ラブレター フロム…?バンジークスの書斎の卓上に、手紙の束が積みあがっている。
「すごい量だな。果たし状か?」
亜双義は軽口をたたきながら、こぼれ落ちた封筒を拾いあげた。
可愛らしい柄、ハート形の封。
他の手紙もどう見ても恨みや脅迫が綴られているとは思えない。
いわゆるラブレターのようだ。
「こんなに人気者だとは知らなかった」
「私も驚いているが…新聞にも載ってしまったからな」
クリスマスにチャリティーコンサートを開いた後、
寄付の礼と使い道の公表を兼ねた記事が写真付きで新聞に掲載された。
元死神の偽善という批判も覚悟したが、意外にも賞賛の声が多かった。
「全てに返事を書くのか?」
「さすがに無理だろう。まとめて、季節の挨拶のカードでも出そう。
1992