Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    nnmnchudock

    @nnmnchudock
    私、中毒者の作成した作品(一次創作及び二次創作)に関して転載を禁じます。
    参照元としてTwitterやpixiv、カクヨム、ムーンライトノベルズ、小説を読もう、エブリスタ等リンクを表記しても転載は許可できません。
    二次創作物に関し朗読や動画での紹介もお断りさせていただきます。
    転載一文字につき一万円請求致します。

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 22

    nnmnchudock

    ☆quiet follow

    ナオヤクンが美人な女を侍らせながら幼少の頃からの婚約者を捨てる話……からのざまあにしたかったけどただのギャグ。テンションで押しきった駄文。
    ナオヤクンはお兄ちゃんたちから愛されてるなーって…

    本家の磨き抜かれた廊下で──親族が集まる広間の前でばったり出くわした。
    艶やかな赤い着物の女はするりと直哉の腕に手を添え、ぎゅ、としがみついた。
    がやがやと騒がしかった広間からパタリと声がやんだ。
    女の勝ち誇った顔。
    婚約者の嫌味な笑顔。
    ぴしりと固まる#name#。
    あちこちから三人へと視線が集まっていた。
    こういう時、どういう顔をすれば良いのか禪院直哉の婚約者である#name#は咄嗟に頭の中のそろばんを弾いて導き出した。

    「な、直哉さん、そちらの方は」
    口元をおさえ、信じられないとでも言うような顔をして見せれば、直哉は腕に絡みつく女に顔を寄せて言い放った。

    「この子?この子は将来の俺のお嫁さんやで」
    「そ、そんな……それではわたくしとの結婚の約束は……」
    「お前みたいなおもんない女、飽き飽きやねん」
    飽き飽きやねん。飽き飽きやねん、飽き飽きやねん────。
    その言葉は#name#の心の中でエコーを響かせながらすっと染み込んでいった。
    うっかり笑いそうになって慌てて俯いて顔を隠した。
    広間にいるもの達も「もしや」と固唾を飲んで見守っている。
    「つまり、婚約は無かったことに…?」
    「あー、そうやね」
    そうやね。そうやね、そうやね────。
    #name#の心の中でエコー以下省略。

    「#name#さん、ショックでしょうけれど、直哉さんと私は──「聞きましたかおじさま方!お兄さま方!」
    ぐりん、と#name#は勢いよく首を回し大広間の中で見守っていた親戚たちの方を向いた。

    「聞きましたか!婚約は無かったことになりました!」
    着物の袖がまくれ腕が顕になるのも気にせず、#name#は拳を高く振り上げた。
    「今年中に直哉さまからの婚約破棄達成です!」
    わっと歓声が上がる一方で、拳を畳に打ち付け悔しがる者、懐から財布を取り出す者、スマホを取りだし報告を始める者、そして禪院家当主の直毘人は頭を抱えていた。
    「はい今年中の婚約破棄のオッズは2.75倍です払い戻しは直哉さまのお兄さままで!私に苦情は無しでおねがいします!」
    「ア?」
    「え?」
    勝利宣言をしようとした女は口を開けたまま固まっていた。
    直哉に至っては口が半開きである。もしかしなくても賭け事の対象にされていたのかと悟るとビキビキと額に青筋が立った。
    「なんっっっ──「直哉ァアアア」
    「やだ、直毘人おじさまそんなに怒らないで……だから結婚ゴールインなんて賭けるだけ無駄だって何度も申し上げましたのに」
    直哉が怒鳴るまえに禪院直毘人の怒声に飲み込まれた。直毘人は直哉の着物の襟を掴むとそのまま綺麗に投げ飛ばした。
    幼少の頃からの許婚とそのまま結婚に賭けていた唯一のお人である。
    「勝った暁にはお前たちへの祝儀にしようと思ってたんだがなァ……」
    「うふふ、私貯金ありったけ今年中に掛けていたので直毘人おじさまから間接的にいただけますわね」
    「#name#……」
    もっと早く音を上げると思っていたのに、と扇は悔しそうにため息をついた。
    「あら扇おじさま。残念でしたわね、直哉様の女遊びに耐えかねて私からの婚約解消の申し出、はそこそこ集まったのですけれど……」

    そこまでヤワじゃございませんことよ、ほほほ。
    着物の袖で口元を隠し微笑めば、直哉の兄がどこからか持ってきた小ぶりの金庫を開け始めた。
    「あら、払い戻しが始まりますわ。直哉様、新しい婚約者さま、それではごめんあそばせ」

    呆然としている二人の後ろからそそそ、と女中が#name#のそばに寄ってきた。ぱちりと視線が合うとそのままハイタッチをキメた。どうやらその女中も賭けに勝ったらしい。

    「ささ、早く精算しましょ。直哉の様の気が変わらんうちに!」
    「真希ちゃんと真衣ちゃんにも結果知らせてあげないとね」
    「ちょ、お、待て#name#」
    「直哉様のお兄さまー!わたくしの払い戻し分は口座の方におねがいしますー!」
    「待て言うとるやろ!」
    きゃんきゃんと直哉が吠えていたが#name#は聞かなかったことにした。面倒なことは後回しである。願わくば一生向き合いたくない。
    「#name#さんいくらかけたんですか」
    「二級術師の年収くらい」
    「えっすごい!ウハウハやないですか」
    「シ!だめよ、直毘人おじさまに聞こえちゃう。おじさま昨日追加で五百賭けたらしいのよ。酔った勢いで。」
    「聞こえとるが」
    「酒は飲んでも呑まれるなを己が身をもって示してくださるご当主ってカッコイーですよねー」
    「ねー」
    「婚約破棄は冗談や!!」

    直哉の叫びに広間の人間たちはピタリと動きを止めた。

    「直哉、よく言った。さあそのまま結婚式の打ち合わせをするぞ!プランナーを呼べ!」
    「ちょっと直毘人おじさまは黙っててくださいまし!
    直哉様、次代の当主となられる方がそのようにほいほいとご自分の意思意見決定を覆すのはよくありません!男なら貫き通すべき大事なものがあるでしょう!
    そこの女性と末永くお幸せに!直哉様のお兄さま!早く振り込んでくださいオンラインから行けますでしょう!?」
    「#name#、冗談だという直哉の申し出を拒否することはすなわち──」
    「扇おじさま?違いますからね?
    これは直哉様の将来を心配しただけであって、わたくしからの婚約解消の申し出ではありませんから!」

    「これはワンチャン直哉様の母君の『好きな子にヤキモチ妬いて欲しいから他の女に手を出したものの#name#に愛想をつかされ破談』が有り得るのでは」
    「誰ですか今恐ろしいこと言ったのは!」
    「直哉ァ、#name#ちゃんに謝るんなら今のうちやでー」
    「直哉様のお兄さま!なにそそのかしてるんですか!」
    「ほらほら直哉、ちゃんとごめんなさいしぃ」

    直哉の兄のひとりが直哉の肩をぽんと叩いた。

    「お前がごめんなさいできると俺には一千万入る。半分やるからはよあやまり。な?」

    「ほっっっっといてェな」
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💴💴💴💴💴💴💴💴💴💴💴💴💴💴💴💴💴💴💴💴💴
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works