surprise 「晃牙くん晃牙くん!」
「…あ?」
大きな声に叩き起こされた。目を開けるが、薄暗い。ようやく夜明けになった頃だろうか。
「おはよ!朝早くからごめんね!お誕生日おめでとう!はい、行ってきます!今日は帰るからね、何か好きなもの買っておいて!一緒に食べよう!ケーキは俺が買うから!じゃあまたね!!」
「ぐ、苦し…!」
まだぼんやりした意識の中、力強く抱きしめられ、口づけをされ、捲し立てられて、一気に解放された。バタバタと慌ただしく玄関のドアが閉まる音がする。
「行ってらっしゃい…」
恋人のいなくなった空間に小さく返事をする。それから布団を整えて、目を閉じたが、むず痒くて一人で、ふふふ、と笑った。
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