NARUTOの小説■囚われたる人
扉間がうちはに捕まっちゃたのをイズナの目線でつらつらと
甲冑についた血を落としたいと、父は私と兄とを置いて、水音のするほうにふらりと消えていった。戦後の父はいつも酷く興奮しており、下手に付いていかないほうがお互いのためだと学んでいた兄は、「さっさと帰らせろよ…」と一人ごちながらも、座りやすい木の根を弟の私に譲ってくれた。私は戦後、こうやって兄と2人で、父を待ちぼうけている時間がとても好きだった。体はクタクタに疲れ果て、お互いしゃべる気力も残っていなかったが、兄の肩に頭を寄せてじっとしていると、触れている部分からじわじわ融けてゆき、兄と自分との境目がなくなるような、不思議な気分に浸れるのだった。
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