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    やきのり

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    やきのり

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    ⚠️パロディ、年齢操作(22くらい?)

    🎈がなんかキャラ崩壊し始めてるかも。
    思ったより長くなってしまった。あと二回か三回くらい続きそうです。

    ドルパロ🎈🌟 その2「ちょっと類!!あんた正気!?あのアイドルのマネージャーやるって……」

    「やぁ寧々。うちまで来てくれたのかい?大丈夫、僕は至って正気だよ。」

    「その割には手元狂ってるけど」

    「え?」

    「ネジ回ってないわよ、それ」

    「…………」

    「お茶でものむ?淹れてくるけど」

    「…うん。」


    言われて気がついたが確かにしまっていない。どうやら自分が思っていたより動揺していたらしい。そう、僕は司くんマネージャーになった。


    司くんとバーで会った後すぐ司くんの事務所の人と連絡を取った。幸い彼を担当してくれている人とはすぐ時間が取れることになり、タクシーをよこしてくれた。。密室空間で司くんと二人きりで気が気じゃなかったけれど。


    「類…あ、名前で呼んでも構わないか?」

    「喜ん…じゃなかった、勿論大丈夫だよ。」

    「じゃあ類。本当に良かったのか?自分の演出家としての仕事があるだろう。なのにオレのマネージャーなんか…」

    「僕がやりたくてやるんだ。まぁ付きっきりというわけにはいかないかもだけど。それでも絶対君を輝かせてみせるよ。」

    「そんなこと、よく恥ずかしげもなくいえるな。」


    少し困ったように笑う司くん。ここでスマホを取り出して連写しなかった僕を誉めたい。始めてみたその顔は心のシャッターに焼き付けておいた。
    司くんの事務所は大手とは言えずとも綺麗な外装をしていた。そして想像より大きい。予算の話も出たことからもしかしたら小さいのかもとか、最悪移籍させることまで考えていたけれど、なにか別の事情があるのかも。
    中に入ると応接室に通された。お茶を出されたがのむきにはならず、辺りを見回してみる。鳳芸能プロダクションとかかれ、不死鳥をあしらったロゴ。なるほど、鳳グループといえば大きな会社だが芸能事務所をもっているとは知らなかった。などと考えていると、勢いよく扉が開く。


    「司くん考え直してくれた!?!?」

    「えむ、扉をそんな風にあけるんじゃ」

    「司くんお願い辞めないで!!確かにちょ~~~っと、お金は厳しいかもだけど、でもわたし司くんキラキラ-!ってして、みんながニコニコー!!ってなるとこもっとみたいの!!わたし、わたしももっと頑張るから!!だから」

    「あーー!!まてまて落ち着け、落ち着いて話をきけ!!類も驚いてるだろ!!」

    「ほえ?あ!!ごめんなさい気がつかなくて!!私は鳳えむっていいます!ここの経営のお手伝いをしていて、司くんのキラキラ~ってしてるとこみてドーン!って言ったんだけどでもお兄ちゃんたちがね、それじゃだめだっていうからどうしよー、ってなってるの。来てくれたのにいきなりこんな話でごめんなさい、でもでも!!司くんにはやめてほしくなくて!!」

    「わかったから落ち着け!!」

    「むぐー!!」


    突然入ってきた女の子は僕が手土産にと、コンビニで買ってきたドーナツを司くんが口にむりやり突っ込むことでようやく口を閉じた。
    話を聞くに彼女、えむくんが司くんをアイドルの道へと進ませた張本人らしい。つまりはアイドル司くんを生み出したる神である。司くんにあわせてくれてありがとう…。
    えむくんとの話は意外にもスムーズにすすんだ。マネージャーの話はすぐ承認され、給料も出して貰えることになった。また、僕の演出家の仕事もある関係で司くんに付きっきりになることはできない。そんなときはえむくんが変わりについてくれると約束してくれた。
    司くんをアイドル界のスターにするには、まずやらなければならないことが沢山ある。彼の身体能力や基礎体力は申し分ない。歌、ダンスもしっかりとしたものだ。所属する前までは独学で勉強していたという。なら彼に足りないものはなにか。それは場数だ。


    「幸い、彼には人を惹き付ける何かがある。その証拠に、一度ステージをみたお客さんはその後もう一度足を運んでくれているみたいだからね。」

    「へぇ、そんなこともわかるんだ。」

    「まぁ僕は毎回参加してるからね。この人はじめてだなぁとか、前もいたなくらいはわかるよ。」

    「……。」

    「ちょっと引くのやめてもらっていい?自然と覚えてしまうだけたから。まぁとりあえずそういうわけだから、できるだけいろんな所に出れるように手配してきた。のど自慢大会とか、お祭りとか。あとは先輩陣の前座とかね。」

    「なるほど、それはわかったけど、なんでそんなに動揺してたわけ?」

    「……間近の推しってやばいね……。」


    寧々からは呆れた視線を送られる。
    だってしょうがない、本当にやばいのだ。横に座れば横顔が、正面に立てばご尊顔が拝める。しかも目が合うし、「どうかしたか?」と首をかしげてくれるオプション付きだ。握手会みたいに引き剥がされることもない。その度に何でもないよと平然を取り繕うことでいっぱいいっぱい。ただでさえ僕の運命を変えてくれたアイドルだ。握手会で頭を真っ白にしたのに、あそこまでしっかりしゃべれた自分をほめたいと思う。


    「まぁよかったんじゃない?結果、司くんはやめずにすんだわけだし。演出家の仕事も続けられるわけだし。その、司くんがどれだけ頑張れるかしらなちけど。」

    「そこは心配していないよ。彼は努力家だし素直だ。自信家なところもあるけど…、でも努力を怠るような人ではないよ。」

    「ふーん。……ねぇ、今度はいつあるの?」

    「何がだい?」

    「その……司くんとやらの出番……。」

    「みにきてくれるのかい?」

    「べ、べつに……類が演出するなら興味あるし……時間があったらみてあげてもいいかなって思っただけ……」

    「本当に?ありがとう。じゃあまず向こう3ヶ月くらいの予定でいいかな?あ、これまでの映像なら僕のPCにあるからそれもみる!?」

    「そこまではいいかな……」


    ***


    あれから司くんは僕の言う通り、小さなステージにコツコツ出るようになった。その努力も相まって、お客さんの入りも良くなってきた。ファンも増えてきたということで、少し大きめのステージなんかにも出させてもらえることになった。それを聞いた司くんの嬉しそうな姿といったらこの上ない。

    僕の方はといえば、勿論司くんとの関係も彼の仕事も順調だった。そう、マネージャーの方は。演出家の方はそうも行かなかった。演出家としての評判はよくとも、もとより役者達との関係性は下手くそな僕だ、良くない噂が立つこともある。今回も兼業を始めたとあって、演出が疎かになるとか、やる気がないとか。嫌味はさんざん言われ慣れてきた。演出家としての仕事を疎かにするつもりはない。相手にするのも気にしないのも、出来ていたはずなのに今日はイライラが落ち着きそうもない。原因なんてわかっている。


    「司…?ふーん、知らねぇ名前だな。」

    「どうせすぐいなくなるよ。」

    「まぁ、演出は確かでもあれじゃあやっていけないだろ。」

    「それに俺達でもついていけないのに、三流アイドルにはもっと無理だ。」


    そんな話が聞こえてきた。正しくは聞こえるように話されたのだろうけど。僕について色々言われるのは慣れている。けど司くんまでバカにされるのは本意ではない。なにも知らない奴らにそんなことを言われて、落ち着かないのだ。

    僕の演出は奇抜かもしれない。役者を10m近くとばしたり、雷をおとしたり。僕はショーをみてくれるひとが笑顔になれる演出を用意する。安全性は確かめているし、怪我をしないように最新の注意は払っている。それでも信頼されなければ意味がないのだ。本当は一緒にやる彼らのことも笑顔に出来ることが理想だけれど、まだ僕には難しそうだ。

    そこまで考えて、僕は機械を弄っていた手を止めた。これは今度の司くんのステージで使う予定の機械だ。彼の登場と歌を盛り上げるために作ったものだ。具体的にはポップアップを改良したもの。だけど、司くんに拒否されたら?彼にも、ついていけないと言われたら?そんな日がきたら僕はいよいよ使い物にならなくなってしまうかもしれない。

    「……い」

    え、どうしよう。この機械みせるの、やめた方が言いかもしれない。だって拒否されたら僕は生きていけないし。

    「…おい…る……のか…?」

    ちょっと待て、僕。そんな司くんあまりにも解釈違いじゃない?そうだよ司くんなら受け入れ…いやでも彼意外と常識人だし…。


    「おい類!聞こえていないのか?」

    「あ……。司くん来てたの?」

    「来てたのって、ずっと呼んでいたんだが?……もしかして体調が悪いのか?」

    「気がつかなくてごめんね。ちょっと考え事していてね。」

    「そうか、なら良いんだが…。でも無理はするなよ!」


    体調悪いなら休んでいろよ!と、少し心配そうな顔をして覗き込んでくる。正直可愛い。一仕事終えて疲れているだろうに、むしろ休んで欲しいのは司くんの方だ。
    今日は次のステージに向けて演出やダンスの構成を決める日だ。無理に色々やらせる必要もない。それならこの機械も、今日は使わずにすこし考える事にしよう。そうは思っても既に持ってきてしまった物は、嫌でも彼の目にとまることだろう。


    「ところで類!その機械はなんだ?随分多きな物のようだが…。」

    「まぁ僕の趣味みたいなものでね。演出に使う道具を自分で調節しているんだ。これもその一環でね。」

    「ほう!それでこれはどういう機械なんだ?」

    「…そんなことより、今日は次のステージに向けての相談だろう?早速はじめよう。君も疲れてるだろうし。」

    「しかしここに持ってきていると言うことは、使う予定の物なんじゃないのか?」

    「いやまぁ…そのつもりだったんだけど…。」

    「じゃあ聞かせてくれ!お前が作ったものに興味がある!」


    僕は司くんの笑顔にすこぶる弱い。疑いもない真っ直ぐな笑顔を向けられてしまって、引くに引けなくなってしまった。仕方なく機械の説明をする。ポップアップを改良し、より高く飛ぶ事が出来ること。その分下にはクッション性の強いものを使用し、安全には考慮していること。
    一度、舞台で試した事がある。主役にも説明し、自分で実演までしてみせた。通常のポップアップの倍は高く飛ぶので、目立つしきっとやるほうも見るほうも楽しい。そう思って作ったものだったのだけれど。再三安全なことを証明したはずなのに、危険な真似は出来ないと言われた。それほどに、僕は信頼に足らなかったらしい。


    「なるほどな、確かにそれは目立つかもしれんが…危なくないか…?」

    「安全性は保証するよ、何度も自分で試している。…それでも」

    「ふむ、試してみるしかないな!」

    「は?」

    「一回使ってみようではないか!ほら、どうやって使うんだ?」

    「いやでも、」

    「類、言いかよく聞け。おればいずれアイドル界のスターになる男、天馬司だ!お前の演出に12000%で答えてやると約束しよう!それにな、

    俺は類を信じている。だから、大丈夫だ。」


    そのあと、無事10m近くとんだ彼は驚いた顔をした後に「すごいな!流石は類だ!」と楽しそうに笑ってくれた。

    信じている。
    それは縁遠い言葉のはずだったんだけど。

    胸が温かくなるのを感じた。本当に司くんはいつでも僕を元気にしてくれる。幸せで満たしてくれる。彼に出会ってから僕も少しずつ変わっていける気がしている。


    「……おい類!なんで泣いてるんだ??どこか痛むのか?」

    「…ほんとだ。」

    「いや気がついて無かったのか!?ほら、顔ふけ!」

    「司くん」

    「なんだ?」

    「…本当にありがとう。」

    「?なんだかわからんが、どういたしまして?まぁ俺に任せておけばステージも大成功間違いなしだ!」


    その後、ポップアップを使った司くんのステージは話題を呼び、大成功を納めた。

    そこから司くんは、どんどんと人気者になっていった。


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