セカイが、曇天に包まれていた。
彼等が知っている賑やかで夢の果ての様な遊園地は全て明かりを落とし、中心のテントだけが辛うじて淡く揺らいでいる。
「あそこかな…」
恐る恐る寧々が指して、何時もと雰囲気の違うステージに三人が体を向けた。
「…明かり、全然点いてないね」
「もし怖かったら、ここで待ってても良いんだよ。寧々、えむくん」
肩を優しく叩いて、なるべく安心させる様に囁く。
だが、えむも寧々もセカイの真ん中から目を逸らさず、首を横に振った。
「司と、話ちゃんとしたいから」
「あたし、会いたい。どんな形になっても、司くんの姿が見たいよ」
あぁ、皆同じなんだな。
急に居なくなってしまった座長を心配しているのは仲間三人だけではない。
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