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    雲 路

    BL、ML大好きな腐女子。二次創作中心に投稿しています。
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    雲 路

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    バルナールさんの悪戯にやり返すギランさんの話、的なやつ
    百合のつもりで書いた……けど何コレェ!!?
    キャラの呼び名とか何か色々と捏造してるしキャラの性格も把握しきれてませんゴメンナサイ!!!
    100えいゆー伝最高!!!!

    バルギラバル小話「ちぇ~、何でアタシ様がこんな雑用をしなきゃなんだ?まったく!」

    ギルドから資材の収集を任され、森に駆り出されたフェイは早々にこの仕事に飽きていた。
    拾った枯れ木の棒を振り回し、愚痴を吐きながら辺りを見回せば、彼女と共に派遣されたヒルディとシーラ、そしてギランは、時たまに報告やそれに応える為の相槌を交えつつも、それ以外は各自黙々と作業に励んでいる。

    昼過ぎの長閑な森の中。辺りに聞こえるのは、小気味よい鳥のさえずりや小動物の鳴き声、あとは時折風に揺られて擦れる枝や木の葉がたてる音だけ。

    つまんねーなー……。
    そう心の中で呟きながら、フェイはこの退屈な状況を打開する策がないか、頭をフル回転して考えていた。

    (あの3人をからかって遊ぶか……。)

    自分と違って真面目な3人の姿に、持ち前の悪戯心が刺激されたフェイはニヤリと頬を吊り上げる。
    そして付近に生えていた猫じゃらしのような植物の穂の部分だけをいくつか摘み取ると、まずは一番近くで作業をしているギランに狙いを定め、背後から忍び寄った。
    これは珍しい、こんな場所にも生息しているのか、と独りごちながら、しゃがみ込んで熱心に草花を観察するギランに「オメーもサボりかよ!」と大声でツッコミを入れたくなったのをグッと我慢して、フェイは彼のコートの襟を指で軽く摘んで引っ張り、うなじを晒してやると、そこには赤い痕がひとつ。

    (ん?何だこれ?虫刺されか?)

    それに対してほんの僅かに疑問を持ったものの、実行中の悪戯を止める訳にもいかないフェイは、「えっ?」と驚きの声を上げ振り返ろうとするギランの無防備な襟元目掛けて、手にしていた猫じゃらしらしき植物の穂の塊を勢いよく投げ込んだ。

    「ニシシシ!くらえーー!!」
    「うわっ、何!?」

    突然訪れた襟元への刺激にギランは大袈裟なくらい肩を揺らして、侵入してきた何かを取り除こうと必死に両手をうなじに宛てがう。

    「待っ……えっ!?一体何を……!?」
    「あはははは!!おもしれー!!」

    普段は穏やかで冷静なギランが慌てふためく姿に、フェイはゲラゲラと腹を抱えて笑いながら次なるターゲットの元へ向かおうと足を向けた。

    が……。

    その足は、背後から突然腕を掴まれた事で阻止されてしまう。

    「職務怠慢はいけませんね。」
    「そうよ、フェイちゃん。働かざる者食うべからず……お仕事をサボるなら夕飯抜きよ。」
    「あ〜〜……えへへ……?」

    振り返ると、そこにはフェイの腕を固く掴んだ真顔のヒルディと、隣にはにっこり笑顔のシーラがこちらを見下ろして立っていた。
    いかにも怒ってますと言わんばかりの2人の様子に、フェイはバツが悪そうに苦笑を浮かべる。

    「大丈夫?ギランさん。」

    悪戯娘の事はヒルディに任せ、シーラは心配そうに声をかけながらギラン元へと歩み寄った。
    いくつかの穂は取り除けたようだが、未だ違和感の残る襟元を手でパタパタと払いながらギランは気まずげに眉尻を下げ、シーラの方へと向き直る。

    「作業の手を止めさせてしまってすまないね。」
    「良いのよ。残り、取ってあげるから少し屈んでくれる?」
    「あ、ああ……ありがとう。頼むよ。」

    ギランがおずおずと姿勢を低くすると、シーラは残りの穂を取り除くために彼のうなじを覗き込んだ。

    「あら……?まあ……!」
    「な、何か……?」
    「いえ、ごめんなさい。なんでもないのよ。」

    うふふ、と口元に手をあてて微笑見ながら残りの穂を丁寧に取り除いていくシーラと、頭の中に大量の?マークを浮かべながら困惑したように首を傾げるギラン。
    2人のやり取りをヒルディの小脇に抱えられながら見ていたフェイは、そういえば……と、彼の襟元に穂の塊を投げ込む際に見た“赤い痕”を思い出す。
    そして再びニヤリと笑い、ギランに向かって大声で叫んでやった。

    「おっさーーん!!そんな場所に虫刺されなんてオメー相当寝相が悪いんだなーー!!ぎゃはははーーってもがっ!もががっ!!」
    「は……えっ……?」
    「少し、口を閉じましょうか。」

    うなじに再度手を当て困惑するギランを尻目に、フェイの口を塞いだヒルディは与えられた持ち場までスタスタと戻って行く。

    「何だよ、ヒルディ!何すんだよ!というか下ろせ!おーろーせー!!」
    「元気があって大変よろしい。そのエネルギーを与えられた職務に向ければ、著しい成果を得られるでしょう。」

    彼女達の賑やかな──と言っても張り上げた声を出しているのはフェイだけだが──やり取りを、ギランはどこか遠い目で見つめていた。

    虫刺され……?むしさされ……

    彼の頭の中で、フェイが発した言葉が繰り返される。
    昨日は窓を閉めて就寝した筈だ。それともどこかの隙間から侵入してきた? いや、待て待て。そもそも本拠街とその周辺にはそのような虫は生息していない。それにあのように小さな子供が気付くぐらいの跡があるなら、隣で寝ていた彼が……バルナールが、真っ先に気付く……はず……。

    「本当に元気ね、フェイちゃんは。」

    物思いに耽っていたギランの意識を、シーラの声が引き戻した。
    ギランは「あ、ああ……」と気の抜けた返事を返しながら、同時に先程彼女が示した意味深な反応を思い出す。

    『あら……?まあ……!』
    『いえ、ごめんなさい。なんでもないのよ。』
    『うふふ』


    「っっゴフッ!!!」


    点と点が線で繋がりその答えに思い至った瞬間、色々な感情がごちゃ混ぜになってしまったギランは盛大に咽せ込む。

    「あらあら、大丈夫?」
    「いや、うん、うん……平気だ……気にしないでくれ……。」

    「そう?」と首を傾げるシーラを直視する事が出来ず、ギランは視線を逸らし、口元を手のひらで覆ってなんとか平静を保とうと努めるが、赤くなっていく頬と耳は残念ながら隠しようがなかった。

    「何というかその、すまない。色々と……。」

    他人の色事が香るようなものを見せてしまって……とは続けられず、しどろもどろに詫びを述べるギランの様子に、シーラはクスリとひとつ笑みをこぼしただけだった。

    「そろそろ私達もサボりだ〜!って怒られそう。それじゃあ私も持ち場に戻るわ。あなたも頑張ってね!」

    そう言ってシーラはギランに手をヒラヒラと振り、更にはウインクまでをもひとつ送りながら歩きだす。
    ギランもぎこちない笑顔を浮かべながら、軽く手を挙げて彼女に応えた。

    (頑張ってとは、どちらの意味だろう……。)

    資材を集める事か、それとも…………。
    ……後者の割合の方が高い気がするな。

    自分の持ち場に向かっていくシーラの後ろ姿を見送りながら、彼女達とこれからどう接すれば良いのか、そして自分の知らぬ間に所有痕を刻んだ上、間接的にとはいえこんなややこしい状況を作り上げた恋人に、どう灸を据えればいいのか考えあぐねながら、ギランは大きくため息をつきうなだれたのだった。




    ◆おまけの後日談的なもの(会話文多め)

    「これで全て片付いたようだな。」
    「まっ、俺達にかかればこれぐらい朝飯前ってね。」
    「押忍!オレ達コゲン軍に敵なんていないっス!!」
    「いや、いつから俺達までコゲンの手下になったんだよ。」

    本拠街付近に突如大量発生したモンスターの討伐を任されていたバルナールとバレンタイン、そしてユーテッドと彼にすかさずツッコミを入れたウェーブは、モンスターの群れを全て倒し終えた事を確認して、武器をしまいながら一息をついた。

    「しかし、あのモンスター達はどこから湧いて出たんっスかね?」
    「それは別働隊が調査しているらしい。」
    「へっ?オレ達は囮って事……?」
    「あはは。ユーテッド君、さてはゴクトーさんの話を聞いてなかったな。」
    「皆を守る大事な役目だっ!!って部分は覚えてます!!そこにオレ、大興奮しちゃって!!」
    「おいおい、殆ど聞いてないじゃないか。」
    「まあ、こうやって無事に済んだんだ。細かい事は良いだろう。」
    「押忍!!オレもそう思うっス!!!」
    「お前が言っていいセリフか、それ〜。」
    「あっはっは!イイねユーテッド君!若者よポジティブであれ!なんつってね。」

    皆思い思いにモンスターの討伐が完了した事を労いつつ談笑していると、ふとバレンタインが「そうだ、そういえば……」と何かを思い出したかのように口を開いた。

    「俺、さっきすっごいモノを見てしまってさ。ねえ、バルナール殿。」

    バレンタインは、まるで面白いものでも見つけたかのようにニヤニヤとした笑みを浮かべながらバルナールを見やる。

    「何だ、急に。」

    訝しげな表情を浮かべる彼に、バレンタインは片手で自身のうなじ部分をポンポンと軽く叩き示しながら言葉を続けた。

    「こーこ。お熱い事で。」

    バレンタインの動作と言葉に、バルナールは自身も片手を首の後ろに手を這わせながら一瞬思案したが、彼の指し示すそれが何を指すのかすぐに感付いたバルナールは軽くため息を吐きながらも、満更でもなさそうにフッと笑った。

    「ああ、全くだ。」
    「ヒュー!」

    一連のやり取りを見て察したウェーブが口笛を吹く横で、状況がわからないユーテッドは首を傾げる。

    「えっ!?何スか!!?バルナールさん熱でもあるんスかっ!!!!」
    「熱ってお前……ふはっ!まぁある意味熱ではあるわな。」
    「あっはっは!それも超特大級のやつね。」
    「お前達……。」
    「ええええ!!!早くロアン先生の所に行きましょうバルナールさんっっ!!!!!!」
    「お前は少し落ち着け。そこの悪い大人2人組の言う事を信じるな。」

    好き勝手に囃し立てる2人と、勘違いしたまま腕を引こうとするユーテッドに挟まれるバルナールは、さて、この状況を引き起こしてくれた恋人にどう仕返しをしてやろうかと内心ほくそ笑みながら、本拠街へと戻るため歩みを進めるのだった。




    ~~~~~~~~~~~~

    「鎖骨から上には痕を残さないと約束しただろう!」
    「そうだったか?」スットボケ~
    というやり取りがおまけ前に発生しておまけへと続いた感じで……オナシャス
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