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    田中なむ子

    @namuko643

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    POIPOI 10

    田中なむ子

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    いおおせ供養 明日の12時までには完成させたい

    #poipiku

    負けられないマ◯オカート本橋依央利 10歳。


    「本橋ー、今日帰ったらメリオカートやろうぜ!」
    「え?ぼ、僕…?く、倉田くん僕のことを誘ってくれたの?」
    五限目の終了後、隣の席の倉田が依央利のことをゲームに誘った。本橋は、動揺のあまり、自身の黒いペンケースを教室のホコリまみれの床に、中身を全て落っことしてしまった。

    (え?!いいのかな!?僕、ゲームなんてやったことないけど…。で、でも、折角倉田くんが誘ってくれたんだし…!!
    それに、ゲーム…やってみたい…かも!)
    依央利は初めてのクラスメイトからの遊びの誘いに胸を高鳴らせていた。もしゲームで倉田のことを満足させてあげられたなら、喜んでくれるかもしれない。初心者が経験者に勝てるとは到底思っていないが、依央利は他人より器用な方だ。
    操作とコツさえ覚えてしまえば、きっと倉田にとっていい対戦相手になれるだろう。

    「うん!じゃあ宿題終わったら倉田くんの家にお邪魔するね!!あ、倉田くんの宿題も僕がやって………」
    「あー!!いい!そーいうの良いって!!それよりとっとと終わらせてなるはやで来いよな!」
    「うん!楽しみだなぁ!」
    依央利は帰宅後、ランドセルから乱雑にプリントを抜き取り、与えられた宿題をテキパキとこなし、倉田の家に向かった。

    (ゲーム…!!楽しみだなぁ!僕、倉田くんのこと楽しませてあげたいなぁ…!)
    期待に胸を膨らませながら、依央利はインターホンを押した。
    「倉田くん!遊びに来たよ!僕、初心者だから最初はあんまり楽しめないかもしれないけど、頑張って覚えて倉田くんといい勝負できるように努力するから!!」
    「気にすんなって!最初は皆下手くそなんだしさ!」

    ………30分後
    「お前とやってもつまんねぇ、もうゲームやめようぜ。」









    本橋依央利 23歳。

    「……ってことがあって、子供の言葉ってストレートだよねぇ。」
    「そ、それは酷いですね…」
    「そうだよ!!!いくら依央利くんのゲームの腕前が超がつくほどのド低下手くそだとしてもそんな言い方ッッッッ!!!!酷すぎる…!! 」
    「テラさん…何一つフォローになっていませんよ。」
    テラや理解がガヤを入れる中、ふみやと依央利は、メリオカートでcpu参戦していた。
    依央利はコントローラーをガチャガチャと動かしているが、その動きは余りにもデタラメで、cpuからもどんどんと先を越されてしまっている。
    依央利がモタモタとしている間に、ふみやはとっくの昔にゴールしてしまい、その後に続くかのようにcpuがどんどんとゴールしていき、依央利はゴールすらできずに最下位になってしまった。
    「いえ〜い、俺2位。」
    「いやアンタもcpuに負けてんのかい。」
    「cpuの設定『つよい』にしてるから仕方ないじゃん。こんなの勝てないよ。」
    「ていうかこれだけ人数いるのに何で1対1なんですか?確か…まだ家にはコントロールがありましたよね?折角なんだからもっと皆さんのセクシープレイを拝見したいです。」
    「僕明日も仕事だから見る専。」
    「僕はゲーム未経験者なので…」
    「私はゲームなどという不健全な行為はしない。」
    「猿川くんは勿論ボイコット。ていうか寝てる。」
    「大瀬くんは来てすらいません。」
    「ほら全員やる気ないじゃん」
    「全員やる気ないですね。」
    「結局やる気ない奴に何やらせても無駄なんだよね、だったら自分でやったほうが早いっていう…」
    「何かふみやくんだけ別の話ししてない?」
    ふみやは勝利できたことに満足したのか、大皿に盛られた茶菓子を多めに引っ摑むと、そそくさと部屋に戻ってしまった。

    「ふあぁ……」
    ふみやが出ていったのと同時に、理解の大きなあくびがリビング全体に響き渡った。
    「では私はもう就寝しますね。皆さん、私がいなくてもくれぐれも夜ふかしはしないように!」
    「おや理解さん、では天彦も……」
    「先生、来ないで下さい。」
    「𝓸𝓱…𝓢𝓮𝔁𝔂…」
    「ー!!!ふみやくん僕が食べようと思ってたチーズクラッカー全部取ってったんだけど!!ほんとムリ!!
    絶対に取り返してやる!!」
    「あ、テラさんそんなことしなくても僕が作………」
    依央利がテラに言い終える前に、テラはズカズカとふみやの自室に向かっていった。あの感じはきっと長時間揉めるのだろう。

    「………って、聞いてないよね〜…」
    依央利は呆れ笑いをしながら、そそくさと散らばったお菓子の袋を拾い上げる。
    「………ん?」

    かたん、と音がなったと思い依央利が音がした方向へ向かうと、そこには肩に毛布を掛けた大瀬がシンクにカップラーメンのスープを捨てていた。


    「………」
    「お〜お〜せ〜さぁ〜ん?????」
    「……………」
    「こんな時間にお夜食ですかぁ〜〜???あれれ???これはまた随分と身体の健康を害するゴミクソ添加物の入ったカップラーメンを食ってやがりましたねぇ〜〜〜????そんな縮れた麺を飽きるくらい食って、味覚爆発してるんですかねぇ???」
    「……………………」
    「ちょっと大瀬さん無視は駄目でしょ無視は!!!!せめて何か僕に罵倒でも返してみなさいよアナタ!!!
    さぁ!!!早く!!!僕に罵倒を!!!」
    「……………けぷ、」
    「あ、お腹いっぱいになったんだぁ!良かったね…!!
    …って『けぷ』じゃないよ!!!何僕以外のモノでお腹いっぱいにしてるの!!!この浮気者!!!!アバズレ!!!」
    「怖…………付き合ってないし…アバズレでもないし…」
    ヒステリックに捲し立てたと思ったら、依央利は大瀬のお腹に耳をそっと当てた。


    「あぁ〜こんなに膨らんで、お腹の子はさぞかし栄養過多なんでしょうねぇ?」
    「いおくんどうしたの」
    「お腹の子、いったい何ヶ月目なんですかぁ?」
    「5分前」
    「あーあ、こんなに大きくなっちゃったらもう産むしかないですねぇ???取り返しつかなくなっちゃいますねぇ?」
    「そのうち血肉となって跡形もなく消え失せるから心配しないでいいよ。」
    大瀬はお腹周りに腕を回してくる依央利を無視し、三角コーナーの中身をゴミ箱に捨てた。

    「ーーー!!!それ僕の仕事なのに!!!」
    「…いおくんゲームやってたの?」
    「聞いてないし!!!」
    「メリオカートだ……自分も小学生の時はよく友達の家でやってたよ。」
    「微笑ましいね。」
    「やらなくなったのは虐められるようになってから」
    「触れづらい!!!!」


    秋田県
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