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    forunoa

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    ※夏五未満、腐向け※

    200504ある方の漫画で
    夏「君は私を愛していたんじゃなくて、私と過ごした青春を愛しているんだろ。」
    っていうのにくそ刺さってしまって抜けない…。
    そこに対してそうかもしれないと感じつつもそうじゃないと咄嗟に言えなくてまた背中を見つめる五が勝手に出てきて死んだwww

    妄想だから気にしないでよ!n番煎じ的な出会いの捏造とか書き殴り
    捏造なので薄い目で見てね

    『200504』

     ここに生まれてから、物心付いてから、大体の人間が俺を見るとへこへこ機嫌伺ってくるだけで本当に思ってることなんかこれっぽっちも出さない。本当に反吐が出る気持ち悪い。本当はそんなことなんか思っていねえくせに。これじゃあ、どっちが呪いだか分からないじゃないか。うっかりやってしまいそうだし、実際やってしまったって咎める大人なんかいないんじゃないかとさえ思ってしまう。退屈だ。
     自分を理解してくれる人間なんてものは居ない。誰もが自分のために動いているのだし俺だってきっとそうだし、そんな中で他人に自分を理解してほしいだなんてふざけてるだろ。支え合う友だって、愛し合う恋人だって、同じようなものだと思ってたよ。結局は、自分のための相手に過ぎない。そんなものに心を割く必要性を感じない。そうやっているのが一番楽だと思ったから。
     そんな適当なことを考えながら、教室の窓に腰掛けて、体は半分窓からはみ出ていて、下を見れば桜が舞っている。今日から寮生活で少しはそういうのから離れられそうだとか、ダルそうな授業をどうさぼろうかとかが、頭の中を巡っていて、舞っては地に落ちる、桜の花びらを見下ろした。
    「なあ、君さ。」
     俺に言ってるのとかそういうのとかは分かるけど面倒なので無視することにする。だっていかにも怪しそうな変な前髪しやがって、一体どれ程の強靭なメンタルをお持ちなのか。涼しい顔してそんな髪型でいられるのかまじで疑問しかない。おえー。
     そんなこんなで返事しないでいたら勝手に喋り始めた。
    「私は夏油傑。この春から入学したんだが、ここに居るということは君は同い年だろう?」
    「はあ……まあ……。」
     私って何だよ、たかが高校生になったからって頭沸いてんのか?急に大人ぶってんじゃねえっての、絶対昨日まで僕とか俺とか言ってたんだろ笑える。同級生とか居ても居なくても同じだろ面倒だから挨拶とかしなくていいと思うんだけど。
    「こちらが名乗っているんだから名前くらい教えてくれたっていいじゃないか。これから4年間同じ学び舎で過ごすことになるというのに。」
    「……五条悟。」
     はい、これで終わりだ。俺の名前はこの世界に身を置く奴なら大体は知ってるし、名前を聞くとへつらうか、ご機嫌取りか関わらないかどれかの態度をとることが多い。
     こいつはどれかな、胡散臭そうな顔してるし、偽善者っぽいし、腹の内では真っ黒いこと考えてそうな人間だな。弱いものを守るのは強きもののさだめ……とか言いそうウケる。
    「五条くん、五条くんね。これからよろしくね。」
    「……え、キモ、苗字で呼ばないでよ。」
    「キモ……って、ええ……やっぱりお坊ちゃまなの……。」
    「あ?何か言ったか?」
     最後の方は小さく喋ってて聞こえなかった。夏油?のひきつった顔が尚更笑えてくる。ていうか、苗字で呼ぶとか最悪すぎだろ。初対面なんだからもう少しあるだろ、ちょっと考えてから喋ってほしいもんだわ。
    「そうだねえ、じゃあ悟。私のことも傑でいいよ。」
    「はあ?命令すんなよ。俺が誰だか知らない訳じゃないだろーが。だったら、」
    「……だから何?五条悟だろ、御三家の。何だったっけ、六眼だっけ。」
     何だこいつ。ニコニコ笑って全然笑ってねえの、何なの、ムカつくんだけど。半殺しにでもしてやろうか。ていうか知っててこんな態度取る奴初めてだな、余計腹立つ。
    「君が五条悟だからどうとか、別に私にはないけどさ、なんていうか友達とか居なそうだね。」
    「そんなもん必要ないだろ。あれかな、一人じゃ寂しくて死んじゃうタイプなのかな、傑クンは。」
     やっぱりぼこぼこにして泣かせてやろうと思って体に力を入れる。が、自分が窓の縁に座っていたことを忘れていたようで、ガクンと体が外へと落ちる。視界には青く青く澄んだ、空が広がっていた。これくらいで死んだりしないけど、カッコ悪くて俺の方がちょっと泣きそう。
    「あっぶな!」
    「……いってえ!?」
     下には落ちなかった代わりに教室の床に放りだされた。夏油に腕を掴まれて、落ちる寸前のところで引っ張られたのだと知る。
    「何なんだよ、あれくらいで死なねえっつうの、アホか。」
    「助けたつもりはないよ、ただの条件反射さ。」
    「うるせえ、俺は空が見たかったんだよ。」
    「それは嘘だね、さっきまで下ばかり見ていたじゃないか。」
    「だったら何だよ、やんのか。」
     床にぶつけた顎が少し痛い。夏油と話していると何故かこいつのペースに持っていかれてしまう、調子が狂う。今まで出会ってきた人間とは少し違うような気がするが、腹が立つのは同じだった。疲れる。
    「はーあ、悟と話していると疲れるな。」
     それはこっちの台詞だと返しながら教室を出ようとするところを呼び止められる。
    「ところで、入学式ってどこでやってるか分かるかい?」
    「……は?アホくさ。」
     はにかんだような、照れたような、よく分からない顔をして夏油は青空を背にして笑った。窓から入ってきた桜の花びらが頭に付いていて、最高にダサかった。

    ―――――……。

    「あ、居た居た、悟。」
    「おー。」
    「というか、またそうやって窓の縁に座るのやめなよ。」
    「うるせー、オカンか。」
     再び桜が舞う頃、悟はあの日と同じ場所に座っていた。少し胸の冷たくなる怖さを感じた。「おえー」と舌を出して私を煽ってくる顔がムカつく。
     あの日は前日に柄にもなく緊張してしまって、寝付けなくて気付くと目覚まし時計をセットした時間を大幅に過ぎていた。急いで支度して、高専に向かって、入学式に出ようとしたが場所が分からず、校舎の方へ行ってしまった。校舎の外側から見上げると一つ窓が開いていて、白髪の男が体を半分外へ出して窓の縁に座って、桜満開の校庭を見下ろしていた。気付くと体が弾かれたように走っていた。その教室へと。だって、あれでは、まるで。
     教室へ入ると、同じ制服を着た男がこちらを振り返りもせずにそこに居た。彼は五条悟だった。噂通りお坊ちゃまのようで話しているととても疲れた。世の中全員敵です、みたいな言動が頭にくる。それに加えて、ほんの少しの可哀想だな感。今まで人間らしい生活とか送っていないんじゃないか、お偉い人たちに囲われて、気の合う友もおらず、ずっと一人で。本当に自分以外敵ですって思っていそうだった。
    「てか傑さ、何であの時ここに来た訳?教室で入学式やってる訳ねーじゃん、ウケる。」
    「んー?そうだね?」
    「質問してんの俺だから。」
    「まあまあ。思い出したら言うよ。」
    「あっそ。別に興味ないけどさ。」
     窓からこちらへ戻ってきた悟の頭に、窓から入ってきたのだろうか、桜の花びらが一枚付いていた。
    「フハハ、悟、付いてたよ。」
    「……、ブハッ!」
     花びらを取って彼の前に差し出してやると、空色の瞳を大きく開いてしばらく見つめた後に突然吹き出した。最悪だ、唾飛んできたんですけど。半殺しにしてやろうか。というのは冗談だが、こういうところは相変わらずでムカつく。
    「悟……汚いんだけど。」
    「いやー悪い悪い。俺もあの時の事思い出して、したら耐えられなくて。」
    「ああ、そう。」
     ひーひーしながら笑う悟が私の背中を無遠慮に叩く。お返しだと悟の尻の辺りに蹴りを入れると「あだっ」と言ってまた、笑いが止まらなくなった彼に溜め息をつく。
     廊下を二人で歩きながら、初めて出来る後輩についての話だとか、今日は悟に付き合わせられて三人でスイーツ食べ放題に行くだとか、どうでもいいことを話しながら今年の入学式へ向かった。
    「そういえば悟、入学式終わったら話したい事があるんだけど。」
    「おっ?告白か?イヤーン傑クンってば大胆♡」
    「……そうだったらどうするの?」
    「え、いや、キモ……。」
    「いやいや、冗談に本気で引くなよ傷つくでしょ。」
    「ははは、乙女かよ。」

    (だって、あれでは、まるで、そのまま落ちてしまいそうだったから。)



    ~~~~~
    終わっとけ!!映画3回目見てきた余熱で書き殴ってしまった。
    ↓余談↓
    五「てか、入学式明日だけど、傑クンって本当に馬鹿なの?」
    夏「え……。」

    入学式があるのかは知りませんが(なさそう)、あの日、入学式は明日でした。ていう落ち。意味分からん。
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