一月は凪 年が明けてまだ間もない時刻、アジトにはいつもの四人が顔を揃えていました。
五右ェ門の打った蕎麦で年越しをすると聞きつけ、珍しく年越しの時間を共に過ごした不二子でしたが、美味い蕎麦で満たされ次元の揚げた天ぷらに舌鼓を打ちルパンとっておきの酒で程よく良い気分になり、後は寝るだけです。
「泊まっていけばいいじゃねぇの」
呂律の怪しいルパンが留めるのも聞かずに、不二子はあっという間に帰り支度を整えてしまいました。
「またね」
「またねって···つれねぇんだからなぁ。もう。だったらタクシー拾うところまで送らせてくれよな」
「ならば、拙者も行く」
五右ェ門からの珍しい申し出に、不二子はブーツに足を通しながら尋ねました。
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