ルミナスクエアの待ち合わせ場所まで
もうすぐというところで
オフだというのに顔バレした悠真が
ファンに絡まれていた
ルーシーくらいの背丈のふわふわした服の女性
……やっぱりあのくらいの身長差だと
バランスがいいよな
俺みたいなバカでかいのじゃなくて――
このまま引き返してしまおうと思い始めたところで
ノックノックにメッセージが来た
『逃げんなよ』
『いるのはわかってる』
悠真の方向から殺気を感じる
さっきのファンは怯えて逃げたようだ
「……待たせたな」
「ほんッッッと待たされたよ ヘンなのに
付きまとわれるしさ」
「人気者は大変だな」
「……何帰ろうとしてんだよ あんた単純だから
すぐわかるの どうせ身長のことで勝手に
凹んでたんでしょ」
「ご明察だ」
悠真が抱きついてくる まだ人前なのに
「僕がいつデカいのが嫌だなんて言ったの
この高さでなきゃ顔におっぱい当たらないでしょ」
「……いつまで抱きついてるんだ」
「あと5分吸わせて 何勝手に諦めてんだよ
あんたにとって僕ってその程度の存在なの」
「俺と6課ならあんたは6課を選ぶだろ」
「こんなに好きなのに」
背伸びした悠真に唇を塞がれた
「意外とみんな他人の顔なんて気にしてないよ」
俺のサングラスを奪って装着すると
悠真は俺の手を引いて歩き出した
……そっちはホテル街なんだが?
「帰ろうとして悪かった」
「自分から謝れてえら〜い そうだ明日の新聞に
僕載ってるから絶対読んでね」
2人で出かける予定はホテルで逢引きに
キャンセルされた
翌日の新聞には星見雅を筆頭にした対ホロウ6課の
特集が載っていて 悠真のページには
『好きなタイプですか? よく聞かれるんですけど
僕より背が10cm高い人です』
「……誰がそこまでやれと言った」