彼女がオムライスにメイド喫茶ごっこと称して落書きした時の🥷達●土井半助
”いつもお勤めご苦労様です♡ご主人さま♡”
と彼女から出されたケチャップで描かれたオムライスに、〇〇とオムライスを三度見くらいする。
「! ……な、なんだこれは?!」
『メイド喫茶…ごっこ…的な…』
「な! …勿体なくて食べれません……!!」
『食べてください! ほら冷めないうちに!』
「えぇ…でも……」
『半助さんのために作ったんです! 食べてくれないと泣いちゃいます…!』
「ッ、食べる! 食べますから…!!」
最初は勿体ぶっていたものの彼女の押しに速攻で負けるので美味しいと言いながらあっという間に食べる。
「はぁ~いつも幸せだけど、いつにも増して幸せだ……」
『そんな大袈裟な』
「んーん、大袈裟じゃないよ、君にすごくすごく癒されてる。……いつもありがとう」
ぎゅうぎゅうにハグしてくる半助さん。
***
●天鬼
”お帰りなさいませ♡ご主人様♡”
と彼女から出されたケチャップで描かれたオムライスを凝視して固まること約三秒。
「……ただいま……?」
『ふふっ、天鬼さん、オムライスにもちゃんと挨拶するの可愛いですね』
「何を言っている、か、可愛くなど……! そう書いてあったからそのまま返しただけだ……!! こ、これは何だ」
『メイド喫茶ごっこです』
「めいどきっさ??」
『はい、メイドさんのご奉仕です! たまにはこんなのも面白いかなって』
「……むず痒い……」
『……こういうのはお嫌いでしたか……?』
「違う。う、嬉しい……が、慣れぬ……」
と言いつつも普段通り綺麗な所作で皿に描いたケチャップまでご馳走様と完食する。
『わ! 完食ありがとうございます!』
「……〇〇、お前はいつも可愛いことをしてくれるな」
此方へ来いと呼ばれるがままに行けば頭をよしよしと撫でてくる。
「めいどとやらはまだこの後も私に奉仕してくれるんだろう?」
***
●山田利吉
”ご主人様♡♡萌え萌えきゅん!”
と彼女から出されたケチャップで描かれたオムライスと〇〇をものすごい速さで交互に見る。
「な、何っ…な、これ……?!」
『そんなに動揺する事?』
「するでしょう!? 逆に冷静な方がおかしい!!」
『なんで逆ギレ?!』
「貴女、自分が今どれだけ可愛いことしてるのか分かりますか!? 何ですかコレは!?」
『いや、メイド喫茶ごっこだけど……』
「はァ?! それ、私にだけですよね!? 他所でやってませんよね?!」
『する訳ないでしょうっ』
「……ご、」
『な、何……』
「今日は私のこと……”ご主人様”って呼んで下さるって認識でいいんですよね」
『えぇ?!』
「えぇじゃないでしょう?!」
『ご、ご主人様……?』
「…………」
『アレ? だ、大丈夫?? ご主人様?! ねぇ、ご主人様ったら!』
自分からリクエストしておいて耳まで真っ赤にしてフリーズする利吉くん。(次の日からいつにも増してめちゃくちゃ仕事頑張った)
***
●立花仙蔵
”いつもカンペキなご主人様♡素敵です♡”
と彼女から出されたケチャップで描かれたオムライスに、咳払いをひとつ。
「……ど、どうしたんだ急に……」
『メイド喫茶ごっこだよ』
「……いや、ごっこだよ。ではなくてだな……」
『ごめん、たまには面白いかなって……仙蔵、こういうのあんまりだった……?』
「いや! そんな事は無い! ……た、確かに私は完璧だが……その、照れるな」
『ふふっ、やっぱり自分でも言うんだそれ』
「な、”素敵です!”ではないのかそこは!?」
『うん、素敵です! ご主人様♡大好き』
「ッ……惜しい気もするが、温かいうちにいただこう」
宣言通り綺麗に完食し、洗い物しなきゃと片付けをしようとする〇〇を背後から抱きしめて制止する。
「片付けは後にして……私に構え。大好きなご主人様である私の命であれば言う事を聞いてくれるだろう?」
***
●潮江文次郎
”いつもギンギーン♡なご主人様が大好き♡”
と彼女から出されたケチャップで描かれたオムライスに思考停止する。
『文次郎? おーい、文次郎』
「……な」
『え?』
「何っっっだぁ?! これはぁ!?」
『うわっ!? ビックリした!?』
「ビックリしたではないっ!! こっちの台詞だ!?」
『メイド喫茶ごっこだよ、ケチャップで文字描くの難しかったけど頑張ったよ!』
「う、嬉しいが?! そ、そうではないだろうが……!!」
『……文次郎~照れてるの? ふふふ……あ、まだコレ完成してないんだけど……』
「は、はぁ!?」
『美味しくなる魔法かけるの。私がお手本見せるから、一緒にやってよね』
「ま、待て……」
『美味しくな~れ♡萌え萌えキューン♡♡……はい、分かった? …………あれ? 起きてる? 文次郎? 文次郎?!』
完全にキャパオーバーして暫く硬直してしまったので、オムライスを温め直して食べてもらうことになる。
***
●中在家長次
”ご主人様♡いつもありがとう! もそもそ♡♡”
と彼女から出されたケチャップで描かれたオムライスを見てやや固まる。
「……〇〇、これは」
『メイド喫茶ごっこ! ……な、なーんて……!』
「もそ」
口元を手で覆いながらボソリと返す彼に、(あ、これは喜んでくれてるやつだ)と手に取るように分かる〇〇
『あ、あのね、このケチャップで描いてる”もそもそ”は、”すきすき♡♡”って、いう意味で……ぅわっ!?』
「あんまり可愛いと、困る……もそ……」
力が入り過ぎないように、しかし十分にぎゅうぎゅうとハグをされ、そこでも彼の優しさを感じてしまう。彼に見えない事をいいことに思わずにやにやと顔が綻ぶのが止まらない。
『ちょ、長次……!』
「嬉しい、ありがとう〇〇。私も大好きだ」
***
●七松小平太
”ご主人様♡大好き♡萌え萌えどんどん♡”
と彼女から出されたケチャップで描かれたオムライスを見て即座に開口。
「〇〇!! おまえは今日も可愛らしいことをしてくれるな!! どうしたのだ?」
『メイド喫茶ごっこでもしてみようかなって……』
「メイド喫茶? ……成程」
顎に手を当てて一瞬思考する様子を見せたが、どうやら知っているらしい。すぐ納得したようにニコリと満面の笑顔を見せた。
「〇〇の分は何も書いてないのか?」
『え? 私? あー…うん。そうだけど……?』
「私も〇〇のオムライスに描きたいぞ」
『小平太も描くの?!』
「ダメなのか?」
『いや、ダメじゃないし、嬉しいけど……』
「じゃあ問題ないだろう!」
言うやいなやすぐにケチャップを手に取り、こちらのオムライスに普段細かい事は気にしない割には慎重に何か描く様子が愛おしい。
「〇〇! できたぞ! 一緒に食べよう!」
彼から渡されたオムライスにでかでかと描かれた”だいすき”の四文字に表情が緩んだ。
***
●食満留三郎
”ご主人様♡好き♡私とも勝負だー♡♡”
と彼女から出されたケチャップで描かれたオムライスを見て固まる。
「これは……?!」
『メイド喫茶ごっこだよ』
「いや!! そ、それは何となく分かった……!! そうではなくて……!!」
顔を真っ赤にして言葉を紡ごうとする彼に淡々と解説をする。
『けっこう文字書くの難しいんだよ? 特に様とか勝負のところとか……』
「いやだから! そういう……!!」
『……もしかして留三郎照れてる?? ふふん、じゃあこの勝負私の勝ちだね』
「何……!?」
照れる姿が面白くて、調子に乗ってそう言った途端に彼は目の色を変えた。「……受けて立つ!」と言うやいなやあっという間にご馳走様と完食する。
『わ! 食べるの早!!』
「〇〇、さっきは勝った等と抜かしていたがまだ勝負は終わってないぞ」
『え、と、留三郎……サン……??』
照れる彼を面白がっていたはずが、ひょいと横抱きに抱えられて嫌な予感しかしない。
「勝った気でいたら大間違いだ。俺が勝つ!」
『待って……!』
「俺の方がお前の事を好きだという事を教えてやろう」
***
●善法寺伊作
”不運なご主人様のお世話、ずっとさせて下さい♡♡”
と彼女から出されたケチャップで描かれたオムライスを見てひと言。
「……て、照れるな…突然どうしたの」
『たまにはメイド喫茶ごっこでもしてみようかなって』
オムライスと彼女を交互に見ては綻ぶ口元を隠しきれずへにゃりと笑う彼にこちらもつられて照れてしまう。
「不運な所も受け入れてくれるのはすごく嬉しいけど、僕も〇〇のことずっと傍でお世話したいな」
『い、伊作……!』
「逃げないの」と優しく抱きとめられてそのまま共に座り直される。
『えぇと……これは……??』
「一緒に食べようよ、ほら、あーん」
スプーンですくったひと口分のオムライスを宛てがわれるので拒否はできず素直にぱくりと与えられる。
「ご主人様に面倒見てもらうメイドさんも悪くないでしょう?」