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    kusattemoshufu

    @kusattemoshufu

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    kusattemoshufu

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    途中までの浦島太郎パロのキャラ崩壊ギャグ小説です。
    カプはありません。

    浦島太郎?誰それ俺、五条悟だけど「で?お礼は?なんか出せよ」

    ジワジワと照りつける太陽の下
    波打ち際で端正な顔立ちをした白髪碧眼の大男にネクタイを掴まれた海亀の伊地知は顔面蒼白になっておりました。

    「(なぜこんなことに!!)」

    ーーーーー



    遡ること1時間前

    「ほら出せよ、刺されてぇのかてめぇ」

    甲羅にツンツンとナイフを突き立てられ「あっ、ちょっやめて、刺さないで!」と懇願しているのは竜宮城勤務の海亀・伊地知潔高(27)

    「オラ、ちょっと飛んでみろよ」

    乙姫様のお使いで麓の町まで蕎麦を買いに来た帰り道、海まであと3メートルと言うところで
    絵に描いたような半グレのモブに捕まり、カツアゲにあっておりました。

    ヒンヒン、泣きながらぴょんッと跳ぶと蕎麦とお釣りが落ちてしまいました。

    「小銭じゃねーよ財布ごと出せ」

    バキバキと蕎麦を踏みつけられ、ナイフの腹を頬にペチペチと当てられ伊地知は心の中で助けて!と叫びました。


    すると後ろから「おまたせ〜待った〜?」と声がして振り返ると、伊地知やモブよりも頭1つ分大きなグラサンの男が立っていました。

    「いや〜よく言われるんだよね〜、注意する程じゃない7、8分程度の遅刻はやめろって」
    ペラペラと喋りながらモブにずっしりと体重をかけます。

    「誰だお前!」
    その問いかけにグラサンをずらしながら答えました。
    「五条悟」
    「「!?!?!?!?」」
    「一族根絶やしにされたくなかったらさっさと消えろ」
    「ヒィッ」

    モブ達は一目散に走って行きました。
    逃げだすのも仕方がありません。五条悟はこの地をおさめている名家、五条家の次期当主。
    つまりは力を持ったボンボンなのです。


    伊地知はズレた眼鏡を直しながら「助かりました、ありがとうございました。」とお礼を言いましたところ、物語は冒頭へ戻ります。


    「お、お前良い甲羅つけてんじゃん。脱げよ」
    「ヒッ!いや脱げるようなもんじゃありませんので」

    助けられたと思ったらカツアゲしてくる輩のグレードが上がっただけでした。
    甲羅を掴む五条の握力に怯えていると

    〜〜♪

    「あっ、上司からッ…ちょっと電話失礼します!」
    「ああ?」
    「もしも『ずいぶんと遅いじゃないか、伊地知。麓の町はそんなに遠いのかい?』
    「すっ、すいません、乙姫様!実は、、」
    チラリと五条を見ると
    今人を殺しましたー、3人でーす。あと1人くらい殺しても変わんねーから別にいいよなー?
    とでも言い出しそうな顔でこちらを睨んでいました。
    伊地知はヒュッと小さく息を飲み、

    「実は、、危ない所をイケメンに助けられまして…」

    いや何言ってんの私ぃ!?でも一切合切説明したら絶対ぶん殴られるでしょ…助けて乙姫様っ!とこのエマージェンシーを乙姫の感性に委ねました。

    伊地知の声色で危機的状況なのはわかってはいましたが

    『ふぅん、面白そうじゃないか。さそのイケメンを連れておいで、城に招待しよう』

    そう言うと乙姫は電話を切ってしまいました。

    「えっっ!?嘘でしょ、ちょっ…乙姫様!乙姫様ぁぁあ!!」

    乙姫が面白がってることと、余計にめんどくさいことになってしまった、と言うことだけはわかりました。

    仕方がないので、恐る恐るボンボンに

    「あの…もしよければ竜宮城に参りませんか?そこでおもてなしをさせて頂きます」

    と、提案しました。

    「ヤダめんどくさい。それより甲羅かせよ。俺の正拳突きの強さ見せてやるから」

    シュッシュッと素振りしながら迫る五条にさっきのモブとチェンジしたいと伊地知は切実に思いました。

    「あっ、あの!」
    「あ?さっさと出せよ動画撮ってアップするから」
    「それ炎上待ったなしじゃないですか!」
    「バズるって言うんだよ」
    「あっのっ!乙姫様は、、、巨乳です!!」

    助かりたい一心で伊地知は言い放ちました。

    「!?」

    さらにダメ押しで

    「美しく長い黒髪の涼しげな美人の巨乳です!」

    そう伝えると、五条は伊地知の肩に腕を回し
    「先に言えよ」
    と、言ってきました。
    出会って1時間も経ってないのに、この人間本当にストレスと伊地知は思いました。
    「ちなみにケツは?」
    「そちらも大変豊かでございます」
    「行くわ」

    こうして、ボンボン五条は海亀、伊地知の背に乗り海の中の竜宮城へと向かうことにしました。

    カツアゲされた際、粉々にされた蕎麦も
    「俺ん家に貰いもんのいい蕎麦あるから持ってけば?」
    と提案され、ありがたく貰い受けたのですが
    その際にコンドームを箱ごと後ろポケットに突っ込んでた事が気がかりでした。

    「(私は、不安因子を招いてしまったのかもしれない…)」

    溜息混じりで酸素をもらす伊地知は、背に乗るボンボンに不安しかありません。

    「なぁ、もっとスピード出ねーの?」
    「すいません、速度規制がありますので」
    「マジか」


    深く深ーく、暗い海底目指して沈んでいくと
    明るく色とりどりの美しい珊瑚の林がありました。
    抜けるとそこにはキラキラと光る立派なお城が建っておりました。


    「五条様の、おな〜り〜」

    どこからともなく聞こえてきた声と同時に大きな門が開きます。

    「お〜、すっげ自動ドア」

    竜宮城の中はボンボンの五条でも見たことない金銀パールな豪華な装飾が施されており、五条はキョロキョロしながら
    「スッゲー成金センス」と、ディスりました。

    長い廊下を歩くと、一層豪華に飾られた大きな広間に通されました。
    高い夜空のような天井には、星を集めたようなシャンデリアが浮いており、幻想的に瞬いています。
    今まで見たどの装飾よりも五条の目を引きました。

    贅沢な椅子に腰掛けしばらく待っておりますと
    「乙姫様のおな〜り〜」と言う声で薄布に覆われた間に照明が照らされ、乙姫のシルエットが映されました。
    黒髪ロングのグラマラス美人に心躍らせていると
    シュルリとなめらかな音を立てカーテンが開き出てきたのは

    「はじめまして、この度は伊地知を助けてくれてありがとう。乙姫の夏油傑だ。よろしく」

    薄っぺらい笑顔を貼り付けたガタイの良い塩顔イケメンでした。

    五条はそーっとその場を離れようとする伊地知にヘッドロックを決めると額に血管を浮かせながら

    「伊地知、マジビンタ」
    と、言いました。

    「ヒィイイッ、うっ嘘は言ってないじゃないですかぁっ!」
    「あれは巨乳じゃねー、ガチムチって言うんだよ」
    と、伊地知の頬にグリグリ拳をねじ込みました。
    「あうあう…」とされるがままの伊地知を見ながら
    「すまないね、〝乙姫” は役職名みたいなもんなんだ」
    とクスクス笑います。
    夏油のまの抜けた返答に肩透かしを喰らったような五条。

    「何はともあれ久しぶりの客人だ、歓迎するよ」

    夏油がパンッと手を叩くと、宙に浮いたシャンデリアからキラキラした煙が溢れ、宙で帯同し小さなツブテとなりました。
    その小さなツブテの光は群れを成し、空に余韻を残すと帯を揺らめかせるように五条を囲みキラキラ舞います。

    「すっげ… 」

    言葉を飲むほどに美しい幻想的な光景…それに心を奪われていると、乙姫が登場した奥間から、背中に甲羅をつけた海亀の執事達がカラカラと食器を乗せたワゴンを押してきました。

    綺麗に磨かれたナイフやフォークをセットしていき、銀のクロッシュも並べられます。

    五条の目の前に夏油が座ると、流れる光の帯は二人の間に一列に流れだしました。
    天の川を目の前したらきっとこんな光景なんでしょうか。
    別段グルメと言うわけではないけど、それなりに物珍しいものも食べてきた五条でさえ、どんなものが出てくるのか全く想像がつきません。そして目の前の迫力に期待でごくりと喉が鳴ります。

    夏油は五条の驚く様を見て
    「竜宮城ならではのグルメってとこさ」
    と、微笑みました。

    一体、どんなご馳走が出てくるんだう?
    五条はここにきて初めて海の中の竜宮城に期待しました。

    そして、銀の蓋が開けられるとそこには、

    何やら見慣れた光景がありました。

    仕切のついた黒い皿に、右から、ネギ・生姜・茗荷・青紫蘇・刻み海苔
    手前のスープかと思っていたガラスの腕には

    「麺つゆだ…」

    いや、これ何?
    そう思っていると
    「五条様、失礼します」
    執事が五条の前に置いたのは『竜宮城』と書かれた割り箸でした。

    目の前の、天の川に水流が流れ出しすと天井からキィーーンとエコー音が響き
    「あ〜あ〜…マイクテスト中、マイクテスト中」
    どうやら、伊地知がシャンデリアの上から喋っているようです。
    マイクテストを終えると勢いよく言いました。
    「それでは流しまーす!!」

    その声と同時に白い塊が天井から長ーいスロープを通って五条の目の前を通り過ぎました。
    いや、そんなはずは…
    そう思いながら割り箸を取ると、次に流れてきた麺をすくい、つゆに付けズゾゾッと啜ります。

    「うん、素麺だな」

    夏になると嫌と言うほど食卓に上がり、このボンボンでも食べ過ぎて飽き飽きしてしまっている、お馴染みの素麺でした。

    「いや!最初のアレからの素麺て何!?」
    「これは竜宮城特製の流し素麺機だよ」
    「この、フランス料理とかでよく見る銀のやつ居る!?」
    「フフっ、料理は器も楽しむものさ」
    「ぜってー使わねーだろ、このナイフとフォーク」
    「そうだね」

    クスクスと笑う夏油を見て、五条はコイツ良い性格してんな、と思いました。

    「あーあ、竜宮城だったらてっきりもっと美味いもん食えるのかと思ったわ…、伊勢海老とか」

    と、太々しく言うと広間がザワつきました。

    「なんと恐ろしい事を…!」
    「酷い…同胞を…」
    「カニバだ…エビだけどカニバだ!」

    どうやら、海の生物を食べたいと言う発言は、竜宮城では禁忌だったようです。

    とんでもない事を言ってしまったと思っていると、赤く立派な触覚と尻尾を生やした老執事がヨボヨボと夏油の元へ近づき言いました。

    「生い先短いこの老体、乙姫様のお客人、五条様へ捧げます。どうぞ役立てて下さいませ。
    最後に身を呈しもてなしたとあらば、この楽巌寺由伸、本望にございます」


    やっべぇ、コイツ伊勢海老だ。

    「楽巌寺…すまない、これも五条家の嫡男をもてなすためだ、許してくれ…
    腕一本なら脱皮でまた生えてくるだろう、屠坐魔をここへ」

    いや止めねーのかよ。

    伊地知がウッウッと泣きながらファーのついた禍々しい刃物を持ってくると、五条は必死に止めました。

    「やっ、やめろ!重い重い!その爺さん食うとかマジ無理!!!!」

    伊勢海老の楽巌寺はプルプルと震えながら五条の方を向くと口を開き

    「…さぷらぁ〜いず」

    「は?」

    パンッパンッパンパンッ

    「うわっ、ちょ、なに!?」

    クラッカーの紙テープが飛び交い、五条に降り注ぐと、天井の流し素麺機から大きな真っ黒の玉がぶら下がりパカっと真っ二つに割れ、中から

    【歓迎!ようこそ五条様】
    と、書かれた垂れ幕が下がりました。

    「クックック…ご…wwwごめんねwwwククッwww」
    「いや草はやしてんじゃねーよ」
    「ふぅー、笑った笑った。なに、君があまりにも詰まらなそうにしていたからね」
    「涙出るまで笑ってんじゃねーよ乙姫この野郎」
    「すぐる。傑で良い。私も悟って呼ぶから」

    コイツ…!と思っていると肩をポンっと叩かれ、振り返ると伊勢海老ジジイ、楽巌寺が立っていました。
    いかにサプライズだとしても、先の発言には気まずいものがあります。
    楽巌寺は鋭い眼光を向け、五条も身構えます。

    「儂は…」
    キレてる?思わずごくりと息を呑む五条。

    「儂は、伊勢海老は天ぷらが好きです」
    「いや、食いにきぃわ!」
    「今朝脱皮したばかりの、孫娘を皮ごと揚げてきますので少々お待ちを」
    「マジやめろ!そう言うのマジでやめろ!!」

    ドッと竜宮城に笑いが広がり

    「さぁ、歓迎会の仕切り直しだ」

    と夏油が言うと沢山の料理が運ばれて来ました。
    海鮮はもちろん、豚の丸焼きなど見た目にも豪華絢爛な料理が並びます。












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