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    riza

    エメあのだったりエメアゼだったりエメ光だったり箱推し3Lなんでもあり

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    riza

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    【エメ光♀】猫の日🐈いつものミコッテ♀ヒカセン
    いちゃついている
    時系列は多分5.0のどこかだと思うんだけどいちゃついている

    #エメ光
    emeLight

    「猫ってね、一日のうち四時間くらいしか、はっきり起きてられないんだって」
    「……なんだ藪から棒に。お前がそうだとでも?」
     先程まで武器の手入れを熱心に行っていた彼女の指先が、今は男のひとふさ白い髪を梳くように撫でている。どういう風の吹き回しかは知らないが、膝枕してあげよっかとの唐突な申し出に、エメトセルクは少し考え、甘えることにしていた。
     この娘は──当代の英雄は、気がつけば採集だの依頼だのでひとりうろつきまわっているので、人と親しく話しこそすれ、ひとりでいるのを好む質なのかと思ったこともあった。存外そうでもないらしいとわかったのは、こうして彼女が逗留する部屋に入り込むようになってからだ。
     エメトセルクが同じ空間に居座ることを意外なほど嫌がらず、触れ合うことを厭わなかった彼女と深い仲になってから、時折こうして、ただ気配と体温を分け合うような、ふわふわとした接触を求められる。今もまさにそうで、ラフな部屋着で寝台にぺたりと座った娘の剥き出しの膝の上に、エメトセルクの頭は丁重に抱えられていた。
     遠慮を感じさせない手つきで髪を撫でられ、心地よさにエメトセルクは目を細める。彼女もどこか満足げな猫のような目をしていて、つい先日まで男を知らず、言葉通りの“むすめ”であったにしては、堂に入った甘やかしようだった。
    「ミコッテは猫じゃないよ。それ、嫌がる人もいるから、わたし以外に言っちゃだめだぞ」
     くすくすと、含み笑いが耳をくすぐる。
    「知っている。ソルをやっていた頃に、統治下にもミコッテ族はいたからな……。で? なぜ猫の話になる」
     情報伝達が目的でなく、気を抜いて話すとき、彼女の話があちこち主旨を転がしがちなことには慣れてきていた。話を戻してやると、微かに首を傾げて、眉間を撫でてくる。まさしく猫相手にやるように。
    「う~んと……猫ってよく眠るよね。一日のうちに意識がはっきり起きてる時間って、あんまりなくて、だいたい四時間くらいなんだって聞いたんだ」
    「ああ。それで?」
    「うん。だから、猫が一緒に遊んでほしそうだったら、それはその起きてられる四時間をあなたと過ごしたいってことだから、遊んであげてね、って話でさ」
    「……ふむ?」
    「怒らないでね? なんでかきみのこと思い出しちゃった」
    「…………」
     撫でられてゆるんできていた眉間に、ぐっとしわが寄ったのを感じる。指の腹の感触で彼女も察したのか、エヘヘと誤魔化すように笑った。
    「怒らないでって言ったじゃん〜」
    「怒ってはいない。怒ってはいないが、そのように思われているなら、そう振る舞うこともやぶさかではないな、と思ってはいるぞ。英雄様が、遊んでくださるのならな?」
    「そのようにってなに……あ、うわっ、遊ぶって、猫はそういうふうには遊ばないだろっ、あ、あっ、お風呂、まだお風呂入ってないから、待っ、にゃ!」
     体勢をひっくり返したその拍子に、うっかりといった様子で漏れ出た猫のような鳴き声が耳に心地いい。その声を恥じらって伏せられた獣の耳と、艶めく黒い被毛が少し逆立った尻尾がエメトセルクの視覚を満足させる。
     さて今夜は、どのように遊んでもらおうか。
     窓の外でしとしとと雨が降る夜半、金色の瞳が、猫のように細められた。
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