ずっと、伝えたかった夕暮れの庭園は、あちこちに咲いた色んな花の甘い香りに包まれている。ついさっきここで見かけたって、メロルドが教えてくれた。
あ、いた!
「プ、プルース!」
「どうしたのハルリット、そんな深刻そうな顔して。」
「あの、さ……、えと、その……」
だめだ、今日こそって思ってたのに、この気持ちを何て伝えようか色々考えてきてたのに……。
「うん、どうしたの?ゆっくりで良いよ。待ってるから」
「……っ、うん、うん、ありがとう。」
胸に手を当て、大きくひとつ深呼吸。
身体の空気が入れ替わって、スッキリした感じがする。首を傾げながら、オレのことを真っ直ぐ見てくれるプルースの顔、今日ようやくまともに見たかもしれない。
そうだ、オレはプルースのこういう所が好きなんだ。オレのことを、ちゃんと見てくれてる。
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