「実は僕、宇宙人なんだ」
ハルは貘を真っ直ぐ見つめて言った。
ハルが突拍子もないことを言い出すのはいつもの事だが、今日はどうも様子が違う。
「…………え?」
突然何を言っているんだろう? と、困惑する。
「あぁー、ごめんね。やっぱり驚くよね」
「そりゃそうだよ! 何言ってるの!?」
「うん、そうだよね。でも本当なんだよ」
ハルは真剣な眼差しでそう言う。
確かにハルの瞳は透き通っていて綺麗だけれど、それは単なる目の色であって、宇宙的神秘性を感じさせるものではないし、そもそも人外の存在だったらもっと別の何かがあるはずだ。
「う~ん。じゃあ、証拠を見せようかな」
ハルはポケットから手鏡を取り出した。
そしてそれを覗き込むように促してくる。言われるままに鏡に顔を近づけると、そこには普段通りの自分の顔があった。少しつり目気味の大きな黒い瞳。鼻筋の通った鼻。白い肌の上に桜色の唇。ハルほど目を引く青年は多くはないが、やはり貘の知るハルには違いない。
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