や、今は毛布に隠れている腰や腿の内側まで。それはもう散々自分が残したのを思い出して春日は額を押さえるが、そこまでだったらまだ何の問題もなかった。
     だが――
    「これは……どうしようも、ねぇ……よなぁ……」
     いつもは服で隠れる部分にすると心がけていたものの、昨晩に限っては桐生に煽られたのもあり、興奮に任せてつい鎖骨付近にまで残してしまったのである。おかげで桐生の首回りは虫刺されの言い訳など通じるはずもない大惨事になっていた。昨晩はお楽しみでしたね、というのが丸わかりだ。
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    Jukiya_d

    DONE右桐Webオンリー2のエアスケブにて飛鳥11さんよりリクエストいただきました!ありがとうございます!
    テーマは「梅雨に因んで 雨の日デート。浮かれ気分で桐生さんとのテーマパークデートをセッティングして、徹夜でイメトレまでしたのに当日土砂降り…」です!
    この時期は天候に左右されやすいのでデートも一苦労だろうな…と思いつつ、この2人ならどうするか考えて書いてみました。
    お楽しみいただけたら幸いです!
    【イチ桐】晴れの日も雨の日も 深夜三時。春日は本日何度目かとなるバッグの中身のチェックを行っていた。
     ハンカチ、ティッシュ、暑くなって汗をかいた時の為のタオル、熱中症予防の為の水、塩タブレット。モバイルバッテリーに財布、桐生が体調を崩さないようにと用意した晴雨兼用折りたたみ傘。そして――とスマホの画面に表示されたアプリをタップし、表示された明日の日付が書かれた電子チケット。
    「持ち物よし! 明日のアトラクションの順番確認よし! えーと……なんとかパスの取り方の予習よし!」
     ビッ、ビッと指さし確認をしながら春日はすっくとソファから立ち上がると、パシパシと両手で頬を挟むように叩いてから顔を上向かせて目を閉じた。
    「いよいよ……明日か」
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    Jukiya_d

    DONE右桐Webオンリー2のエアスケブにてぽてさんよりリクエストいただきました!ありがとうございます!
    テーマは「一番の事をチラッチラッと気にしながら、ヤキモチを妬く桐生さんのお話」です!
    書いててこれは絶対こういうお話を望んでいたのではないはず…とわかってはいたのですが、どうしても書きたくなってしまい書いてしまいました…
    ぬいはキノ◯スのアレのイメージですw
    【イチ桐】俺vs俺 ソレはある日突然やって来た。
     大きさで言えば手の平くらいの、握り潰そうと思えば簡単に出来てしまいそうな。それでいてしっかり一人で立ち、妙に目力があるようにも見えてくる――
    「はぁぁ……! なんて可愛さなんだ……!」
     春日が両手で大事そうにそっと抱え、天井に向かって掲げた物。
    「このキリッとした眉! ずっと撫でていたくなるような触り心地! そして何と言ってもモデルが桐生さん!!」
     最高だぁー! と春日が愛おしげに胸元にぎゅっと抱き寄せたソレの正体は、桐生をモデルにした小さなぬいぐるみだった。
     何でも推し活だかの一環でオリジナルのぬいぐるみを作ってくれるサービスがあるらしい。春日が一体どんなルートでそれに辿り着いたのかは謎だったが、本人の知らないうちに自分をモデルにしたぬいぐるみがいつの間にか作られていたのだから桐生が驚くのも無理はない。
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